第6章 【崩界の針】 2話 霊山の神隠し
村には様々な店が並んでいる。食べ物屋からお土産屋まで、観光客を惹きつける様々なジャンルの店が取りそろえられている。
「いらっしゃいませ!どうです?当店自慢の『神様人形』!きっと神様のご加護があるよ!」
「わあ、可愛い!これが神様なんですか?」
沢山並ぶ特徴的な小さな子供の人形を眺めて、ロザは目を輝かせた。
「ロザ……こういうの好きなの?」
「う~ん、好きなのかな?こういうものを手に取ったの、ずっと昔の事だったから」
「ずっと昔……かぁ」
一緒に様々な店を眺めながら、ロザとクロは時間を潰していた。何気ない話をしながら、彼女達が何気なく足を止めたのはお土産屋。『神様グッズ』を主に取り扱う店である。
「お客さ~ん、買ってってくださいな!私も生活が苦しくて……」
「え?そうなんですか!?……じゃあ、買おうかな……?」
「ロザ。そういう作戦だから。すぐ乗っからないで」
ロザは『神様人形』を手に取りつつ、クロの言葉を受けて、きょとんとしていた。クロはやれやれと呆れて首を振ると、適当に二つの人形を手に取り、店の主人に差し出した。
「それ、ちょうだい」
「毎度!」
「クロ?」
クロは代金を支払い、その人形を受け取り、その一つをロザに手渡した。
「どうせ、言っても分からないでしょ…………」
「……クロ、ありがとう!」
嬉しそうに笑うロザを見て、クロはそっぽを向いてしまう。そして、手に持った『神様人形』をまじまじと見て、口をとがらせた。
「何これ……生意気な顔……」
何故、こんなものを買ってしまったのか?クロ本人にも分からなかった。クロは自分の中で何かが変わりかけている事に、まだ気づいていなかった。
「……なんか変なの。ここに来てから……もやもやする」
「え?クロも?……私も何か変な感じがするんだけど……気のせいかな?」
とことこと先に歩いていくクロにひっ付きながら、ロザはその違和感を口にする。その違和感が何から来るものなのか二人は知らない。ただ、二人が持つ魔宝だけがふるふると震えていた。
「クロ~!ロザさ~ん!そろそろ行けるそうですよ!」
旅人の呼ぶ声が響く。二人は魔宝の震えに気付くことなく、手を振る旅人の方へと向かった。
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山の麓まで、旅人達は薄い布を幾重にも纏ったその不思議な女の後を付いていく。目の前にそびえる霊山『アクバハル』は一面真っ白だった。それは雪が降っているからなどという理由ではなく、木々自体が白く染まっており、その不思議な光景を作り出していた。そのどこか神聖な光景にティアは感嘆の声を漏らした。
「凄いですね……やはりこれは『神』の御力なのでしょうか?」
「いいえ。ここの木は少し特殊でして。神は偶々、この山に居を構えただけだそうです」
神に仕えるその女は山の入り口で立ち止まり、振り向くと、淡々と自己紹介を始める。
「私は『巫女』の『ハルカ』。本日、神の元へ貴方達を案内させていただく者」
薄い布を幾重にも重ねたような服を身にまとい、奇妙な造形の装飾品を身にまとったその女は、顔を覆い隠す布を持ち上げ、その顔を見せた。何処となく濁った目の下には黒い三角の模様が三つ刻まれている。
「『巫女』?」
「『巫女』とは『神に仕える者』。神の世話や神の元への客人の案内を任されております」
無表情。その一言に尽きるその凍りついた表情から淡々と言葉が放たれる。その女、ハルカの顔を見て、クロは怪訝な表情を浮かべる。それが気になった旅人は小さな声で何気なくクロに訪ねる。
「どうしました?」
「あいつ……何か変。……嫌な感じ」
旅人はハルカの顔を見る。旅人にも何処となく感じられる違和感。『魔宝』に触れた時に感じる、『悪寒』にも似た感覚をその女は放っていた。
「さて、行きましょう。私の後に付いてきて下さい。……あ、そういえば今回の案内は『複数人』なので注意が必要でしたね」
背中を向け、山に向かって歩みを進めるハルカは持ち上げていた顔の布を降ろすと、脅すかのような声色で『忠告』した。
「歩いている途中は絶対に……『後ろを振り向かないで下さい』。それを破ったら、『身の安全は保障できませんから』」
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「『ハルカ』というのは、『巫女』の一族が代々引き継ぐ名前です。つまり、私は『21代目ハルカ』と言う訳です」
「21代目……神様はどれくらい前からここに居るのですか?」
ハルカは態度こそ淡々としたものであったが、聞かれた事は何でも答えた。次第に霧がかかってきた白い山の中を着々と進みながら、この村、山、神に関する問答を繰り返す。
「……歴史には疎いもので。少なくとも200年以上前にはこの山に」
「200年……と言う事は『巫女』と同じく『神』も世襲制と言う事ですか?」
旅人の質問に対し、巫女のハルカは振り向くことなく、ただくすりと笑い声を零した。それが巫女ハルカの聞かせた始めての笑い声。
「おかしなことを言うのですね。『神はずっと神』、ですよ。200年以上変わらずに……ね」
「そんなに長生きする方なんているんですか?」
ロザは普通に疑問に思った事を口にする。それは誰もが疑問に思う点。
「『普通』はいませんよ。でも、『神』ですから。……まあ、ご本人は『神』と呼ばれるつもりはないそうですけど」
ますます『神』の不気味さが増してくる。しかし、それと同時にその所有する『魔宝』の力が見えてくる。『200年以上も生きる』人間などいない。それは恐らく何らかの『魔宝』の力が影響しているのだろう。しかし、旅人の知る『十三呪法』に、そんな事を可能にするものはない。それどころか、『不死』を実現する手段すら本来なら存在しえない。
「クロ……相変わらず『魔宝』の気配は感じませんか?」
旅人はハルカの忠告通りに後ろを振り向かずに、クロに声をかける。
「……?」
そして、その異変に気付く。返事はいつまでも戻ってこない。確かにクロの声はそこまで大きくないが、声が聞こえない距離でもなかった筈だ。
「クロ!?」
旅人は慌てて後ろを振り向く。
「駄目じゃないか~!『後ろを振り向くな』ってハルカちゃんに言われただろ~?」
「誰です!?」
旅人は突如、その場に姿を見せた『子供』相手に身構えた。そして、その視線の先にあるものが明らかにおかしい事に気付く。そこは今まで自分が歩いてきた道では無かったのだ。
広がるのは木々に囲まれ、道など全く無い空間。うっすらと霧がかかり、周囲をぼやけさせる。旅人が辺りを見回すと、クロはおろか、先程まで前方を歩いていたハルカやロザ、ティア達の姿さえも見えない。
「ああ、びっくりした?ゴメンゴメン!驚かすつもりはなかったんだよ~?」
その『子供』は笑いながら旅人に歩み寄る。黒い髪を肩辺りまで伸ばし、茨の冠を被り、体に緑色のボロ布を巻きつけるように纏う華奢で色白なその『子供』。その起伏のない体つきや中性的な顔立ちからは性別を判断しにくい。何処となく『浮世離れ』したその雰囲気を感じ取り、そして『子供』がこんな山中に居るという不自然さから、旅人はすぐにその子供の正体を判断する。
「あなたが……『神』?」
「やだなぁ、ウチは『神』なんて大層なものじゃないよ!ただちょっとだけ長生きしてるだけの生意気なガキさ!だから、変に気を使わないでおくれよ?気安く『エイン』と呼んでよ!」
『エイン』
そう名乗る『神』は首から紐でぶら下げた『時計』をゆらゆらと揺らす。
「さて、ここに来たからには用件があるんだろう?早速、聞こうじゃないか!何か悩みかな?」
けたけたと笑うエインに、底知れぬ不気味さを感じながらも旅人は考える。『本当に魔宝を求めてやってきた事を話していいのか?』という、問題点を。得体の知れない力をこのエインと名乗る『神』が持っているのは明らか。少しでも気を許すように話をした後、タイミングを見計らって話すべきだろうか?そんな事を考えたせいで返答が遅れた旅人に対して、痺れを切らしたかのようにエインは無邪気な笑顔を浮かべて、言葉を発した。
「じゃあ、『勘』で聞くけど……もしかして、『この『十三呪法』、『崩界の針』を手に入れる為にここに来た』のかな?ししし!」
首から下げた胸元の『時計』をつまみ、ひらひらと動かしながらエインは笑い声を上げる。
「身構えないでいいよ!ウチは必死に『崩界の針』を守る気はないって!だから、『これが欲しい!』って言ったからって、君達を『消す』なんてしないからさ!ウチは嘘は吐かないよ!」
自らの目的を言い当てられ、焦りを見せる旅人。しかし、何処までも子供のように純粋なその笑顔にいまいち危機感を感じられなかった。その無邪気な笑みには確かに裏があるようには思えない。それに仮にこの『神』が旅人達の目的を見透かしていてそれに『敵意』を抱いているのなら、『旅人に悟られずに接近するだけの能力』を持つのだから、とっくにに始末されている筈である。
「さあ、そこの切り株にでも座りなよ。すぐにほいっと『崩界の針』を渡しても味気ないし、少しお話しようじゃないか!」
まるで『魔宝を渡してもかまわない』と言った口ぶりで話すエインの考えを読み取れず、旅人は仕方なく指示通りに切り株に腰を降ろす事にする。
「……何をお話すればいいんですか?」
「そうだねぇ……じゃあ、君とはまず『十三呪法』のお話でもしようかな?」
「『十三呪法』のお話……?」
「そう、『十三呪法』!君は多分全ての『十三呪法』を知らないよね?そして、その『成り立ち』も、『十三呪宝を集める事の意味』も。だって、君は……『自分の意思で魔宝集めの旅をしていない』んだもんね?」
澄んだ子供の声が、静寂の中で響き渡る。エインは旅人の全てを知るかのように、幼くも多くを悟ったような瞳で旅人にその無邪気な笑顔を送った。旅人は目を見開き、口を閉ざす。エインはその表情を楽しむかのように、土の上に胡坐をかいて、しししと笑った。
「まあ、黙って聞いてなよ。その上で『判断』すると良いさ!」
まるで『試す』かのように、エインは一言一言を放つ度に旅人の表情をうかがう。そして、自らを支える『根幹』を見透かされ、戸惑いを見せる旅人の様子に満足したようにエインは続ける。
「『魔宝集めをここで終わりにするかどうか』……ね」
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霊山『アクバハル』の奥、外部の人間にはほぼ辿りつけないその場所には一軒の山小屋があった。白い木々の中に溶け込むようなその白く古びた木の小屋の付近には、風景から浮いた黒い大きな犬が二匹、小屋を見張るように座り込んでいる。
二匹の黒い犬は沸々と魔力をたぎらせる『魔犬』。凶悪に光る金色の瞳が、一人の少女を捉えた。
「『ポチ』。『タマ』。見張り御苦労さま」
『ハルカ様、今日は随分と客人が多いねぇ?』
『さっきなんか纏めて四人っしょ?そいつら、まだ山に居るみたいだけど放っておいていいんスか?』
『魔犬』は魔法による意思伝達で主人である『巫女』、ハルカと会話する。ハルカが連れていた筈の四人の客人は既に姿を消している。
「そう指示されましたので。エイン様にも何か考えがあるのでしょう。『個別』に話をしたいと言ってましたし」
『エインさんが?へぇ、珍しいねぇ。何か興味深い人間達なのかね?』
『じゃあ、暫くは小屋に居てくれるんスか、ハルカ様?最近、仕事ばかりで全然構ってくれないじゃないッスか!たまには毛繕いでもしてほしいなぁ!』
「……仕方ないですね。久しぶりにそうしましょうか。ポチはいいですか?」
『自分も頼みますよ。最近、魔獣共の気が立ってるんねぇ。宥めるのに毛が乱れるんですよ』
ハルカは二匹の魔犬の頭に手を当て、軽く撫でると、僅かに感じた『魔宝』の動きに反応し、自分が歩いてきた道を振りむいた。
「始まりましたか……」
神の意地悪な『試練』の始まり、それを感じ取りつつも、自分には何の関係もないことだとそっぽを向いてハルカは小屋の中へと入って行く。果たして何人、山から降ろせる事やら……その人達は村で買い物をしていってくれると良いですね……などという事を考えながら、巫女ハルカはただ待つ。
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「…………皆を何処にやったの?」
「まあまあ、怖い顔しないでよ『お姉さん』!ウチは別に喧嘩をしに来たわけじゃないからさ!他の人達なら全然大丈夫だから!」
霧に囲まれ、旅人達から隔離されたクロは、その子供と対面していた。無邪気に笑う『神』、エインは怒りを見せるクロを宥める。それに対し、クロは多少苛立ちはしたものの、『お姉さん』と呼ばれた事がそこそこに気分が良かったのか、懐から取り出しかけていた魔法札をひっこめる。
「あなたは?」
「ウチは『エイン』!君達が会いに来た『神様』ってやつだけど、ウチはそんな大層なものじゃないからね!強いて言うならちょっと長生きしてるだけの生意気なガキさ!」
「……ああ、言われてみれば人形にそっくり。確かに……生意気なガキ」
クロはお土産屋で買った『神様人形』を取り出し、目の前の子供と見比べる。憎まれ口こそ叩けど、クロは別段エインに対して『敵意』を向けることはない。
「ああ、『お土産屋』で人形買ってくれたんだね!……それにしてもお姉さんはストレートだなぁ」
少し困ったような『フリ』をしながら、けたけたとエインは笑う。
「クロお姉さんはいいね!心に余裕がある!これなら落ち着いてお話ができそうだね!ちょっと色々お話しようよ!」
「…………うん。丁度、あなたに聞きたい事があるから…………別にかまわない」
エインはまるでそういわれる事が分かっていたかのように、待ってましたと言わんばかりに無邪気な笑顔を浮かべた。
「何でも答えるよ~!『何でウチに魔宝の気配を感じないか』とか、『お姉さんの知らない昔のお話』とか……」
クロは目を見開いた。『魔宝の気配を感じられない』その子供は、確かにクロの質問したかった内容を見抜いていた。『昔のお話』とやらには興味がなかったが、前者はまさにクロが思ったままの疑問だった。『読心』?目の前にいる奇妙な子供の持つ力を予想しながら、クロは少し警戒を強める。結局は考えても目の前に居る子供の持つ『謎』は分からない。
しかし、自分の質問を予測してきたこの子供には『何らかの力』がある事は判断し、クロはエインの言った言葉全てに『何らかの意味』がある事を理解する。
「…………話して」
「やっぱり物分かりがいいなぁ、クロお姉さんは。うん、分かった!ウチは適当に話をするから、適当なところで何でも言ってよ!掛け合いが無ければ、お話なんてつまらないからね!」
エインはクロが自分の言葉を受け取る意思を見せた事に感心した『フリ』をする。そして、嬉しそうに楽しそうに言葉を紡ぎ始める。クロにとって『意味ある』言葉を淡々と。
「……まずはクロお姉さんがとっつきやすい話から始めようかな?」
****************
「あの……ここはどこですか?」
ロザは涙目で目の前に居る子供に声をかけた。突然、自分の周りから姿を消した旅人達。ロザは『何者かの手によって隔離された』のに、勝手に『自分が迷子になった』と勘違いしていた。
「ああ~!ゴメンゴメン!ロザちゃん!迷子になったんじゃないよ!ウチがここに連れて来たのさ!だから心配しないでいいよ!」
「え?じゃあ、皆は何処に?」
「大丈夫だって!ウチがちゃんと保証するよ!これでも人からは『神』って呼ばれてるからね!本当は『神』なんて大層なもんじゃないけども」
ロザはクロに買って貰った人形を思い出し、目の前に居る子供が、『神様』である事に気付く。すると、ロザは安心したかのようのほっと息をついた。
「なら良かったです……」
「君は本当に子供だねぇ……まぁ、かくいうウチもちょっと長生きしただけの生意気なあガキなんだけどもね」
泣いたり落ち着いたりと騒がしいロザを見て、『神様』はくすくすと楽しそうに笑った。
「ああ、自己紹介をちゃんとしないとね!ウチは『エイン』!」
「私はロザです!」
「うん、知ってるよ!さっきからそう呼んでるじゃん!」
「あ!そうですね……でも何で私の名前を知ってるんですか?」
「まあまあ!細かい事は置いておいて!ロザちゃんには特別に用意したものがあるんだよ!」
エインは背後から、隠していた酒瓶を取りだす。そして、ロザにそれを見せてにっこりと笑った。
「あ、私、未成年ですから……お酒は」
「何言ってるのロザちゃん!……少し遅れたけれど、お誕生日おめでと~~!」
パァン!パァン!
周囲から響く破裂音。『祝炎』と呼ばれるその魔法は、ロザでも知っている『祝いの魔法』。その音に驚いたロザはぽかんとして、腰を抜かしてしまった。
「もう、旅に夢中で忘れちゃったのかな?1週間前は……6月13日は君の二十歳の誕生日じゃないか!」
「え?あ、そうでした!すっかり忘れてました!」
「もう、ロザちゃんはドジだなあ!ウチが言わなきゃ、ずっと19歳のままだったよ!」
「そうですね!あれ?でもどうしてエインさんは……私の誕生日なんて知ってたんですか?」
エインはしししと笑い声を漏らす。『何でも知っている』かのような『神様』エインはその無邪気な笑顔をロザに向けて、言った。
「何でかなんてどうでもいいさ!ただ、『君のお母さん』の代わりに、祝わせておくれよ!今はもう君の誕生日を祝えない……君のお母さん、『ガーネット』の分まで……ね?」
ロザの思考は停止する。思いもよらぬその言葉に。足元では『赤黒い靴』がふるふると震えている。
「…………お母さんを……知ってるんですか?」
「知ってるよ。だってウチは……『彼女に会った事がある』んだから」
ロザの知らぬところで命を落とした母。ロザが旅に出た目的の一つ、『母の真実』。彼女の前に居るエインは、『その全て』を知っているかのように、ロザに笑いかけた。
「……まあ!まずは飲みなよ!お話がしたかったら、その後にしよう!」
「………あ、は……はい……」
戸惑いを隠せぬロザを、エインは思考を読み取らせない無機質な瞳で見つめた。そして、無邪気な笑顔を浮かべる。その笑顔はまるで全てを楽しむ残酷なものにも見え、また全てを救う慈悲深きものにも見えた。
ロザに待つ『試練』は辛く、無慈悲で、残酷なもの。それを感じ取ったのか、『赤黒い靴』だけは目の前の『神様』を拒むようにふるふると震え続けた。しかし、ロザには届かない。その警告が。その怯えが。
****************
始まるのは『試練』
それは『救い』あるものかもしれない。それは『救い』など無いものかもしれない。
なんにせよ、それはとても残酷なもの。
ならば、何故、『神』はそれを人にもたらすのか?
その無邪気な笑顔は何も教えない
ただただ響くのは笑い声
そして『神』は語り出す