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バグ#20 昼食会



「それで早速だけど、空閑君はどうやって静音と知り合ったのかしら?」


「え?いや、だから睦月先輩から聞いてないんですか…?」


 皆でお弁当を食べ始めてから割とすぐ七彩先輩が俺に聞いてきた。

 今朝も言ったけど睦月先輩と話してないんだろうか?


「あー零二くん、この娘わたし達にも滅多に口聞かないよ?」


「そ、そうなんですか…?」


「ええ。だからこうやって貴男に聞こうとしてるのよ」


「…………」


 睦月先輩、幼馴染相手にそんな恥メーター上げなくても。

 そんなに喋るの恥ずかしいんですか?俺と手繋ぐ方が恥ずかしいと思うんですけど…。


「えっと、じゃあ俺から説明してもいいですか?睦月先輩」


「…………(コクっ」


「分かりました。昨日駅前の本屋でですね──」


 睦月先輩の許可も得られたので俺から昨日の出来事を説明した。

 さっき十亀にも話したし、愛鈴紗達も聞いてた話だ。

 弁当を抓みつつ大体説明し終わったところで睦月先輩を見たら、昨日の事を思い出したのか自分の掌をじぃーっと見つめていた…勿論無表情で。

 皆が見れば何やってるんだって感じだろうけど、喜楽メーターがほぼMAX値に近いところをウロウロしてるから嬉しがってるんだろうなーって。

 そんなの見たら俺もまたニヤけちゃうからちょっと控えてほしいです…。


「…そう、そんなことがあったのね…。ありがとう空閑君、私からも礼を言わせてもらうわ」


「だねっ。零二くん、ありがとねっ!」


「…………(ペコっ」


「ああ、いえ、そんな大したことはしてないので…。睦月先輩が困ってそうだったからちょっと気になって声を掛けただけですよ。それに…」


「…?それに?」


「あ、いやっ、何でもないです、何でもっ!」


 睦月先輩の手が気持ち良かったからこちらこそありがとう、って言いそうになった…今までの俺の人生で間違い無く貴重な経験をさせてもらったので。

 今朝もまたしてくれるとは思ってもみなかったけど…。


「そうかなぁ〜?アレでしょ?静音の手の感触でも思い出してたんじゃないの〜?んん〜?」


「……おー兄ーぃーぃーいーいーっ!!」


「ちっ、違うっ!違いますからっ!」


 八潮先輩、そんなこと言いながらニヤニヤして………



 [那津波]

 喜:■■■■■□□□□□

 怒:□□□□□□□□□□

 哀:□□□□□□□□□□

 楽:■■■■■■■■■□ 

 恥:■□□□□□□□□□

 驚:■■□□□□□□□□



 めっちゃ楽しんでる!楽メーターしか動いてないしっ!この人そういうタイプの人かっ、人を揶揄って楽しむっていう!ちょっと要注意人物だな…ヘタすると玩具にされそうな予感。

 けど顔に出る人は分かり易くていいな、メーターは補助的な感じで使えばいいし。

 ワンメーターしか動かさないっていうのは何故か見てて若干イラッとするんだけど…ホント若干ね。


 そして八潮先輩の隣にいる睦月先輩はというと……



 [静音]

 喜:■■■■■■■■■■

 怒:□□□□□□□□□□

 哀:■□□□□□□□□□

 楽:■■■■■■■■■□ 

 恥:■■■□□□□□□□

 驚:■■■■■□□□□□



 ↓↓↓



 [静音]

 喜:■■■■■■■■■□

 怒:□□□□□□□□□□

 哀:■□□□□□□□□□

 楽:■■■■■■■■■■

 恥:■■■□□□□□□□

 驚:■■■■■□□□□□



 とまぁ、今八潮先輩が揶揄ったことで俺と同じように思い出したんだろう、またさっきみたいに真顔で自分の掌をマジマジと眺めつつ、喜楽メーターしか動かしてないという。

 驚メーターがこうなのはドキドキしてるってことかな…?睦月先輩も俺と同じ気持ちだってのはよく分かりました、なのでもうその辺で止めてくれませんかね…自分も今そんな感じのメーターになってるのかと思うと恥ずかしいんです…っ!


「那津波、初対面なのにそうやって揶揄うなんて、貴女も珍しいんじゃなくて?」


「な、ちょっ、何言ってんのさっ果穂っ!わたしはいつもこんなんでしょ!」


「だから『初対面で』って言ってるでしょ?」


「ぐっ…いや、だって零二くんってなんかこう、揶揄いやすそうっていうか、気安い感じで付き合えそうっていうか……」



「八潮先輩、気持ちは分かりますが止めてください、お兄ぃを玩具にするのは」

「それやっていいのはワタシだけなのでっ」

「私の旦那さまに色目使うのやめてくれません?」



「お前ら何言ってんのっ!?」



 え、なに、愛鈴紗も璃空もいっつもそんな風に思ってたワケ!?いや、璃空はそうだろうなーとは思ってたけどっ。

 そして仁科さんはいつになったら戻ってきてくれるのかと…色目って、初対面でそんなもの使うわけないだろ…無いよな?普通は。


 と、終始こんな感じで昼食会は終わった。

 あ、仁科さんの旦那さま呼びについては三人にも説明した…八潮先輩は大爆笑してたし七彩先輩は頭を振って呆れてた。

 睦月先輩は…旦那さまって聞く度動いてた哀メーターがウンともスンとも言わなくなった。

 やっぱり気になってたってことなんですかね…?





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