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001 アイドル結成

異世界本格レズアイドル地獄変!!序章


序章のみ。続き書くの怖すぎてやめた。作品停止される可能性が少しあるゆえに。

いつものウチやつです。ヘイト溜まります。読む前に気を付けて御自愛ください。

作者のアイドル「好き」は多分何かおかしいんだと思います。



001アイドル結成。



まずは僕の話をしよう。


僕がこの異世界に転生してきたのは1年前。

肉体は地球にいた頃のまま。

元の肉体はトラックパワーでぐちゃぐちゃになっていたのでコピー品だろうけど。


幸い、異世界は初夏の頃で行き倒れずに済んだ。

街の近くにいたのも幸運だった。


地球でよく読んでいた異世界転生系小説に倣って、冒険者登録をした。

なんというか、この街は治安が悪いわけでは無いけれど、教育の重要さを思い知った。

日本人、しかも学生の僕でさえ普通だと思っている事を皆できないのだ。

丁寧な挨拶や時間を守るというだけの事でさえ珍しがられた。

賃金は少ないけど、評判のお陰か仕事は多く、質素に生活して少しずつ貯金できるぐらいには稼げている。


異世界テンプレ的に奴隷を買おうと思っていた。

別にハーレム願望とかは無いけど、鎖に繋がれている奴隷を見たら、やっぱり心が痛む。

日本でも鎖が無いだけで奴隷の様な境遇の人はいたけれど、錆びた鉄の匂いがする鎖にはリアルな衝撃があった。

ほかに使い道もないから女の子でも買って自由にしてあげようかと思っていた。

それで惚れられるとか、そんな展開は考えて無い。それは小説の中だけの話だろう。チョロインとは言ったもので、恩がどうとかそういう発想もやはり教育である。

地球にも『◯◯してもらった』という言い方が存在しない国があるぐらいだ。異世界ならなおさら。


本当は奴隷を買うというのもあまり乗り気ではなかった。

しかし、特に欲しいものも無く、家でも買おうかと思ったら一般市民が家を買うのはかなりハードルが高くて流れ者の俺では完全に無理だった。

城郭で囲われている都市なわけだから、土地事情はシビアである。

ただ、壁の外に民家を作るのは自由だった。畑を耕して物資で納税しないといけないけど。

その家だってお金かかるし。


生活に困っているわけではないが医療費がべらぼうに高く、衛生状態もあまり良くないこの都市で長生きできるとは思えなかった。

そもそも僕は地球で死んでいる。

残りの人生の消化試合な感じがしていた。

ならば、誰か一人、奴隷を自由民にしてあげたりすれば、これからの人生その誇りを抱いて生きていけるんじゃないかと。

そんな風に思っていた。


地球にいた頃は雑学本、趣味の工作、読書、色々やってた。

テレビは見なかったし、ネットもそんなにやってなかったけど、アイドル番組だけは観ていた。

思えば心の支えだったのかもしれない。

握手会行きたい会いたいとか付き合いたいとか結婚したいとかやりたいとか、そういうのは無かった。

そのせいか他の人とアイドルの話が合わなかったけれど、でも、観ているだけで癒された。

◯Tunesで曲とかMVを購入していただけなので、あまり恩返しできていたとも思えないが。



それがもういつの事だったかはっきりとは憶えていない。

多分半年ぐらい前だと思う。


「そうだ! アイドルだ!」


マンスリー宿屋の一室で僕は叫んだ。


壁蹴られた。




こっち来た時言葉を知らなかった。

身なりが良くて言葉が通じない上、顔立ちもこの辺の人間とは違う。

お陰で衛兵は僕を丁寧に扱ってくれた。問題が起こるのは嫌だったんだろう。

魔法があるこの世界だが、翻訳魔法は無かった。

だが、言葉を習得するためのプログラムは凄かった。

でぃすいずあぺん

ではなく、

はうまっち

から始める感じだ。

あっという間に日常会話が出来るようになった。

なお、借金である。

つまりそうやって無理矢理言葉を覚えさせて金を要求するタイプの商売だった。

観光地で勝手に荷物持ったり写真撮ったりしてお金を要求するアレみたいなものか。

その借金はもう返した。粘着される事もなかった。

税金を払ってさえいれば衛兵は優しい。袖の下を要求される事もなかった。

翻訳魔法は無かったが、意識を朦朧とさせて自白させる薬や魔法は存在する。賄賂を要求したりもらったりすると財産没収される(つまり法機関の連中が儲かる)ために、その辺はしっかりしていた。


依頼が多いお陰でコミニュケーションの機会が多く、鍛えられた。もう言葉に不自由していない。


そんなわけで、半年前は既に言葉が喋れる様になっていたが、文字は書けなかった。

紙は高級品で、木片も燃料や修繕材に使われるため貴重だった。筆も無い。

日本語で土や砂にメモを取ったりはしていた。

あくまでも明文化して覚えやすくするためで、それを持ち歩くわけではない。


アイドル、つまり、奴隷を買ってアイドルにしたいという目標を持ったのがこの頃で、同時に、歌を作ろうと思ったのもこの頃だ。

実際に奴隷を買ったら変更点もあるだろうけど雇われの身で暇な時間がある今の内に曲や詩を作っておこうと考えた。

が、書き留める物が無い。


無駄に趣味が多かったせいで楽器は一通りできる。

が、楽器も無い。


工作が趣味で自作エレキギターを作った事もあるが、スピーカーを作るのは面倒だ。片手間では無理。アコギ風のを作らないといけない。それは初だ。

ボディはともかく、弦は手に入るだろうか。

酒場で吟遊詩人がリュートの様な楽器を使っていた。

そのまま買うには高すぎる。弦は幾らなんだろうか。

etc、etc……


半年前はそんな感じで色々悩んでいた。

結局金だと割り切って、仕事に没頭した。


こっそり拾った手のひらサイズの木片に日本語でリストを刻んだ。

◯楽器

◯曲

◯奴隷

木片自体が既に腐りかけだったので、曲を実行する時点で砕けて塵に返ってしまった。


楽器を作ったのは4ヶ月ぐらい前だ。

ボロボロの手桶を買って修繕し、角材を手に入れて削り、ギターの様なものを作った。シルエットは三味線に近い。

ネックに入れる補強用鉄棒が一番高かった。やっぱ鉄は高い。

弦は行商人に注文してからだったから、結構時間かかった。

何かの繊維の弦だが、結構いい音がする。


そんなわけでギターモドキを作ったわけだが、ここで思わぬ幸運があった。


仕事時間外に、しばらくぶりのギター練習も兼ねて路上で歌っていた。宿でやったら壁蹴られたし。

芸人が通りで芸をするのはたまに見かけるので、練習も兼ねて、少しでも稼ぎになればいいなと思ってやり始めたのだが、これが凄い儲かった。


知識チートでぼろ儲け、というテンプレ展開を考えたりもしたのだが、治安が悪くは無いこの都市でも、そういう小説程優しい世界というわけではなかった。

仕事をこなすうちにとんでもない格差社会だと理解し、知識チートはやめた。

物品作って売っても権利を奪われてしまうだけだろう。下手すると拷問されて酷い目に遭う。

自白させる手段はあっても捕まらないと意味がない。僕みたいな流れ者が消えたからと言って、商人ギルドの偉い人が尋問される事はあるまい。


なので、とりあえずは芸に力をいれた。


僕の歌は日本語、つまりは異国の言葉の歌だったが、冒険者ギルドでも酒場でも、時には宿屋の何処かの部屋から聞こえてくる歌など、この国のものではない言葉の歌を聞く事が結構あった。

なので、言葉自体に対する抵抗が低かったのだろう。

これは1つの幸運だったが、何より、日本の歌がエグかったのが一番の幸運だった。


日本の歌はコードといいメロディといい、心をエグる歌が結構ある。

JAS◯ACに異世界支社があるかもしれないので詳細は伏せるが、そういう歌がまたアコースティックギター(モドキ)と相性が良く、僕もそういう曲を結構知っていた。


たまに聞こえてくるメロディから、察しはついていた。

ここでよく聞く曲は英雄譚の様な勇ましいものや軽快なリズムでガハハと酒を飲むためのものが多かった。

そこに日本の陰鬱な曲は突き刺さった。


『◯が◯であるために』を翻訳意訳して歌ったが、これは冒険者にウケた。出稼ぎ労働者が多いしランク制で、モンスター関係の依頼で大怪我でもすると色々やばい。

負けていてはだめなのだ。


冒険者ギルドの隅で歌っていたが、結構ゼニを投げ てくれた。


奥◯子の『遥か◯くに』はエグすぎて冒険者ギルド側からストップがかかった。


『関◯宣言』からの『関白◯脚』は大いにウケた。

御婦人方や初老の方々が行き交う市場で大ウケしたため、そこらの屋台が少しお金を出してくれて店先を貸してくれたりした。


酒飲みのナルシスト気味な人達には(悪意は無い)

『◯と◯と◯と◯』が響いた様だ。僕酒飲まないんだけどさ。

『悲しい◯やね』も結構ウケた。

昭和の曲は心をえぐる。

個人的に、大阪の歌は名曲多いと思う


そんなわけで、どんどんお金が貯まっていった。

そのせいでボロい服を着続けるはめになったぐらいだ。

つまり、稼いでいると周りに思わせるのは危ない。

すぐに新しい宿屋に引っ越したが、いつもベッドの下で眠っていた。

机の上には、それなりのお金が入った皮袋を放置しておく。

これまでに2回、物取りが入って来て、皮袋を持って去っていった。

セキュリティとかどうなってんのか。

宿屋の主人が共謀している可能性もあったので、その度に宿は変えた。


一番儲かったのは、高級宿に流しに入った時だ。

この都市は結構大きく、商隊が中継地点に使っていたり、何より貴族様がいるのが大きい。


恋愛関係の歌を歌うと観光旅行の途中で立ち寄っていた貴族のおばさま方が泣きながらどんどんお金を投げてくれる。

金貨を見たのもその時が初めてだった。

未婚の貴族の女の子はキョトンとしているが、結婚して子供もいるおばさま方が悲恋の歌を聴いて涙するというのは地球でもあったことだけど、なんだか不思議である。


こっちの一般人からすれば僕は歌うまいと思うけれど、やはり本職の吟遊詩人に比べればかなり劣る。

それでも儲かったのは、特殊性や、心をえぐる感じのものが珍しく、そしてウケるという証明でもあった。

アイドルグループ結成の自信が育っていった。



かくして、一ヶ月程前に僕は奴隷を購入した。


微妙にボロっちい格好の辻吟遊詩人が突然奴隷三人分のお金を持ってきたので奴隷商人はびっくりしていた。


だが、直ぐに購入、とはいかなかった。

ここに来て色々悩んでしまった。

奴隷商というのは入れ替わり立ち代わり人がお店に訪れる様な商売ではないので、なんとか無理を言って半日ぐらい居座らせてもらった。

女奴隷を吟味するためである。


僕は元々目鼻立ちがはっきりした女性が好きだったので、ここの女奴隷達の顔に文句はない。

魔法や不思議パワーがあるこの世界では女性の労働奴隷はあまり必要とされいない。

魔法が使える人間はそもそも奴隷になる確率が低い。便利な拘束魔法は無いのだ。給仕に雇って暗殺されたらたまらん。

魔法や不思議パワーを持っている監督がゴツい男奴隷を農園や鉱山で働かせるというのが労働奴隷の主で、女性は基本的に愛玩奴隷だ。


そんなわけで、奴隷商の扱っている女性は大概美人で、それは僕の趣味とも合っていた。

ゆえに、問題はそこではない。

年齢も、若い奴隷はお貴族様が買っていくため、僕みたいなのが購入できるのは17歳前後の奴隷からだ。それだって十分若いのだが、16過ぎると行き遅れとか言われるこの世界では歳いってる方らしい。

ここは、年上好きの僕とはあまり合わなかったけれど、まぁそこまで問題じゃない。


一番悩んだのは体型だった。


この都市は結構賑わっていて民も裕福らしいが、それでも皆んな痩せている。

そんな中で崇拝されているのは、ふくよかめの女性だった。

おっぱいもお尻も大きくて柔らかそうなのがウケるのだ。

白パンがまだまだ高級品で野草が主食のこの食生活の中ふくよかになるわけだから、それはもう遺伝や才能、体質である。

そんな天賦の才能を持つ奴隷は既にお偉いさんに買われ、予約で押さえられ、僕に買えるのはガリガリにやせた奴隷だけだった。

三人分払えばウケる奴隷一人は買えそうだったが、そもそも僕がふくよかめは好きではない。細身で長い手足や指がエロいと感じる性癖なのだ。


性癖を取るか、流行を取るか、半日も悩んだ。



そして僕は性癖をとった。



そもそも地球にいた頃好きだったアイドルグループが皆んなそういう体型だったのだ。

これからアイドルとして仕込むにしても、体型が似ている方がイメージしやすい。

とかなんとか言いながら、ガリガリの中でも手足が長くて指がエロい奴隷を選んだ。仕方ない。男の子だもの。









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