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その名は…
いないっ!
猫だったっけ…?
犬だったっけ…?
思い出せない。
ただ、ただひたすらに必死に記憶を辿る。
そういえば俺はいつもパンをちぎってこっそり食べさせていた。
パン…?
あ、!
鳥だーー!!
俺の中で何かが繋がってパズルが完成しようとしている。
ただ、名前もおもいだせない。
名前というのはその生き物を表すときにも、ものを表すときにも使うのだが、言霊という言葉があるように少し力を持つものらしい。
俺の名前は…??
そういえば名前というものが全く俺の中に存在していない。