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食屍鬼と愉快な殺人日記  作者: 莉子
一話・九月の序章
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二幕・九月の十日 そのさん



 ――駅前のファーストフード店。



 隣り合って座る僕と真の前には、さっき校門に立っていた男の子…。


 それにしても随分と可愛い子だな…。




 …しかし、どうしてこうなった…?



 僕らの前にはそれぞれ頼んだ飲み物がある。


 …が、向いに座る少年の前には何もない。



 そもそも、立ち話もなんだから、とここに誘ったのはこの子なのだけど…。


 それに、僕にはこんな可愛い子供に探される理由なんて思い当たらないし、どうしゃべったらいいのかも全然わからない。



 なんとなく気まずい気分になっている僕達をよそに目の前の少年はまったく気負いなく座っている。



 「…あー…っと…なんか頼まねぇのか?」



 沈黙に耐え切れなかったのか、真がそう切り出した。


 すると、少年は軽い調子で答える。



 「僕、ジュースは飲まないの。」

 




 ……え?

 おっと…ちょっと待って…?



 「…じゃあ軽い食べ物とかは?」


 「…僕、ファーストフードは食べない。」




 ここに誘ったのは君の方じゃ……。



 「……デザートは?」


 「………甘いものは嫌いなんだ。」


 「じゃあなんでここに誘ったんだよっ!?」


 「学生のお兄さんたちの懐に合わせてあげたんだよ。お洒落なカフェとかバーとかなんて行けないでしょ?かと言って公園なんかでしたい話でもないしね。」





 前言撤回。


 (見た目はともかく、中身は確実に)可愛くない子供だ。



 …って言うか年下に懐事情を気遣われたくない。


 人のこと言えるのか!

 君、絶対義務教育の学生だろ!!



 …と、一通り心の中で突っ込んで、僕は何だか緊張していた自分が馬鹿らしく思えてきた。



 僕は気が抜けて、軽いため息とともに言葉を吐き出す。

 


 「…で、その話って?僕は君のこと知らないし、呼び止められる心当たりもないし…。」



 無駄な緊張で、本題の話を聞く前に大分疲れた気がするけど…。


 僕のそんな内心なんて知らん顔で目の前の少年はただ平然と答える。



 「あぁ、そーだよね。本題に入ろっか。あ、ちなみに僕はかばねっていうんだ。よろしくね、お兄さんたち。」




 かばね…?


 今時流行りのキラキラネーム?


 …あぁ…もしかして鹿羽?

 名字か?



 意外としっかりしてるなこの子。


 とか思いながら、僕も自己紹介をする。



 「僕は三木、こっちが桐島。改めてもう一回聞くけど、何の用で僕を探してたの?」



 かばねは僕の視線を受けて、何故だか心底楽しそうな笑顔を浮かべ、言った。






 「僕はね、今、このあたりで騒がれてる切り裂き魔を追ってるんだよ。」




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