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プロローグ
不幸って何だろう。
何を基準に不幸と決めるのだろうか。
石ころに躓いた時?
朝寝坊した時?
大きな怪我をした時?
大抵は運が悪かったと言うのかもしれない・・・。
それは不幸ではないのだろうか?
いや、同じことなのだろう。
だが、運が悪かったという方が程度は低い感じがする。
俺の人生の中で不幸と呼べる事が一つだけある。今まで感じてきた幸せを全て吹き飛ばすような不幸。
俺はあの日から、素直に幸せを感じられなくなってしまったのかもしれない。
幸せということから逃げてしまうようになったのかもしれない。
なぜって?
だって・・・・。
失うのが怖いから。
ただ・・・。
それだけ。