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第六話 銀髪の女

 初仕事をクリアした俺は、ユーリに刀を使う際に気をつけるポイントを教えていると、何故かわからないが、「君の剣の腕はどうなの?」と聞かれたので、何故か模擬戦を行うことになった。



 結果ですか? 俺が刀を振るうことなくやられましたとも。ええ、実力差は明らかなのにユーリは手加減してくれませんでしたよ。そして、俺は毎日とはいかないものの、二日に一度ぐらいのペースでユーリから指導を受けることになりました。


 理由を聞いたところ、弱すぎるそうです。あれぇ? 俺は一般的なレベルだと思ってたのに。



 そんなこんなで見かけは人の良さげなイケメンから地獄の特訓――――王都の城壁の周りをフル装備で10周した後、素振りを1000本近くやらされ、その後一時間ほど模擬戦をさせられるというありえないことをやらされ。


 翌日は何故か鉱物の採取を強制的に行かされ、その翌日は地獄の特訓。を続けられること一週間。



 俺は…………


 俺は…………




   に げ だ し た。



 一週間だぜ? 頑張ったほうだと思う。しかし、あんなこと続けられるか! なぜ一週間もったか、一応親方に手紙を出して許可を得たからである。


 少し旅に出てもいいですか? と、聞くと2つ返事で頷いてくれた。手紙だから二つ返事じゃないけど。


夜中のうちに荷物をまとめ、早朝の城門が開く時間になると俺は脱兎のごとく王都から逃げ出した。こうでもしなきゃあいつからは逃げられない。


 一度サボろうとしたらアイツは家にまで押しかけてきたからな。俺に恨みでもあんのか?


 こうして、俺の短い王都での生活は一度幕を閉じたのであった。











 シンです。ここはどこでしょう?俺は街道を真っ直ぐ進んでたはずなんですが、知らない森の中です。


 シンです。オラは、選択肢を間違えたかもしれません。



「おい、お前。お前はどこのモンだ? 騎士団からの偵察か? それともグラードんとこの奴か?」



 目の前の女性は何を言ってるのでしょう? 僕にはわかりません。


 確か俺は、王都をでて、街道をまっすぐ進んでたはずだ。王都から一番近い街を目指して。そしたらいつのまにやらこんな森の中に迷い込み、彷徨っているとこの女性にあったとです。


「答えろ! 答えねぇなら殺すぞ」


「お、俺は旅のものです。街道歩いてたはずがこの森に迷い込んでしまって……」


「そんな嘘通用すると思ってんのか? あ?」


 なにコノ人。ヤクザ? なまじ綺麗な人なんでメチャ怖いです。


 銀糸のような綺麗な髪。血を思うような真紅の瞳。外国人もびっくりなボンッ、キュッ、ボンッのperfectなスタイル。しかるべきものを着れば見た目はどこかのお嬢様に見えるだろう。


「いえ、嘘ではないです。なんなら荷物調べてもらってもいいですよ?」


「ほう。よこしな」


 俺から背負っていたリュックを奪うと、中身を確認し始めた。


「おい、こいつはなんだ」


「それですか? それはメリア鉄ですね」


「これは?」


「それは【餓狼の碧眼】ですね」


と、八割のモノを質問されたが、すべて確認し終わると女性は最後に俺の腰にある刀を奪ってきた。


「ああ!あの、それは」


「この剣は? かなりの業物みたいだな。見たことない剣だ」


「あ、あの。その刀――【蛍丸】だけは返してください」


 地面に頭をこすりつけるように土下座をする。そいつは親方と作ったもんだ。多分この人は盗賊なはず。しかし、こいつだけは渡すわけにはいかない。


「【蛍丸】それがこの剣の名前か?」


「そうです。そいつは親方と作った刀なんです。親方が俺を一人前と認めてくれて。その時一緒に作ってくれた刀なんです。だからどうか」


 俺が言い終わると、女性は何か考えているようで、暫くするとこう切り出した。


「お前、これと同じものを作れるか?」


「同じものは無理です」


「なぜだ?」


「その【蛍丸】は少し特殊な能力がついてます。俺にはその能力を持った刀をもう一度作るのは無理なんです」


「そうか。なら、その刀というものは作れるのか?」


「……できますけど?」


「なら、私と来い!」


 女性が俺に手を差し出す。


 え、えええええええええ!!!!


 何この超展開? 急展開? 何がどうしたらそんなことになるのさ!


「えっと、それはどういうことでしょうか?」


 動揺が隠せない俺に、彼女は続ける。


「この森はな、迷いの森と言われている。一度入れば出ることは困難極まりないだろう。だが、私は出られる。お前に私についてくる権利を与えてやろうと言ってるんだ。その代わり、ここを出たら私と来い」


「えっと、ついていくとは?」


「お前、鍛冶師だろ? 私のために剣を作れ」


 どうだ? いい条件だろう? と、彼女は最後に言った。


確かに、迷いの森って言われてるとこから俺が出るのはまず不可能だろう。…………それを考えると剣を一本作るくらい問題無いか。


「分かりました。その条件をのみます」



こうして、俺の新たな物語? が始まるのであった。

突然ですが、タイトル募集しております。自分で考えてはいるのですが、決まらなくて。

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