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バグ#03 衝撃の事実



 結局顔も洗えず洗面所から追い出された俺は仕方なくリビングに向かった。

 リビングから見えるキッチンの方では義母(俺はもうおふくろって呼んでる)の空閑眞由美くがまゆみが朝飯の準備中で、トントントンっ、とリズミカルに包丁を鳴らしている最中。


 朝の挨拶をしようと思ったが、ゼロの声でいきなり話し掛けるとさっきの愛鈴紗のようになりかねないような気がして一瞬逡巡した…が、しかし、おふくろなら大丈夫だろうという謎の安心感がすぐ湧いて、ダイニングテーブルに近付き一言放った。


「おはよう、おふくろ」


「おはようー零ちゃ……ん?」


 最初は普通に俺だと認識して挨拶しようとしたんだろうけど、途中でアレっ?とか思ったのか、語尾が上がって疑問形になってた。


 その場で振り返り俺を見たおふくろと視線が合い……


「おはようー零ちゃん!」


 ……普通に言い直してきた。

 この姿を見て何も思わなかったのかと。

 しかしメーターはというとこんな感じだった。



 喜:■■■■■□□□□□

 怒:□□□□□□□□□□

 哀:□□□□□□□□□□

 楽:■■■■□□□□□□ 

 恥:■□□□□□□□□□

 驚:■■■■■■■■■□



 いや、めっちゃ驚いてますやんっ。

 それで普通にニコニコしながら挨拶返すとかスゴいなおふくろ、尊敬するわ。


「いや、おふくろ?普通に驚いてもいいと思いますが?」


「?零ちゃん見て驚くわけないでしょー?」


 だからめっちゃ驚いてるのバレバレですがな、メーターMAX近いし。


「いやいや、この姿見て何も思わないワケ?」


「んー…いつもより三割増しでかっこいいねっ!昔の一久さんを思い出すわーっ」


 この人も当ててくるのかい…やはり血の繋がりは強いということか。

 間違い無く愛鈴紗の母である。

 ってか、今聞き捨てならないことが…。


「昔の、親父に…似てる……だと………っ!?」


「うんうん、目元なんか特にねーっ」


 馬鹿なっ!俺は無意識の内に親父似のキャラエディットをしてしまったというのかっ!

 ってことはあれか、おふくろが驚いたのって昔の親父を思い出したからかっ。


「それで?どうしてそんな容姿になったの?」


「あ、はい。朝起きたらこうなってました…。さっき洗面所で愛鈴紗にも驚かれたよ」


「あらそうなのー。でもあれね、愛鈴紗は嬉しがってたんじゃない?」


「んーいつも通り普通に罵倒されたけどねー。アハハハー……」


 実はかなり喜んでましたが。

 これヤバいな…正直かなり俺も嬉しいんだけど。

 いつもいつもキッツい言葉を叩きつけてきてたあの愛鈴紗が、まさかのツンデレだったとは…。

 ゼロになったからっていう点は多分にあるかもしれないが、それはそれでいいや、中身は俺だしなっ!


「ふーん…そっかぁ。愛鈴紗も相変わらずねぇ。まぁいいわ、朝ご飯はもうちょっとで出来るから待っててねー」


「りょー」


 先に着替えようかと思ったが、洗顔してからにしたかったからリビングに戻りテレビを付けて、愛鈴紗が終わるのを待つことにした。





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