ロケット人間 1
この話を読む前に知っておいてほしいこと
・時代は未来の話
・人類は遺伝子操作で病気にならなくなった(怪我はする)
・最初に遺伝子操作を受けた人の子供も病気にならない(怪我はする)
・その子供の子供も病気にならない(怪我はする)
・最初に遺伝子操作を受けた者を第一世代、その子供は第二世代、その子供は第三世代、第四世代と呼ばれる
・奇病は遺伝子操作によって生まれた新たな病気で超人病と言われている
初診日:2187年3月6日(火)
氏名(仮名):トマソン・ローマン(17歳)
性別:男
出身地:アメリカ合唱国
症状:アドレナリン等のホルモン過剰分泌の疑い
病歴:なし
アレルギー:なし
住居家族構成
祖母(81歳)
父(59歳)
母(52歳)
弟(15歳)
弟(14歳)
妹(8歳)
来院理由
競技大会出場のため検査を行ったところ、血中のアドレナリン量が常人の約三倍検出される
にも関わらず薬物反応なし
アドレナリンの過剰分泌の副作用である自律神経の乱れ、内臓機能の低下等もなく、健康状態は至って良好
大会関係者からさらなる精密検査の要請を受け来院
追記
患者の一日の平均睡眠時間は15~30分
一日中起きているにも関わらず疲労感や睡眠不足による集中力の低下は見られない模様
また、一日の食事回数は8回、どの食事も平均3000kcal摂取しているようだ
検査項目
・身体検査
・血液検査
・全身のレントゲン
・身体能力検査
・学力検査
・アレルギー検査 etc
検査結果が出次第、治療方針を検討することとする
以下、問診録音レコーダーより一部抜粋、記載する
「学校では陸上をしているようだが、、、、短距離かね?長距離?」
「長距離を、42.195キロのマラソンです。」
「凄いね、若いってのは、、、、っと記録は?」
「えーと、公式ではないんですけど1時間13分です。」
「1時間!?世界記録を40分も更新したのかい?」
「ええ、まあ、、、」
「君は眠りもせず、休みなく、時速35キロを走り続ける。そいつは大会関係者もドーピングを疑うだろうな、、、」
「お母さま、彼が生まれてから何か気になることはありましたか?」
「特には、、、活発でよく遊ぶ、ほかの子供たちと変わらない子でした。」
「生まれる前の検査や生まれてすぐの検査では?彼は第四世代ですよね?生まれる前と後のゲノム検査は必須事項のようでしたが問題はなかったですか?
「はい、、、検査結果では問題なしと言われました。」
「となると、後天的な遺伝子変化の可能性あり、、、、と。」
「あ、そういえば、、、この子がまだ五歳くらいのころ、ハサミで指を怪我したことがあるんですけど、、、」
「もしかして、怪我の治りが早かったとか?」
「え、あ、はい、、、浅い切り傷だったんですけど、その、、次の日にはもう傷跡も残らないほど綺麗になってまして、、、」
「子供は代謝がいいと聞いていたので別段気にしなかった、、、、と。」
「まずは精密検査をします。身体測定、血液検査、レントゲン、あとゲノム検査、その他にも身体能力テスト学力テスト諸々、すべてできるだけのことはやりましょう。」
「こ、こんなに検査が必要なんですか?」
「ええ、その紙に書いているものは全部します。というのも、いまのところ彼の身体に何が起きているのか全くわかっていません。詳しく調べてみないことには治療もできないというわけです。」
「え、前の検査ではホルモンバランスが崩れていると言われたんですけど、それはどうなったんですか?」
「そうみたいだね。でも、僕の診る限り、君にはもっとすごいことが起きているはずなんだ!」
「すごい?そ、そんなに悪いんですか?」
「失礼、不安にさせてしまったみたいで。悪いかどうかは検査結果次第ですが、私の予想ではきっといい結果がでるはずですよ?」
以上
次回問診予定
2187年3月20日