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東方現葉幻詩  作者: 風三租
第四部 セールスお断り
28/44

山紫水明、宝の山を作る。




「――あら、じゃあ私は帰った方が良いのかしら?」


 いきなり背後に現れておいて何だ。

 まだ振り返って声の主を確認していないが、私が感じる程の妖気が伝わってくる。

 水は声が聞こえた瞬間、私の前に立って、声の主の視界に入らないように隠れるし。


「困ったわね。そちらに隠れているお方に用があってきたのだけれど」


 あー、妖しい空気が濃くてぞっとする。

 あれは、危険だ。逃げないと。


「(……水、運動したい気分じゃない?)」


 水は無言でふるふるうなずく。それはそれは小刻みに。そんなに見られるのが嫌か。それとも怖いのか。……後者である可能性は低いね。水はすごい妖怪だから。


「……? 私と話し合ってくれ……あ、待ちなさい! 逃げたって無駄ですわ!」


 背後の強大な力を持ったあれ――この呼び方は面倒だから、ザ・パワーと名付けよう――の言葉の途中で、私は全力で走り出す。水はそれよりも速く走る。一体どこにそんな速さを出せる脚力があるのやら。

 ザ・パワーは追ってこない。最後にちょろっと聞こえた言葉は、「覚えてろよ!」という捨て台詞と同義だと考えて良いのだろうか。


「水ー! どこまで行くのー!?」


 見失わない内に確認をとっておく。ザ・パワーの標的は水らしく、私はヤマメ達の所に戻っても大丈夫じゃないかと思った。しかし、後ろ姿を見られた私が絶対に安全とは言い切れない。最悪他の三人も巻き込んでしまうかもしれない。ならば一人で別の方向に逃げるよりかは、安全になるまで水について行った方が利口だ。


「……! ……!」


 水は無言で片手を前にやる。斜め後ろにいる私にはその手が丁度死角に入っていて見えない。とりあえず麓まで走ればいいか。


 山のてっぺんから下まで一気に駆け下りる私って、すごくない?




・・・・・・・・・・・




 麓辺りまで来ると、水は急に足を止めた。水に追い付く為に必死に走っていたので、小休止の時間は大変嬉しい。


「……ぅぅ。逃げられぬ……」


 水が俯き、小声で残念そうに言う。逃げられないって? ザ・パワーはどこにも見当たらないよ。


「……っ!」


 何かに反応した水が私の方に体を向けて身構える。

 私も見習って水の目線の先を見渡してみたが、木々しかない。一体何に反応したの?

 再び水の様子を見ると、警戒はすでに解かれていた。


「……っっ!」


 またか。

 今度はすぐに後ろを振り返ったが、やはり木や草しかない。


「……っっっ!」


 水の感覚が狂ったのだろう。私の後ろには、元から何もない。

 そう自己完結していると、肩を軽く叩かれた。


「へ? 誰?」


 反射的に振り返るが、景色は全く変わっていない。

 前を向こうとする素振りを見せ、直ちに視線を戻してみる。


「……ザ・パワー」

「……それは私の事を指しているの?」


 空間に縦の亀裂。その両端がリボンが結ばれていて、開き過ぎないように考えられた、グッドデザインな亀裂。中に見えるのはぱっちり開いたおめめ達。そんなに見られると照れる。

 照れ屋さんには辛い空間からは、金髪のお姉さんが顔を出している。紫色のドレスを着こなす姿、頭にあるナイトキャップ、どれもがこの時代に合っていないもので、新鮮に写る。

 金髪ドレス。まさに外人さんだ。ザ・パワーさんという名前がぴったりだ。


「……その言葉が何を意味しているのかは分かりかねるけど、変な名前にされているのは確実だと思うわ」


 ザ・パワーは例の照れ屋空間を閉じ、姿を消してしまう。

 どこに行ったのかとキョロキョロすると、私と水の間に亀裂が生じた。仲が悪くなったのではないよ。

 亀裂からは案の定ザ・パワーさんが顔を出す。


「私は八雲紫(やくもゆかり)。夢見る乙女、ですわ」

「……」

「……」


 二人してザ・パワーこと八雲さんから残念そうに目を背ける。キレイなおねーさんが自分で乙女って言うのはちょっと……。


「何よその顔は!」


 八雲さんはその全身を私達に見せようと、亀裂をさらに引き伸ばして歩み出てくる。


「さて。私の夢を叶えるために、貴女様のご承諾を得たいと思って参りましたの」


 私の方には目もくれず、八雲さんは水の前に歩み寄る。


「……ななななななななんじゃ」


 動揺しまくりである。チラチラと私の方を見て、必死に助けを求めている。嫌だよ、私だって知らない人と話したくないもん。それにあんなキレイな人と向き合ったら劣等感に苛まれる。




「この土地に。妖怪の住む楽園を、作りたいと」




 え……。それって、幻想郷……?


「……楽園じゃと……?」

「そう。近頃、人々の間では妖怪を否定する傾向が増えてきております。このまま放っていれば、私達は皆消えてしまうのではないか、と考えているのです」

「だからここに妖怪の居場所を……?」

「私の能力を以ってすれば、そのような事は可能。後は貴女様の許可を貰うだけです」


 八雲さんが、幻想郷を創ったヒト……?


「……うむ。妖怪が栄えていたのならば衰退するのも当然の事。妖怪のみの楽園を作るなぞ、そんな自然に反するような事は――」


 平常時の自分を取り戻し、お姉さん相手に堂々と話し出す水。

 あまり肯定的な雰囲気纏っていない水の言葉に危機感を覚えた私は、水の元に駆け出しそれ以上言わせないようお口にチャックをする。


「許可します! ほら! 水もこのとーり!」

「んー! んー!」


 首を振ろうとするのを押さえ、縦に振らせる。

 これだけは、断っちゃ駄目なんだ。水の持つ『自然を操る程度の能力』が象徴しているように、自然と共に生きる水が理不尽な変化を嫌うのは分かっているつもり。だけど、あの未来が自然選択の結果だというのなら、幻想郷のような不自然も存在していて欲しい。


「この土地が全く別の物になる訳ではないんだよ! 現実と幻想が同時に存在する場所に変わるだけで実害はないと言ってもいい! ……ですよね?」

「……そうだけど。何で貴女のような弱小妖怪が私の計画を知っているの」


 私は水を解放してしっかり向き直る。


「自然であるのが大事だと言いたいらしいけど、将来的にこの辺は、山が切り開かれ無理矢理作られた道は油で覆われ物は雑に捨てられ、そんな場所になるんだ」

「……」


 私が居た未来はそこまで酷い有様ではなかったが、もっと未来にそんな状態になっていないとは言い切れない。


「壊され続ける事が自然なら、私はそれを認めたくない。不自然にしてでも今の自然を守りたい。水、今は許可して。結果を見て、嫌だったら消せばいいし良かったら住めばいいし」


 水は心底つまらなさそうに私を見据える。そして諦めたように溜息を吐く。


「……勝手にしろ」


 私の真心が伝わったのか、案外簡単に許可がとれた。それ以前に、ここら辺って水の土地だったんだ。あんな危険そうな八雲さんも水には(へりくだ)っている印象を受けるし。さすが……。


「八雲さん、そういう訳で」

「え、ええ」


 水の説得が済んだ所で、水の代わりに私が八雲さんと対面する。せっかくだから、希望を一つ言っておきたい。長い長い妖怪生活、何か熱中できる物が欲しいのだ。


「八雲さんの計画、私にも手伝わせて下さい」

「え、ええ?」

「何か私にできること、ありますよね? 八雲さんは『壁』を作るのに専念して、他は私に任せて欲しいです」

「……あ、その気持ちは嬉しいのだけれど、貴女、見るからに弱い……」

「ヴっ!」


 返す言葉もございません。妖精に負ける私でござーい。


「……いやまあ、考えておくわ。後日改めて……」

「ありがとうございます! 八雲さん!」

「んー。ゆかりんでいいわよ」

「…………」

「次からは紫って呼んで頂戴」

「さようなら! 紫さん!」

「……私、この調子でやっていけるのかしら」


 若干うなだれて、紫さんは照れ屋空間を開き、中に入って姿を消してしまった。

 それにしても、今日は運がいい。私が幻想郷の創設に携われるなんて……!


「……おい緑」


 水、怒ってるのかなー。冗談では済まされない程の重大な決定を勝手にしてしまった訳だから。


「は、はいっ」

「死ぬが良い」


 ああ、そこまで怒っていないようだ。良かった良かった、と、水が出した火の中で思っていた。




・・・・・・・・・・・




「突然ですが皆様。って、きょうこは?」


 水は私を燃やしている間に帰ってしまったので、私一人で滝の裏の洞窟に戻ってきた次第である。火傷? する訳ないじゃん。

 日はもう沈んでしまって、満天の星空が広がっている。じっくり見ていたい気もするが、冬の寒さが辛く、それは遠慮したい所だ。

 洞窟の中で座っていたのはヤマメとパルスィの二人。幼女が足りない。


「……途中まで一緒に歩いてたと思ったんだけど。気付いたらいなくなってたわ」

「そっか」


 野生に帰ったのか? ヤマメやパルスィと違って、きょうこは何もないもの――山彦という物理現象が形になった純粋な妖怪だ。人間の常識を知る機会がなかったきょうこは人型であっても、その生態は動物に近いと言えよう。

 こうして客観的に解釈してしまう私は、妖怪でありながらも未来の人間像から抜け出せないのだなー。だからって今更考え方を変えられない。世知辛いのう。

 でもきょうこ、君は最後までよく分からない妖怪だった。また会いたい。


「突然ですが皆様。私も今日でお別れになるかもしれません」


 幻想郷作りの手伝いは私が勝手に決めたことだ。何百年を要するか分からないこの案件に、二人を巻き込むのは申し訳ない。また、一人である方が色々と動きやすいかもしれないので、同行を頼まれても断わるつもりだ。

 まあ、私が手伝うのはまだ決まっていないことだが。


「はいー? またなんか変なことでも思い付いたのかい?」

「……あなたって、人生楽しんでそうね。吹っ飛べ」


 酷い言われようだ。全部否定できない。


「ヤマメがいるし、私がいなくても大丈夫でしょ? このクレイジーガール」

「そうね。むしろあなたがいない方が落ち着くわ」

「そう言いながらも目に涙を浮かべるパルスィ。意外と涙もろいの?」


 まだ別れる理由も言ってないのに。


「別れるって、一体何をするつもりだい」

「楽園を作りたい」

「……ついに緑の頭も最期を迎えたのか」

「私は正常だって」

「だって楽園なんて」

「むかーしむかし、あるところに、一匹の妖怪がいました――」


 数十日前にも話した内容を、再び二人に語る。今日体験した事柄も入れつつ。


「――その妖怪はある日、大海に住していた大妖怪に頼みます。『お願いですわ! このままでは私、爆発してしまいますの!』『ほう、それならば我に勝ってみるが良い』『遠慮はしませんことよ。食らえ! 目からビィィィィィムッ!』」


 バトルシーンもちゃんと入れて。紫さんの事は良く分からないので、凄まじい脚色をする。


「『そなたの力、見せて貰ったぞ……! ぐふっ、良か、ろう……。我の、土地を、分け、与えよ、う、ぞ……』『もう喋ってはなりませんわ! ……っ! 息を、していない……。……分かりました。貴女の意思、私が継いで差し上げますわっ!』」


 水が死んだ。


「こうして妖怪は、亡き師の意思を引き継ぎ、壁を作り始めることにしました。いまこの辺り」

「熱い……! こんな短かかったのにとても熱い話だわ……! あなた、同士ね」

「……緑、現実と虚構の判断もつかなくなってしまったのか……」


 パルスィの目は輝き、ヤマメの目は濁っている。その後ろで、いつの間に現れたのか、照れ屋空間から顔を覗かせている紫さんの目も濁っていた。


「……私、そんな性格じゃないし戦った覚えもないわ」

「……!」

「……!」


 紫さんの存在に気付いていなかったヤマメとパルスィが、驚いて後ろを向く。同時に紫さんは隠していたらしい妖気を解放し、洞窟内が妖しい雰囲気に包まれる。私は鈍いから平気だけど、ヤマメやパルスィには辛いんじゃないか?


「私こそがその物語の主人公。八雲紫ですわ。決して虚構ではないので宜しく」

「……ひぃぃ」

「……死のう……」

「パルスィ! 死んじゃ駄目! 紫さん、おそろしーですから、その妖気を!」


 自分の計画を虚構だと言われて少し怒ったの? 見た目に以合わず子供っぽい。


「貴女は何故私の妖気に包まれていても平気なのかしら」


 そう言って妖気を仕舞う紫さん。鈍感で悪かったね!


「……手伝いの件。せっかくだから頼もうと思っているの。だから今の内に覚悟をして置きなさい、って言いに来ただけよ」

「もう準備万端です!」

「貴女、不思議な子ね。いや、不思議な同世代ね」


 なぜ言い直した。


「仕事くださーい。早くー」

「……あのねぇ。後日って言ったでしょう。まだ何をやって貰おうか決めてないんだから」


 早く仕事がしたい。このだらだらした生活から抜け出したい! 今の私は最もやる気に満ちている! うおーーーー! はーたーらーくーぞー!


「なら一緒に考えてあげます! その照れ屋空間には私も入れますよね!?」

「照れ屋空間? それって、これのこと?」


 紫さんが空間の中おめめ達を指差す。それに私は無言でうなずく。


「これ、スキマって言うのよ……。ああ、なんか全部馬鹿らしくなってきた」

「じゃあそのスキマとやらの中で、一緒に語り明かしましょう!」


 私はスキマに足をかけ、よっこいしょと中に押し入る。


「ちょ、ちょっと、弱小妖怪がこの中に長時間いるのは危険だわ! あれっ、なんか平気そうだし! でもこの中で語り明かすなんてごめんよ! こらっ! 目で遊ぶな! もう! 生まれて初めてよ! 何で私がこんな目に遭っているのかしら!?」

「目だけに?」

「あ゛ーーーーーー! 全っ然上手くない! 意味分からない!」

「紫さん紫さん。せっかくの美人顔が台無しですよ」

「あらありがとう。って違ーーうっ!! 全部貴女のせいよっっっ!!」


 顔に手をやり長い髪を振り回す紫さん。二分の一秒に一回髪が私にかかって痛い。


「私の家に貴女を入れるなんて嫌だけどこのままじゃどうしようもないから招いてやるわ!」

「紫さん紫さん。ツンデレですか?」

「黙ってなさいよ!」


 紫さんは私が入った亀裂を閉め、二人の真下に新たな亀裂を開いた。




「……パルスィ。緑とはこれでお別れなのかな」

「……知らない。そんな事よりお腹空いたから、狩りをしてきて欲しいわ」

「……パルスィ。君も今日から狩りを覚えなくちゃね」

「……うるさい。はやく行ってきて頂戴」

「……パルスィ。悲しいんだね? 大丈夫。また会えるさ」

「……早く行け。どうして私が悲しまなきゃならないの」

「……パルスィ。今まで長かったねぇ」

「……え、なに。ヤマメ、泣いてるの?」

「……パルスィ。楽園、本当にできるかなぁ」

「……できるわ。だってあれは、一度言ったら聞かないヤツでしょ」

「……そうだね。あんな強そうな妖怪も一緒だったしね」




・・・・・・・・・・・




 驚いたことに、開いたスキマの先は全く別の場所で、私は紫さんの家にワープしてしまったらしい。貴重な体験だ。


「お茶を出して。そこの引き出しにお茶っ葉が入ってるから。目一杯すくったのを三杯よ。少ないと薄いし多いと苦いから神経使って淹れるのよ」

「え、私がやるんですか……?」

「あぁん?」

「はい……」


 紫さんは畳の上に座り込み、私に有無を言わせない態度で要求をしてくる。客人をもてなす気はないようだ。

 私は引き出しからお茶っ葉を出す。湯を沸かそうと思ったが、台所の勝手が分からないので、外に出て焚き木をして水の入った鉄鍋を放る。能力があると火を起こす手間が省けてとても便利だ。私の能力って戦闘には向いていないけど、日常生活に対しては無類の強さを発揮している。

 私の一連の行動を見ていた紫さんが、くつろいだ声で尋ねてくる。


「……貴女、能力持ち? 火を操る程度?」

「いえ。私の能力は等価交換する程度です」

「敬語はいいわ。あなたの性格と合っていないと思うの」


 失礼な。私が不真面目だと言いたいのか。


「等価交換って、具体的には何をするの?」

「妖力を火に変えたりとか、妖力を浮力に変えたりとか、妖力を体力に変えたりとか」

「妖力ばっかりじゃない。等価交換なんだから、もっと別なのもあるでしょう」

「すみません。私の頭が悪いのです」


 私の損になることが現象操作の鍵となっているのだから、今まで試した対価の他にもまだいっぱいあると思う。しかし、アイデアが出てこない。そこまで困ったことが起きていないから、考える必要性が少ないのだ。


「宝の持ち腐れね」

「そうなんです」


 覚醒とかしないかな―。

 と、ぐつぐつと水が沸騰した音が聞こえる。お茶の最適温度は八十度。そんな知識が残っていたので、砂をかけて火を消し、少し冷ます。適当な時間になったら茶葉を放り、色が出てきた所で上済みを木製おたまでお椀に注ぐ。


「はいどうぞ」

「ありがとう」


 人使いは荒くともお礼はしっかり言うようだ。

 紫さんはできたてのお茶を啜る。その顔は無表情を貫き通している。


「……美味しいとは言わないわ。他人に淹れてもらったものは美味しく感じてしまうという困った常識があるから」


 素直じゃない。美味しいって言ってくれなきゃ泣くぞ。


「……苦い」

「うわあああああん!」


 ほら、泣いちゃったぞ? どうしてくれるんだ?


「……貴女の部屋。あっち」


 面倒だから一人で寝ろってか。その気持ちすごい分かる。

 夜になってから数時間が経ち、そろそろ就寝するお時間だ。夕食をとっていないけど、今は眠気の方が勝っているので安らかな眠りにつける。

 私は用意された部屋に駆け込み、端に畳んで置かれた布団を広げて横たわった。










「ああいうのじゃなくて、もっと従順な式が欲しいわ……」






☆秋姉妹的若さの秘訣


「静葉です!」

「穣子です!」

「うおーーーーー! 話すことないーー!」

「お姉ちゃん! その場しのぎで誤魔化すのも大事なんだよ!」

「そうね。……ゆ、紫さんが出てきたわね」

「そうだね」

「げ、幻想郷を作るらしいわ」

「そうだね」

「は、果たして紫さんの夢は叶うのか……?」

「叶ってるね」

「……」

「……」

「……」

「……」

「……穣子、きらい」

「えっ」



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