なんで物語の中核は厨二病なのでしょうか??
作者は厨二病です(グッ)
「紅虎炎!……あっ紅に虎に炎な」
そう勇者は言い放ち、地面を強く蹴って宙に浮いた。
歯を食いしばり、姫への想いを込めた拳が黒い巨影……魔王へと炸裂する。
その瞬間、辺りは紅い光に包まれた。まるで勇者の怒りを表しているかのような炎の虎と共に……。
「姫っ!!」
魔王が片手に握り締めていた姫がふわりと落ちる。
慌てて勇者は姫の元へと走り、落ちて来た姫を抱き抱えた。
「……姫」
抱き抱えたまま、勇者は姫の顔へと唇を近づけた。
辺りに広がる煙が二人を包み込み、まるで秘密を守る様隠しているかの様だ。
勇者の唇が姫の唇へと付きそうになった時だ。
「……こんな奴嫌だ」
「……へ?」
「こんな厨二病嫌だってんだよーー!」
なぁにが悲しくて、こんな厨二病にファーストキス奪われなきゃいけねぇんだ!
……たいがーふれーむ?
なんやねん!寒い!寒過ぎる!
大体魔王もそうだけどさぁ!
闇への誘いとかさぁ永遠の安寧の歌とかさぁ
……ダサすぎひん?
しかも当て字にしてますけど、技使った後に漢字説明してるの恥ずかしく無いの?ねぇ。
てかもうちょっと良い名前ないのかね?てか漢字必要無いやろ!
あっ煙晴れた。
あぁもうヤダ!お父さんも技名に惚れ惚れしてるし……。
てか今お姫様抱っこされてんじゃん!嫌だァ!絶対誤解される!
絶対、あんな厨二病とは結婚しません!
……三年後
今日は庭でほーむぱーてぃーとかしました。
バーベキューもしました。
そして庭のテーブルセットには勇者と魔王が二人で何やら話し込んでいます。
新たな戦争?魔王からの宣戦布告?
いいえ、違うわ。
「なぁこれさぁライトニングシャワーじゃなくてライトニングサンダーの方が良くね?」
「何を言っておる。あれは雷というより礫のような、シャワーのようなイメージだろう。」
……馬鹿共。
あぁ!私の周りに良い男がいない!
平和だけど何か違うわい!
「姫様……お二人様は何を……ハッまさか新たな戦争でも!?」
「いいえ、違うわ護衛兵、貴方は気にしなくて良いわ」
……護衛兵。お願い、貴方はこの世界に踏み込まないで。
(姫様の顔が険しい……もしかして姫様は私に心配をかけまいと!)
「ご心配なさらず姫様!私がこのスキル「空に降る閃光」でお護りします!……あっ空に降る閃光ですよ漢字」
……あぁ。