表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
宙を翔ける者   作者: O
1/4

プロローグ

これはもともと端末の「メモ」の機能に趣味で書いていたものです。細心の注意は払っていますが、一部誤字、脱字があるかもしれません。ご了承ください。

6月20日、独立行政法人宇宙航空研究開発機構 (JAXA) は、新たな宇宙衛星「ときお」の打ち上げを行った。現在、日本の宇宙開発の現状はお世辞にも順調といえる状況ではなく、韓国や中国などの近隣諸国に次々と先を越されていく中での、十二年振りの衛星打ち上げとなった。

今回打ち上げられた人工衛星は、リモートセンシング衛星の部類に入る。リモートセンシング衛星とは、早い話が地球観測衛星である。

今回の衛星の他と違う点は、その用途である。前述のとおり、メインの用途は地球観測だが、もう一つ、ある目的があった。それは、地球外知的生命体との交信である。内容が内容なりに衛星の構造も一工夫を加える必要があった。例えば、姿勢制御に関しては少し特別な方式に変える必要があった。何せ第二の目的である地球外知的生命体との交信とは、具体的に言えば地球外知的生命体からの電波メッセージを受信することである。それをするためには、衛星の構造として、アンテナやセンサーの位置は安定させる必要がある。そこで、姿勢制御に二重スピン安定方式が適用された。姿勢制御とは、衛星が軌道からずれていないかを検知する仕組みで、機体を回転させ、それによるジャイロ効果で軌道のぶれを防ぐ方法がスピン安定方式である。またそのスピン安定方式の中で、アンテナやセンサー等は機体とは別に逆方向に回転させることでジャイロ効果を用いつつもそれらの部位を安定させる方法が二重スピン安定方式である。

しかし地球外知的生命体との交信となると、衛星の製作の予算も苦しくなってくる。地球外知的生命体との交信を提案したのは一人の新米なのだが、この意見はJAXA内でも賛成派と反対派に分かれ、なかなか収束しなかった。なぜなら、総務省までもがこの案に口を出し始めたからだ。

先進国にも関わらず宇宙開発が他国に比べてかなりの遅れを取っている現在の日本の状況を立て直すには、未だにどの国も成し得ていない事業を成功させる必要があった。それが地球外知的生命体との交信、つまりエイリアンの発見だった、といえばやや極端だが、技術大国である日本はただでさえアメリカからのライセンス国産でこれらの事業を繋ぐのに必死だったのだから、総務省が食いつくのも無理もないのである。また、ライセンス国産とは、他国と技術契約を結び、その国に許可をもらった上で許容範囲で技術を提供してもらうことで、宇宙開発事業ばかりか、航空事業関係もこれで繋いできた。

ただ、リスクもあった。打ち上げが成功するか否かも大きな問題だが、それ以上に大きな問題は、前述のとおり予算だった。成功するかもわからない事案に多額の金をつぎ込んでまでする必要は果たして本当にあるのか、という話だった。またJAXAは、かつて情報漏洩事件に遭ったことがあった。コンピュータにウイルスが侵入し、約一ヶ月の間、データが何者かによって拡散されていたのだ。この時、JAXA内のコンピュータの一斉調査が行われたが、原因は明瞭にはならなかった。このこともあり、JAXAの幹部は事業の計画進行には思わず忍び足になってしまい、今回の計画が再び漏洩しては大きな国家機密問題、そして下手すれば国際問題にもなりかねないと情報漏洩を懸念する者も少なくはなかった。

内閣府はというと、ここでどちらかに判断を下せば、恐らくほぼ間違いなくその内閣府の決断した方向に事が進んでいくことになっていたのだが、賛否両論どちらも経済的には何とも言えない話であり、ここで首を突っ込むと厄介になると判断した内閣府は、完全にこれを黙殺していた。経産省は予算のこともあり、衛星の計画には難色を示したが、これに成功すれば経済的な負荷もかなり解消されるとも踏み、どちらとも付かぬ状態であった。

こんな感じで膠着状態が続いたわけだが、文科省が賛成派に付いたこともあり、JAXAは新たなリモートセンシング衛星の製作を正式に発表したのだった。経産省にとってはこの時点では予算のこともあって断腸の思いだったであろうが、今回の計画にも積極的に介入していく意向を表明しており、事業の準備、進行も援助していた。

そして紆余曲折を経て、ようやく人工衛星「ときお」の製作が決定し、ついに6月20日にそれは打ち上げられた。打ち上げは無事成功に終わった。JAXAのスタッフ達は何事もなく衛星の打ち上げを行うことが出来て胸を撫で下ろしていた。そんな時だった。東京のJAXA本部に、ある手紙が送られてきた。

宇宙開発事業の知識は僕はゼロで、ネットで漁った知識でそれっぽく書いたものです。

宇宙開発事業に精通してる方や、造詣が深い方、何かアドバイスがあれば是非お願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ