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じいちゃん
庭で突然現れたじぃちゃんはスっと俺の横を通り抜けていく。
ここは俺の家だったところ。
じぃちゃんは何事も無かったかのように家の玄関に向かっていく。
玄関の鍵をポケットからだして、鍵についた鈴がシャンシャンと鳴っていく。
昔よく聞いてたな。
「じいちゃんの音だ!」
まだ幼い俺は家の中にいても鈴の音がなったのがわかった。
だからその音がするとすぐに玄関にいくんだ。
おもちゃのピストルを持って。
扉が開く瞬間を密かに声を潜めて待つ。
今か?!今か?!、、、
ガチャ…
パァンッ
おもちゃのピストルを鳴らす。
じぃちゃんがいつものことだと少しうなずく。
そして…
『 やられたー!早く命の水をくれ!』
少し苦しそうに演技しながら酒をねだる。
これがいつもの俺と、じぃちゃんのやりとりだった。
今見てる世界でも、もうすぐこのタイミングがくる。
じいちゃんが家のドアノブに手をかけた。