祠の出会い
故郷で暴れているというバケモノを倒したのはいいものの。
仲間とはぐれ、大怪我を負い、生死を彷徨っているところで誰かに抑え込まれた感覚がした。
「奇跡の1UPーっ!」
妙な言葉で目を覚ますと、見たこと無い服装をした女性がいるのがみえた。
「魂が抜け出した時は焦ったけど、飲んでた薬が効いたみたいでよかったぁ。」
「え、誰ですか。」
「誰って、私はミヨっていうんだけど...あれ?私が見えるの!?」
驚いて立ち上がった彼女は、足元が透けていた。
「ゴーストか!?!?」
「待って待って怖がらないで!私は善良なゴーストなのっ!」
信じられるかと聖水を構えた俺に対して、彼女は古い祠を指さした。
「ホラこれ見てよ。私、この祠に住んでるんだけど。」
「その祠はっ...。」
「私、ここで神様やってるの。」
まだこのあたりの村に住んでいた頃、聞いたことがある。
村を助けてくれた神様のために、小さな祠を造ったんだとか。
まさかこれが、と思いながら彼女と見比べてる。
半信半疑だった俺に対して、彼女は一つため息をつくと俺の名前を呼んだ。
なんで俺の名前を知っているのかと顔を上げて、思い出す。
「そうだ。俺...あんたに会ったことがある。」