灰色模型
口にしたときはずっしり重くて
火傷するくらいに熱い
心からそう思ってるって
信じてたはずなのに
冷めたら気づいちゃったんだ
あんなに脈打った正義感はさ
砂みたいに脆くてがらんどう
気づいたらもうダメだったよ
ねえ一体どこまでが本当?
零れた声も
思い出す感情も
自分さえも信じられなくて
“本当" って言葉も本物かどうか怪しくて
ああ
いつのまに世界はこんなに色褪せたのかな
笑顔は貼り付けた仮面
悲嘆の声は耳鳴り
涙はただ流れる透明な塩水
痛みすらもどこか空々しく
全部空っぽにしか見えないんだ
本物はどこだなんて
モノクロの世界を手探っても
掻き分けた両手にぶつかるのは
虫の抜け殻みたいに
精巧過ぎる世界の破片
見つからないよ
捻れてしまった僕の眼球には
何もかもが灰色に
虚ろに透けて見えてさ
あれ、おかしいな
思い出せないや
この世界には元から
本物なんてあったんだっけ