5・急展開の帰宅後
一也と雪羽と別れた後電車に乗った龍斗は龍斗の母からLINEが来た。
〝早く帰ってきて大事な話があるから〟
(なんだろ話って学校行ってまだ何もやらかしてないんだけどなあ。てか俺やらかすこと前提なの草)
そう思いながら龍斗は不思議がりながら、電車に乗っていた。
しばらくすると電車が龍斗の家の最寄り駅に着いた。一応怒られるのが面倒なので、電車をおりると早歩きで改札を抜け、すぐに家へと向かった。5分ほど早歩きで歩くと龍斗の住む一軒家が見えてきた。家のドアを開けて入ると唐突に龍斗の母がリビングから出てきた。
「龍斗とりあいず、部屋に荷物を置いてすぐリビングに来なさい」
龍斗が「話って何?」と聞いても母は「リビングにきてから」の一点張りだった。
(ほんとに何もしてないのになんだよ!)
と少しイライラしながら、階段を上り二階の自分の部屋にカバンを置き階段を下り、リビングへ行きソファに座ると龍斗の母が話を始める。
「龍斗もう少しだけ待ってね。お父さんがまだ来ないから」
「そういや今日父さんは?今日休みでしょ会社」
「実はね昼頃会社から急に電話がかかって来て、急いで会社に行ったの。もう少しで帰ってくるはずなんだけど…」
「へ〜」
龍斗はしばらくソファに寝転がって無言でスマホをいじった。5分ほどいじって居ると、玄関のドアが開く音がした。
「ただいま!すまん遅くなって」
龍斗の父が帰ってきた。と同時に母が聞いた。
「会社で何か言われたの?」
「実はな、元々龍斗に話すことあっただろ母さん。あれにもうひとつ話さないといけないことができたんだ」
そう喋りながら龍斗の父はリビングに入ってきた。
「あのな龍斗。実は柚子乃学校明日こっちに帰ってくるんだ。」
(ここに柚子乃って誰?と思った方へ俺が心の中で説明しよう。本名は浅葱柚子乃。俺の一つ下の妹だ。中学にあがるタイミングでロシアに留学に行ったのだ。理由はまあ俺がこんなだから親が区切りのいいタイミングで配慮したのだろう)
「え?柚子乃帰って来るの?」
「ああ、さすがにお前をあの学園にいれたしな変なことはしないだろう。ていうかくれぐれもするなよ!したらお父さんがお前を殺す」
「もう2年も殆ど喋ってないんだぜ。しかも妹だろ、やましいことするわけないじゃん!」
「たしかにな。まぁ信用するしかないかもうここにはしばらく帰ってこないし…」
「しばらく帰って来ないってどぉ言うことだよ父さん」
「これが2つに話す大事なことだ実は父さん転勤することになってなカナダに…」
「カ…カナダ!!!?」
(母さんとツボった。母さんも知らなかったんだな)
「カナダってあのカエデの?」
母が聞いた。
「いや逆にそれ以外何があるんだよ!」
そう龍斗の父が言うと、母はまだ驚きを隠せないまま
「確かに…」
驚きと納得が入り交じった言い方をした。
「そこでだ、母さんには一緒にカナダに来て欲しい」
「私はいいんだけど龍斗は?それに柚子乃も帰ってくるのに…」
「もう、龍斗も高校生だ。それに柚子乃も日本だと中学3年生だ。だから大丈夫だろう」
「ここは2人を信用するしかないね…」
(いや放任してるし、まあ楽だからいいけど)
「龍斗もそれでいいか?」
龍斗の父が言った。
「分かった頑張るわ」
(いや親いないとか楽だし断る理由なくね)
「なら分かった。あと龍斗この家明後日から人に貸すから明日の朝には引越し先のお前と柚子乃が住むマンションに荷物を運べるように今から準備しろよ!トラックが朝には来るから。そしてな父さん達は明日の夜には、カナダに行く飛行機に乗る」
「柚子乃は?柚子乃はいつ帰ってくるんだ?」
「明日の昼よ。」
そう龍斗の母が答えた。
「だから明日の朝までには荷物をまとめて欲しいんだ!」
今度は龍斗の父が言った。その話の後龍斗は階段を上がりながら
(何この急な展開)
と思った。
龍斗は部屋に戻り荷物をまとめているとあちらこちらからお色気グッズや友達と遊びで買ったアダルトな道具などが沢山でてきた。しかしその中から2枚の写真が出てきた。
(1枚目は昔家族で撮った写真か、この写真兄貴居るじゃん今何してんだろ?2枚目の写真はなんだろ?あ、これは幼稚園の時に友達と俺を含めて3人で撮ったやつだ懐かしい)
写真には男の子と龍斗と女の子の3人が写っていた。とりあいず思い出の写真なんだろうと思い、龍斗は持っていくことにした。
その夜部屋がとても綺麗に片付いた。龍斗には部屋がいつもよりも広く感じられた。
この日の夜は新生活への期待と楽しみから龍斗はなかなか寝れずにいた。ようやく寝れたのは深夜3時だった。
話のペース遅すぎなw