表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「難攻不落の氷姫」と呼ばれる他校の美少女に傘を渡したらなぜか養ってもらうことになった  作者: 星宮 亜玖愛


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/43

第26話 君の元へ

「はぁ?何言ってんの、キモ」


「どうとでも言えばいい。ただこれだけは教えてくれ、結姫はどこだ」


「言うわけないじゃん、きしょいよ」


「おい、真面目に聞いてんだよ」


「こっちだって真面目に答えてますよーん」


 その中の1人がスマホをいじりながら答える。


「おい……ふざけるのも大概にしろよ?」


 正直自分でもわかった、人生で1番キレていると。


 キレることなんてそうそうなかったのもあるかもしれないが、それ以上に今の状況がムカついてならなかった。


「どうして…どうしてお前らなんかに……お前らに結姫の何がわかるんだよっ!!」


「ひっ……」


「いつも真面目で、優しくて、それでいて強い人で…お前はそんな結姫を知ってんのかよ!!結姫の何を見てしょーもないって、調子乗ってるって言ってるんだよ!!」


 そこで俺は一区切りしてまた続ける。


「お前らが思ってる100倍も200倍も結姫は努力してんだよ!親元離れて一人暮らしして、自分でご飯作って自分で掃除もして!!その上俺の世話まで焼いてくれて……!!そんな優しくてかっこいい結姫を、お前らになんでばかにされなきゃなんねぇんだよ!!おかしいだろ……」


 もしかしたら俺の瞳からは涙がこぼれ落ちていたかもしれない。


 でもそんなことなど気にもならないほど感情的になっていた。


「そんなやつを陥れて……お前らは何がしたいんだよ……」


「何がって……」


 その女子高生たちは口籠る。


「俺は結姫を助けにいかなきゃなんねぇんだよ」


 だから、と言って続ける。


「結姫がいる場所、教えてくれ……いや、教えてください」


 そう言って俺は深く頭を下げた。


 今彼女たちがどう言う顔をしているかは見当もつかない。


 でも、それでもこうせざるを得なかった。


 手段を選んでられないほど結姫を一刻も早く助けたかった。


 だから、だから……!!


 頼むよ神様………


「に…2丁目の3番目の裏路地のところに……います」


 するとその中の1人がおずおずと口を開いた。


 俺は顔を上げてその1人の顔を見た。


 嘘をついてる顔ではなかった。


「ちょ、ちょっと!何勝手に言ってんのさ!」


「朱美に殺されるよ!!」


「いや、いいんだよ、私も最近これがおかしいってことには気づいたんだ。もっともそれが最近っていうのは本当に我ながら終わってるとは思うけどね」


 その1人がそう言うと残りの2人は黙ってしまった。


 俺はその人の顔をもう一度じっくりと見て、しっかりと頭を下げた。


「ありがとう…!ちゃんと、結姫を助けてきます」


 俺はそう言い残してその場を去った。


♢♢♢


 そこからは全力疾走だった。


 息が切れて、足がもつれても走ることをやめなかった。


 たった1人の大切な存在を守るために、俺の足なんかは止められなかった。


 人混みをかき分けて、ただただ裏路地を目指して進み続けた。


「はぁはぁはぁ…あと、すこし……!」


 そこの曲がり角を曲がったらもうすぐそこだ。


 曲がりが度を曲がって、結姫の姿が見えた。


 結姫は地面に倒れ、男2人と女2人に囲まれていた。


 それを見て腑が煮え繰り返るほど憤りを感じた。


 今すぐにでも周りにいる奴らを全員ぶっ飛ばしたかった。


 でもそれを抑えて、結姫に聞こえるように大きく、深く叫んだ。






「大丈夫かっ!結姫っ!!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ