序章 第2話
愛菜に連れてかれ、駅に向かって行くがその場所はかなり住んでいるところから随分と時間が過ぎて電車の座席に座り。
また着いた駅から歩いて歩いてどこに連れて行くのか全然想像つかない。
「おいまだつかねぇのか」
「あと少し!とこかな!?」
「まだあんのかよ、どんだけ山奥にあるんだそのデートスポットやらは」
気がつけば山奥まで歩いてしまった、こんな場所にホテルやらスポットやらあるのか少々不安だ。
だがあいつが気がすむまでは帰れないという絶望と女一人山奥に置いてきぼりにするのもかっこ悪い。
仕方ねえ、あいつに着いて行くしかねぇな。
更に山奥に歩いて行くほど段々と暗くなり、いかにも人気がない感じを漂わせるくらいに静かだ。
進んで進んで、山道でも車が通れる幅…気がついたら獣道までに狭く崖っぽちでガードレールさえないところまで奥に進んでいった…
俺は心の中で「死亡フラグしかない」と薄々感じ始めた。
「なあ、こんな所に本当にあるのかそんなデートスポットという場所、そろそろあくしろよ」
「うん、二人きりになる最適な場所には間違いない場所よ」
「おい人の話を聞け!」
たく呆れるぜ…まああいつが満足になったらその分俺のご褒美を倍返しをすればそれ十分でいい。
だがそれとは別にあまり良くないこの獣道に進んでいる時点でこれは嫌な予感しかしない、あんな所に車が通らないほど観光スポットさえないという場所なのに、どうしてそこまで危ないというところして奥にへと平気ですすむのか不思議な感じだ。
きっとこいつは彼と付き合うときはかなり本気だというのだけは俺でもわからなくもねぇ。
だがその前に崩落、電波不信、人気なしに進むほど肌寒くなってくるこの先はもう無理だ…
「なぁ、こんな道に行って危ないと思わねぇか?まじで引き返そうぜ」
「二人で行けばぜーたい!安心!」
「こんな場所に普通デートするやつどこにもいねぇぞ、それをデートとか言わねぇ!」
「とーちゃく!」
「おいゴラァ!人の話を最後まで聞けって!」
注意喚起してたという合間に、目の先に見えたのは絶望にしかないものだった。
それはいかにも幽霊が確実に出るほどの真っ暗なトンネルだ。
俺は流石に青ざめて見た瞬間に右足が引き返そうと後ろに下がってしまう。
「おい…こんな明らかに危険なトンネルがどこがデートスポットなんだよ!」
見かけは昔の人が手彫りで掘った古典的のトンネルのようだが、いかにもまず絶対通りたくないことがある。
それはトンネルが崩れてるかも知れない、危険な悪臭が感じる、なにより危険なのが野生動物と遭遇する可能性が高いということだ」
「どうよ!ここなら人がいないから最高だろー!」
「人がいないからという問題じゃねぇよ!野生動物で遭遇して死んでしまうわ!」
くそっ!最後までついてきた俺が馬鹿だった…末路になるフラグ展開に間違いないやつだ!
「というかこのトンネルにしたんだ?明らかに廃墟にしかないだろ」
「ここのトンネルわね、普通の心霊スポットのトンネルとは違って、異世界召喚してしまうという噂がある【異世界トンネル】なのだ!」
「異世界トンネル…!?」
絶対にこの噂は嘘だ、真っ直ぐに考えて嘘に決まっている。
異世界召喚など、まるでまったく夢の話だ、入っても出ても出たあとの呪いがかかってはいおしまい、そして二度とそのトンネルに入りたくないという後悔になるだけでおしまいという廃墟マニアの末路のあれだろ…
「そうさ、この何があるかわからなくてくっついて歩くのがいいんだよ!男女交際するとき」
「あかんやろ!それは女の子に言うアウトワードだろ!」
「ともかく俺はぜってぇ帰る、あんなくだらんとこでくたばるなんてとんだクソもロクもない。」
「えーいいのー?女の子一人置いてきぼりにして先帰るのー?」
俺に向けて顔を近づけて目をキラキラしておねだりしてきた。
だが正直俺は帰りたい帰りたい、それくらい駄々をこねたいほど面倒臭さすぎるこの状況をやめたい、だったらもうやるしかない。
「それはだな、くそっああもうわかった、入ればいいんだろ?入れば!」
「ありがとうーこれで私のデートは大成功に違いないね」
「声デケェよ、とにかくとっとともう早く終わらせてから入るぞ」
拓巳と愛菜は異世界トンネルの中に入ったのであった