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変態と仲間たち

更新だいぶ遅れたことをお詫び申し上げます。


 協会を出た俺は、一旦学院に戻ることにした。

 ……恐らく、エレカの治療には日にちを要するだろう。寮に戻って、身支度を整えなければならない。


「あ……」


 そんな俺の前に、よくよく見知った人物たちが現れた。


「セツヤ、どこへ行くのさ」

「そうだよ、ウチらを置いてっちゃって、心配したんだから」

「…………セツヤくん」


 アレン、ネロ、ジェシカの三人が、学院の門の前でセツヤを待ち構えていたのだった。

 その中のジェシカが、一歩前に踏み出た。


「どうして、一人で行っちゃったの?」


 彼女の瞳は、明らかな怒りに燃えていた。

 俺が勝手に皆を置いていったことに対して怒っているのだろう。


「だって、お前たちが目を覚ましていなくて…………」

「だったら、無理矢理にでも起こしてよっ!」


 ジェシカの叫びが、門の前で響いた。


「私たちだって、エレカちゃんのパーティメンバーである前に、友達なんだよ……? 友達が酷い目にあったのに、自分だけ寝ているなんて私にはできない!」

「ジェ、ジェシカ……」


 俺は目の前で必死に訴えかけてくるジェシカを見た。


「セツヤ、僕たちオズグリフ教官に聞いたんだけどさ、エレカの容態、あまりよくないみたいだね」

「それは……」


 アレンが痛いところを突いてくる。

 この三人がエレカの容態を知らなければ、無事だと伝えることもできただろう。命に別条はないのだから。

 でも、今のエレカの状況を知ってしまっているようなら、それも通じない。


「その手に持ってるの、協会の司祭様からもらったものでしょ?」


 アレンは俺が手に持っていた紙の束を示した。


「その紙には多分、アントマーさんを助けるための手段が記されている」


 図星だ。この紙の束は、エレカを助けるための素材の在り処が記されている。


「オズグリフ教官から話を聞けば、誰だってわかるさ」

「う……」


 俺は何も言い返せなかった。

 だって、アレンは何一つ間違った事を言っていないのだから。


「……セツヤ、一人で助けるつもりなの?」


 今度はネロが、俺の方を見てそう言った。

 彼女の瞳はいつものような元気なものではなく、俺に対して、一種の疑いをかけるような瞳で見ていた。


「一人で……」


 行くつもりではある。

 だって、ここで俺たち全員で行けば、今行われている学内ランキング戦に大きく響くだろうから。

 だから、俺だけが抜けて後のメンバーで何とか……


「それは、絶対にユルさないよ」


 俺の思考を遮るかのように、ネロの、冷たい声音が耳に届いた。

 顔を上げて、ネロを見る。


「でも、それだとランキング戦が……」

「セツヤ、別にエレカを助けるのにそんな何年もかかるわけじゃないんでしょ? エレカを助けてからでも十分、ランキング戦には間に合うハズだよ。それに……」


 ネロはひと呼吸おいて、さらに続けた。


「ジェシカも言っていたけど、エレカは私たちのパーティメンバーなんだよ? 自分のナカマが犠牲になって、それを放っておける人間がいるの? 少なくとも、ウチはそんな人間じゃない」

「ネ、ネロ……」


 三人の眼差しが、俺を射抜く。

 でもそれは、もう既に怒りの眼差しではなく。


「……わかった」


 ただただ、仲間を助けたいという想いを秘めた眼差しだった。

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