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回想
あー…
どうやっても名前というものが思い出せない。
俺の名前、鳥の名前…
じぃちゃんの名前、ばぁちゃんの名前…
そして、、、俺に存在するはずの両親の名前…
何もかもが嘘みたいに思い出せない。
思えばこの透明な身体になる前からそんな記憶は消えていた。
最初からなにもかも存在しなかったのかのように。
俺は一体何者なんだろう?
生きているのか、死んでいるのかすらわからない。
頭の中をもやもやと何かが多い尽くしている。
「あーーーーーーーー!!」
だんだんイラついてきた。
俺はなんでここにいて、何をしたいのか。
全くわからない。
ただ、そこには不思議な光景がたくさん広がっていて恐怖感がないことしかわからない。
もしかしたらこれも幻想なのか。
あの手の光は、、、?