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ガラスの記憶

「硝子の記憶」

海岸で拾い集めた、色々な硝子

白、緑、茶、青、赤

小さなかけらたちは丸みを帯び

そしてみな、透明ではない

元の形も、何に使われていたのかさえ

分からない

ただ、純粋にその色だけは守り通し

ながら旅を続け浜辺に打ちあげられる

それを、一つの壜に集めて

満月の綺麗な夜に月明かりを通すと

硝子たちの小さな旅の物語が聞けるという


「木々の夢」

海原を行く渡り鳥が言っていた。

旅をしたいと、木が言うのでな

渡りに入る前に、実を食べてあげたよ

でもいい加減我慢も限界

プリっと糞とまぜこぜになった種を一隻の船落として

行方を任せたのさ

でも、よく見ればその船はあたい達が

やってきた方に向かっていたんだ。

まったく運の悪い木もあったもんだ


「運の悪い木」

いやいや、もっと悲惨な木もあってな

波にゆられて旅を始めたはいいが、

たどり着いたのは、えらい北の浜辺でな

あまり寒くて未だ芽をだせんそうだ

もっとも、最近はそっちも暖かく

なってきたからそろそろ芽を出すかも

しれないがのう


「芽吹く季節」

わたしゃ、この浜辺にずっと居ったよ

不思議なもんでの、浜辺のものをわざわざ

採取して食べるなんて居るやつは最近

見なかったが、最近ツルナをやたらむしっている奴がいたよ。

人ってのは店でしか野菜を入手しないから、私は大丈夫とと

安心していたツルナが悲鳴をあげておった


おいおいそれって、俺のことかよ。

僕は、確かにツルナをおひたしにして

食べていたんだ。これにはマヨネーズが

いいんだなぁ



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