怪傑! お下劣ババァ! ~機械帝国の進撃と逆鱗のババァ~
ババァコメディー第4弾!!
200X年8,8――
あの夏の事は忘れない――
そう、あの恐怖の大事件は忘れちゃいけない。
風化させてはいけない。
7,30,火曜日,PM9:01――
世界中にある声明文が発表された。
「我々は、機械帝国ネバー、これより人類はロボットによる監視下に入る!」
突然のテレビジャック、当初はなんかのドッキリ番組かと笑っていたが、町中にロボットの兵隊がはびこむと、当然世界中はパニックになった。
政府機関に電話が殺到して混乱はヒートアップしていく。
国連の軍隊がロボット兵と紛争する中、トモアキも兵士として無理やり軍隊に入れられた。
ババァにとって戦争の再来で悲しき大事件。
「イヤじゃぁぁ、トモアキを連れてかんでくれぇぇぇ!!」
「おばあちゃーん!!」
二人は引き裂かれ、ババァは心にぽっかり穴が開いた。
「爺さんや、ワシはどうしたらええんじゃ?」
ババァは亡くなった爺さんの写真を手に取り大粒の涙を流す。
「泣くなフサ子、お前にならできる」
「爺さんか、爺さんどうしているんじゃ?」
「トモアキを、世界を救えるのはお前だけじゃて」
「爺さん!!」
ガバっとババァは起き上がると頭に鉢巻をまき、ほうきとお鍋のふたを持ち外へ飛び出そうとした。
8,1,水曜日、AM8:05――
「おばあちゃん、外は危険ですよ」
「ええい、離せバカ嫁が!」
家族の制止も聞かずに勢いよく外に飛び出したババァ。
「待っておれぇぇ、トモアキーーーー!!」
AM8:54、新宿シティー
「猛スピードで謎の生命体が接近中!」
「新たな敵か!?」
「いや、家のババァです!」
「なにぃぃぃ!?」
最前線で戦うトモアキをババァは確認。
「トモアキ!!」
「なんで来たんだよババァ!?」
「トモアキ……辛かったんじゃ戦争の再来が辛かったんじゃ」
「おばあちゃん……」
しかし祖母と孫の再開はすぐに引き裂かれた。
最前線に年寄りをいさせるわけにはいかない。
隊長は護衛をつけ自宅にババァを連れていく。
車の後部座席からトモアキの名前を呼ぶババァ。
PM5:03――
下条家ではババァに説教がなされていた。
「いいですか、お義母さん今後こんな真似はしないでくださいね」
しぶしぶ、自分の寝室に戻るババァ。
食事も喉を通らず日に日に弱っていった。
一週間後のXデー
8,8,AM902
「バババババ!!」
「隊長、生命体が多数!!」
「なんだ!?」
「ババァ軍団です!!」
「なにぃぃぃ!!」
フサ子を筆頭にババァ軍団が総勢二十人。
「フサ子さん本当にやるのかえ?」
「当然じゃ、悲しき戦争なんかワシらで終わらせるぞえ!!」
「わぁぁぁぁ!!」
ババァ集団に圧倒されて人類の兵士はおろか機械帝国ネバーのロボット兵も破壊されていく。
「この、カラクリどもめが!!」
ババァたちの武器は水鉄砲中身は塩水である。
「機能停止!」
まさかの弱点塩水に人類兵士たちは拍子抜け。
各国の政府はすぐにヘリで塩水を散布してロボット兵を破壊していった。
8,8,PM4:15
東京スカイツリー最上階でネバーの総統と対峙するトモアキとババァ。
「ぬうぅ、よもやワシのロボット兵たちがこんな形で敗れるとは、許さんぞお前たち!」
ピストルを構える、ネバー総統、安居は銃口を向けて引き金を引いた。
「危ない、ばあちゃん」
トモアキはババァをかばって銃弾を負った。
「トモアキー!」
地面に倒れこむトモアキの手をとるババァ。
「トモアキ死なんでくれ……」
トモアキはガクッと首を落とす。
PM:4:44
トモアキ目を閉じる。
「許さんぞ……」
「はん、ババァ一人で何ができる!?」
「許さんぞぉぉぉぉ!!貴様ぁぁぁ!!!」
ババァは逆鱗し、安居に猛ダッシュで近寄り鋭い目で睨みつけた。
その気迫に圧倒され手が出せなかった。
「この、クソジジィィィ!!」
強烈なビンタがさく裂すると、安居の首は180度回転してぐるぐると何周も周り首が吹っ飛んだ。
「機能停止……」
PM5:00
トモアキに近寄りババァは最後にお別れのチューをしようとしたとき、パチっと目を開けたトモアキ。
「何しやがる。クソババァ!!」
ババァを押しのけて殴りかかろうとした。
その時、冷たい視線が後ろら、背筋を凍らすトモアキ。
「最低……」
「ユリちゃんどうして?」
「何でもないから、私帰る!」
世界は救われたが、トモアキの心はババァのせいでボロボロに。
「そうじゃ、なんで生きておるんじゃ?」
「あ、防弾チョッキ着てたから」
「早く言わんかぁ馬鹿もん!」
PM5:30
日が落ちるのを展望台から見る二人の心は同じ言葉でいっぱい。
『この人が生きてて良かった』
ババァとトモアキはお互いに信頼しあえる仲の良い祖母と孫である。
ー完ー
読了感謝!!!