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東方現葉幻詩  作者: 風三租
第四部 セールスお断り
43/44

飛鷹走狗、悪い上司には。

前回のあらすじ

火事だああああああ逃げろおおおおおお!




 清々しい朝だ! なんて綺麗な空なのだろう! お天道様は気持ちをリセットしてくれる!


「あれ、帰ってたの」

「今さっき戻ったばかりさ!」

「朝からうるさいわ」


 旅館に無事戻ってきた頃には、朝日が後頭部をちらつかせていた。行きに半日かかっているので、妥当な到着時刻だろう。

 旅館に待機する黒谷さんと水橋さんの組は、平穏に一日を浪費していたようだ。過ぎた時間はもう戻らないというのに、惰眠を貪っていたのである。寝ずに帰ってきた私を、非常にだらしない姿で出迎えた。

 目の前で安らかに眠られては、こちらとしては絶対に寝るものかと、窓の前で光合成を始めることに。寝ている二人の邪魔になるように、「コォォォォ」とか「フゥォァァァァァ」とか、耳障りな呼吸法で光合成したら、すぐにパルスィが起きた。


「いいねぇパルスィはねぇ。世界の隙間に挟まったことないしねぇ。目の前で家なんて燃えてないもんねぇ」

「……八つ当たりなの?」


 胸中をお察ししやがった。加えてパルスィは、鼻で笑ってしてやったりの顔を見せた。


「昨日は果物をとりに行ってたのよ。美味しかったわ」

「くっ」

「あなたも来ればよかったのに。場所なんて口で教えられないし」


 こっちが八つ当たりしていると分かったからって、煽ってくる。ヤツに口撃するのは危険だ。グチがグチにならない。

 犬走さんもパルスィにグチを言うとき、毎回こうなっていたのだろうか。無駄に煽ってくるパルスィから自分を守るため、殻に閉じこもって呪詛を唱えるクセがついてしまったのだ。


「お、温泉行ってくる」


 眠気を覚ますためにいくのだ。二十四時間中に三回目となるが行くのだ。静かな所で、今日一日のことを綺麗さっぱり洗い流してやる。

 未だお腹の中に何か言いたくないようなものがあるような気がして、ぞっとする。このまま眠りにつくと、目が覚めた時、この世界にいなかったら怖い。


「私も行くわ」

「来んな!」

「ええ」


 私をからかって遊んでいる。こいつ、長い時を経て成長しているぞ。心無しか背も伸びているような気が。

 くやしさを乗り越えて、部屋の扉を閉める。これでパルスィ達はこの世から隔絶された。よく掃除された廊下を歩き、階段を駆け上がる。

 二階についたとき、何もないハズの後ろから、声が聞こえた。


 ——やっと見つけたわ。


 振り返っても、あるのは階段だけ。階段がしゃべる訳あるまい。一回も休んでいないから、幻聴でも聞こえ始めているのだろう。早く温泉に入ろう。


 ——逃がさない。


 後ろから首を掴まれる感じが。金縛りまで起き始めている。これ、温泉までたどり着けるのかな。世界の隙間に入った副症状が、今になって襲ってきている。これから幻覚を見たり、原因不明の過呼吸に陥ったりしてしまうのかな。


「貴女も我が家の復興を手伝いなさい」


 十センチ程開かれたスキマに、八雲さん宅の紫さんの目が浮かんでいる。紫さんから受けた恐怖が、実体化してしまった。目を背けるが、呼吸は乱れ、あのトラウマが再びよみがえる。


「あー、相当ダメージ受けてる……」


 空間のスキマは大きく裂け、ヒト一人分の長さになる。そこから、紫色のドレスに包まれたスキマの主が、ゆっくりと生えてくる。

 気付けば首の拘束が解けていて、目の前には、私の両肩に手を置く紫さん。肩にはしっかりとした熱がこもっていて、無理して柔らかい表情を作っている紫さんが、確かに存在している。透けたり変形したりしない。


「本物?」

「本物よ。まあ、少し休んでからいらっしゃい。逃げるのはダメよ」


 幻覚を見ている、という幻覚を見てしまっていた。え、じゃあ本当に家を建て直せと。建築技術を待たない私にやれと。えー。

 紫さんは階段の方にある窓を見て、めんどくさそうに咳払いをする。


「……貴女、監視でもされているの? 大変ねえ」


 私から離れ、来た道を戻る紫さん。とは言っても、スキマまでたった一メートル程度だが。大きなスキマから顔と片手を出して、手を振られる。


「じゃ。天狗来ちゃうから行くわ。後でねー」


 と、空間に無理矢理開けられたスキマがなくなり、旅館は本来の姿を取り戻した。直後、階段下から天狗が駆け上がってくる。

 真っ黒な短髪を揺らし、同じく真っ黒なスカートがめくれ上がるのも気にせず迫るのは、確か、射命丸っていうヒトだっけ。犬走さんの嫌いな上司だ。


「ご、ご無事ですか!」

「それなりには」


 みるからに息切れしていて、もし私の前に敵がいたとしても、これでは心許ない。私のために駆けつけてきてくれたのだろうが、正直、このヒトにはいい印象がない。

 向こうも初めて会ったとき、思いっきり私をムシしたから、思うことがあるのだろう。独特な沈黙が、私の視線を泳がせる。


「あ、あの」


 中腰になって呼吸を整える射命丸から、上目遣いで見られる。頬は上気し、緊張感がヒシヒシと伝わってくる。辺りに漂う変な空気が、これから告白でもされるのかという、かえってオカシなイメージを作ってしまった。


「私、木葉さまのこと……」


 おお、来る。


「神様の使いって知らなくて! 先日のご無礼をお許しください!」

「それをどうにかして欲しく存じ上げございます!」


 一つ、妙に腰が低い対応。一つ、神の使いという呼び方。私は水の唯一の話し相手であって、使いではない。気分は一般人であるのに、この待遇だと、こっちも何故か腰が低くなってしまう。だから普通にして欲しい。


「で、ですが」

「どうか楽にしてくだせえ」


 思い切ってお辞儀すると、射命丸は仰天して階段から落ちた。二、三段位で体勢を立て直し、大事には至らなかったけど、罪悪感に苛まれる。


「木葉さまのご希望とあれば……」

「じゃあ」


 天狗という組織に関わりを持ってしまった以上、苦手意識を持ったままにしていては、輝ける未来に雨雲が発生してしまう。ご近所付き合いを完成させることは、将来困ったことが起きたときに助けとなるのだ。


「お風呂行こう」

「え」




・・・・・・・・・・・




 射命丸文しゃめいまるあや。それがあの烏天狗のフルネームだ。お風呂で色々聞き出した。リラックス効果で、なんとか打ち解け合うことに成功。


 文は、基本的な能力が高いことに加え、移動速度がほかの天狗より速いという才能を買われて、重要な仕事を度々任されるらしい。今回私の元に飛んできたのも、それがあってのことだった。何者かに襲われる私を見た上層部が、文を駆り出したのだ。


 それは紫さんだったと伝えると、文は安心した様子だった。幻想郷予定地に住む妖怪で、紫さんのことを知らない者はいない。天狗は容易く返り討ちにされてしまうと、理解している。そんな大妖怪と、敵対しないで済んだ。まだ新人の文は危機を回避したのである。


 文はほんの数年前に、天狗組織に入社したばかりで、犬走さんとは同期らしい。そこで伝えられた犬走さんの名前は、椛。残念なことに、先祖なんかではなく、「あの」犬走椛と同一人物であることが明らかになってしまった。


 椛の話題になって思い出した。嫌な上司とせっかくコンタクトがとれたので、そういった話題を振ってみた。話によると、烏天狗は白狼天狗より身分が高いという、小さい頃から刷り込まれた決まりが、文の態度を支配しているのだ。話を聞いているとそんな感じがした。

 白狼天狗になめられたら、烏天狗全体の面子にも関わるので、気を抜けないっぽい。まだまだ仕事に慣れなくて、色々と余裕がないそうだ。

 


 そんな土産話を持って、若き頃の猛獣、犬走椛さんの家にお邪魔する。

 ちなみに、この次に紫さんの家に行こうと思っている。


「椛さーん」

「あ、ゴースさん!」


 そういえばまだ偽名のままでしたね。まあいいか。


「大変ですよ! 神様の使いがお帰りになったそうです! 確か、コノハって言ったっけ?」


 教えちゃったら面倒事になるところだった。それにしても今頃情報が届いたのか。それでいいのかなあ。


「まあそれは置いといて、いい情報を仕入れましたぜ」

「情報? なんですか?」


 定休日の椛さんは今日一日暇なので、ゆったりとお話ができる。寝間着のような簡単な服装で迎えられたし。

 白狼天狗の地位向上のため、椛に内部情報を横流しする。でもこれ、多分上のヒトに聞かれているんだろう。


「射命丸文はね、簡単に攻略できそうなんだよ」

「ホントですか!」


 攻略するなら今のうちだ。仕事に慣れてからでは、向こうの立場が有利になりすぎてしまう。余裕がないうちに、こちらが有利になる状況を作らなければならない。

 そういったことを伝え、具体的な作戦を考える。こっちの牙を見せなければならない。傷を付けず、争いも起こさないように、一瞬で立場を逆転させるような方法。


「ねえ、そんなのあるんですか?」


 このチャンスを逃さないように、椛さんは必死に私の肩を揺さぶってくる。獲物を見つけた猫の目をしていて、私に食いついてきそう。


「教えてくださいよおお!」


 必死! そんなに嫌だったのか!

 揺れるアタマを回転させて、上司撃退法を考える。こっちが強いということ、抵抗はさせないこと、心に刻み付けること、それは。


「そうだ!」

「何か見つけましたか!」


 揺れがおさまる。目が回って、床に倒れ込んでしまった。


「明日また来るよ。それまで、覚悟してて」

「はい! え?」


 まずは紫さんのところに行かなきゃダメなんだよ。




・・・・・・・・・・・




 また戻ってきてしまった。いっぱい歩いたよ。紫さんの家まで結構かかるから、近道があればいいのに。

 今回は障害もなく、真っ直ぐ来ることができたので、日はまだ沈んでいない。お昼を大分過ぎた辺りだ。


 私を出迎えた光景は、家があった場所だけ草がハゲた、小さな空き地。その隅っこには、切り株に座って俯く藍先生がいた。

 紫さんはどこにも見当たらないので、とりあえず藍先生のもとへ。


「えっと、こんにちはー」

「…………緑か」


 この世の不幸を全て背負ったような調子で、紙に何か書いている藍先生。ものすごく近寄りがたいが、今はこのヒトしかいないのだ。


「紫さんは……?」

「…………昨日の所だ」


 話が、続かない。

 寂しくなった広場に、ポツンとたたずむ私。……紫さんが帰るまで、寝溜めしておこう。






「——おきなさい」


 紫さんの声がして、パッと目が覚める。もう夕方なのか。


「今日はもう、簡単な小屋を作るしかないわね」


 藍先生は相変わらず何か書いている。暗くなるまでにテントみたいなものを作らないと、野ざらしで寝ることになってしまう。文化人の紫さんは、そんなことをしないだろう。


「藍は設計図書いてるから、貴女と私で作るのよ」


 あれ設計図だったのか。


「材料はそこに置いといたから」


 ハゲ地の側に、木材と布が置かれている。雨が降ったらオシマイな材質だが、贅沢は言っていられないのだろう。

 背伸びをすると、アタマの中がスッキリする。睡眠時間は短かったけど、徹夜の私にはそれでも十分だった。


「やりますか」

「そうね」


 今日はこっちに泊めてもらうことになりそうだ。




・・・・・・・・・・・




「だ、誰ですか」


 翌日、紫さんの所から戻ってくるときに、一緒に連れてきた。椛さんが文に打ち勝つための、秘策。完全に引きつった顔の椛さんだが、この方ならば間違いない。


「この子が?」

「はい」

「ふふふ」


 フラワーマスター・風見幽香。


「ささ、やっちまってください」


 椛さんのことを話してみたら、面白そうだと快諾。上司の撃退法を直々に伝授してもらうことになった。

 幽香さんを部屋の中にお通しすると、椛さんは背筋を伸ばして正座する。明らかに怯えた顔で、歩み寄る幽香さんに備えている。

 幽香さんは固まる椛さんの顎に触れ、視線を合わせる。そしていつものように、含みを持たせた遅々としたしゃべりで、椛さんを震わせる。


「上司を手なずけたいって?」

「そこまではっ!」

「甘い!」

「ごめんなさいっ!」


 幽香さんは厳しいのだ。見てるこっちも少し怖い。多分だけど、妖力で威圧もしているのかもしれない。出さなくても十分怖いだろうに。


「目標はねぇ、本来のものより、イッコ上に設定しないと」


 椛さんは恐怖で声が出ず、しきりにうなずいている。


「所詮は貴女と同族でしょう?」

「あの、白狼と、烏です」

「細かいことはいいんだよ!」

「ごめんなさいっ!」


 度々怒鳴る幽香さんに、見てるこっちもビックリする。椛さんはもう涙目で、犬耳のように飛び出た髪も垂れている。それでも視線は幽香さんが固定しているので、気をそらすものは何もない。百パーセントの幽香さんを受け止めるのみだ。


「考えていることなんて皆同じよ。貴女が怖ければ上司も怖いと思う。分かる?」


 つまり幽香さんはみんなに怖がられるということだ。


「貴女の怖いものは、なあに?」

「あ、あ、あ、あ、あ」

「言ってご覧なさい?」


 椛さんはもう限界だ。涙と汗と鼻水がごっちゃになって、とても見ていられない。連れてきておいて、可哀想に思えてきた。

 椛さんの反応がなくなってしまい、幽香さんはようやく顎から手を放した。それでも椛さんは固まったままで、あ、あ、あ、と興奮する犬のように呼吸をする。

 幽香さんは椛さんのアタマをひとなでして、帰る支度を始めてしまう。色んな液体が付いた手を拭いて、立ち上がる。


「ほら、普通はああなるのよ?」

「え?」


 何かを成し遂げた笑顔で、玄関に向かう幽香さん。たった二分足らずでこうなるのだから、二時間ぐらいみっちりやったら、椛さんは昇天してしまうかもしれない。昇天して、夢の中に行ってしまったら、そこは幽香さんのお家だ。浮かばれない。


「じゃまたね」


 満足した幽香さんは、玄関に立てかけておいた日傘を持って、さっさと帰ってしまった。本当に一瞬だった。遠路はるばる来てもらったのに、これでいいのかな。

 とにかく、椛さんのアフターケアをしなければ。




・・・・・・・・・・・




「落ち着いた?」

「なんとか……」


 子供をあやすように、背中をさすったり、手ぬぐいで液体を拭いたりすること一時間。介護みたい。椛さんの硬直は解け、震えも大分治まった。


「私、射命丸文の撃退法、わかりました」


 幽香さんの濃密な二分間のおかげで、悩みも解消できたようだ。それはさながら、滝行で新しい自分を見つけたヒトだ。今の椛さんの顔は、その涙跡にもかかわらず、凛々しく見える。


「今まで甘えてましたよ」


 椛さんは私の手を取って、自分の成長した姿を示す。自信に満ちている。私も椛さんの手を握り返して、よくやったねと喜びを分かち合う。




 そして、運命の時がやってきた。


「ちょっと椛! 木葉さんに失礼よ!」


 山に監視されている私が、低い身分である白狼天狗の家に長居していることが、気に食わないのだろう。丁度いい所に文が派遣されてきた。

 私の本名がバレて、椛さんは青くなって手を放す。だが今はそういう場面ではない。私が椛さんの背中を叩くと、意を決して椛さんが立つ。

 椛さんは文を睨みつけて、歩み寄る。そのまま幽香さんとおぼしき嗜虐的な笑みを浮かべ、人ひとり分入らない距離まで接近する。


「な、なによ!」

「射命丸様ぁ」


 口調まで幽香さんに似せている。体にまとわりついてくる甘ったるい声は、聞き手を警戒させて拘束する。


「いつもご苦労様ですぅ」


 語尾を引き延ばして、抜けるように言葉を切る。フェードアウトは、続くフェードインを思わせて、口が挟めなくなる。


「コノハさまはですねぇ、私がしっかりお持て成ししています」


 普段は噛み付かないハズの椛さんに、困惑している文。椛さんは文の腰に手を回して、物理的にも拘束した気分にする。


「だ、か、ら」


 フェードアウトをやめることで、嵐の前の静けさを連想させる。さらに顔を近づけて、椛さんは、自分を大きく見せる。文の瞳は不安で濁り始め、元々ない余裕が底を付きそうになる。


「射命丸様は、安心してお帰りになって、ください、ね?」


 椛さんは口を大げさに開けて、舌を出し、文の頬を下から上へ、ねっとりと舐め上げる。それでも椛さんの赤い瞳は、文を捉えて動かない。

 舐められる瞬間を、逃さず目に入れてしまった文の顔は、青を通り越して白くなり、息を飲む音がここまで聞こえてきた。


「うふふ……」

「い、や、ああああああああああああああああ!」


 耐えられなくなった文は椛さんを突き飛ばし、瞬間移動のように飛び去って、逃げ帰ってしまった。

 椛さんは幽香さんと同じく、何かを成し遂げた表情で余韻に浸る。文が飛んで行った方向を見つめ、よだれを垂らしそうなくらい口元が緩んでいる。


「ゴースさん……いえ、コノハさまぁ。私、やりましたよぉ」


 嫌っ! 矛先が私に向いてきた!

 椛さんは立ち上がらずに、腕だけで私のところに這い寄ってくる。頬を赤く染めて、危険な笑みを私のヒザにくっつけてきた。


「ありがとうございますぅ」

「ひっ!」


 椛さんの口が大きく開かれ、ヒザを噛み付かれそうになる。なにこれ、おかしくなってる!

 私は椛さんを押しのけて、ツリーハウスが揺れるのも構わず、走って外に出る。二階の高さというのも気にせず、飛び降りた。

 アレ、幽香さんよりも大変なことに。あの形態が治まらなくなっている。しばらく一人にしておかないと、火のついた導線のごとく、目についたヒトを舐め回っていくだろう。来訪者のご幸運を祈って、私は帰るぜ。




・・・・・・・・・・・




 その後、私の所に文が訪ねてきた。


「あの、相談しても宜しいですか?」


 明日には水の社なるものが出来上がるという報告と共に、個人的なお話を持ちかけられた。


「椛がこわいんです。どうすればいいでしょう」




 また幽香さんでも連れてこようか?





☆秋姉妹的キャンプ

「今日は!」

「河原でキャンプの!」

「静葉です!」

「穣子です!」

「見なさい! 河童よ!」

「ホントだ! 名物だねえ!」

「あ!」

「空飛ぶ巫女だ!」

「穣子危ない!」

「お姉ちゃん危ない!」

「河童がエビせん投げてくるわ!」

「巫女が大入り袋投げてくる!」

「ひゃあ!」

「大丈夫!?」

「うう、やめられない、止まらない」

「お姉ちゃん! 50%増量だって!」

「大入りね!」

「楽しいキャンプになるね!」

「……」

「……」

「……」

「……」

「食べてると無言になるわね」

「でも、やめら、れない」



あとがき

妖怪の山を覆うゆうかりんワールド。

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