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魔宝の旅人  作者: ネブソク
第5章 【ドラマチックフィルター】
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第5章 【ドラマチックフィルター】 事件編 怪盗カタヴェリゴ



「野暮はいけない。『最初からお前が犯人だと知っていた』、そんなのは断じて認めん!」


 独特の目を覆い隠す奇妙な仮面、ひらひらなびく白いマント、虹色のシルクハット、端から端まで奇妙奇天烈な格好をしたその男は、舌をちっちと鳴らして、縛りあげた少女を上から見下ろした。


「……………むぐ」


 口も塞がれ、返事もできず、その少女クロは怪盗を睨みつけた。


「はは、すまないね。君の魔宝探知は厄介なのでね。ショータイムまでは黙っていてもらうよ。何、こんな演出も面白いじゃないか!捕らわれのヒロイン、それを必死で探すヒーロー、犯人を追う探偵……そして、それと対決する怪盗……!イッツァエンターテイメンツッ!」


 その暗い部屋は、誰にも使われておらず、また誰も近寄らない場所だった。その部屋には先程監禁されたクロの他にも、1人の教員が横たわっている。こちらも縛りあげられて、ロクに動けない状況にあった。


「……では、予告の時間までしばしのお別れ。ああ、あとお腹が空くかもしれないし、縛られてたら色々困るだろうが……すまないね。エンターテイメントの為、我慢しておくれ。私は『怪盗』。あくまで『悪党』だから、君達に一切配慮はしないよ!はははははははははは!」


 扉がゆっくりと閉じられる。クロが取り残された部屋には完全な暗闇が訪れる。


 怪盗は誰も見ていない廊下でばさりとマントを翻す。そして、その姿を監禁した教員のモノに変えると、にやりと笑って廊下を歩いた。


「さぁて、予定よりも少し早いが……開幕としますか……!」



『怪盗カタヴェリゴ』のショーが始まる。徐々に、侵食するように、


 彼の望む『最高のフィナーレ』に向けて……




     *************




 ―――――――――男子寮2階、『旅人の部屋』




 バッカルゲンは敵対の意思の無い事を示す為、手のひらを広げたまま話し出す。


「本来なら、私は別にゲートに従ってはいるものの肩入れする気はないのですが、そう言っても貴方はきっと信じない。そうですね?」

「ええ、そうです」


 旅人は笑顔で返す。バッカルゲンは極めて冷静に、その悪意の宿った笑顔を受け流した。


「では、ゲート側としての貴方との共闘のメリットをお話しましょう」


 一切、変わった動きを見せることなく、バッカルゲンは淡々と話し続ける。旅人が警戒してその様子を見ても、敵意が無い事は明らかだった。


「まず、『怪盗カタヴェリゴ』に『魔宝』を持たせておく事が、ゲートにとっても貴方にとっても、『マイナス要素』でしかないのです。それはご理解いただけますか?」

「……それはそうですね」


 旅人にとってもゲートにとっても『魔宝』を所持する彼はここで接触しなくても、いずれは接触しなくてはならない相手。しかし、『怪盗カタヴェリゴ』は神出鬼没の怪盗である。いざ彼との接触を図ろうとしても、彼と再び接触する機会はそう訪れない。クロの魔宝探知を用いても、遠く離れていたら意味がない。つまり、今、接触する可能性の高いこの学園で、怪盗との決着をつけるのがベストなのは明らかである。


「しかし、貴方は疑問に思う筈です。『何故、貴方になら魔宝を譲れるのか?』と」

「そうですね」


 こちらが間に割って入る事を許さないように、バッカルゲンは細かく細かく話を詰めてくる。


「簡単な話です。『いずれ、貴方とゲートは接触する』。それはゲートにとっても貴方にとっても『確定事項』……そうですね?」

「……でしょうね」


 魔宝を求めて旅を続ける以上、二度と見たくない顔でも、再び見なくてはならない時がいずれ来るだろう。ゲートの所持する『十三呪宝』、『次元門ザ・ゲート』は勿論、旅人も回収する気でいる。逆に、ゲートも旅人の所持する複数の魔宝を回収するつもりでいる。

 激突は必至である。


「ならば、『必ず会える相手』と『会えるか分からない相手』、どちらに『魔宝』を持たせたらいいか……答えは火を見るよりも明らか」

「いいえ、その言い分はおかしいですよ」


 旅人は即、その問題点を指摘する。


「『選択肢はその2つではない』。『貴方達が魔宝を入手する』、これが貴方達にとって、最良の選択肢のはず。この選択肢がある限り、貴方が僕を騙そうとしている可能性を否定できない」

「答えは簡単、『我々は弱い』からですよ」


 バッカルゲンは一切の間を置かず、返答する。


「我々では『怪盗カタヴェリゴ』を捕える事が出来ない。故に貴方をサポートし、魔宝を握ってほしいのです。貴方達でもきっと奴を捕えるのは困難でしょう。しかし、我々と手を組めば確率は上がる」

「……弱い?名探偵の助手が何を……」

「誤解なさらずに。我々は弱小ですよ。必死で、工夫を凝らして、何とかゲートの任務をこなしてきたに過ぎません。探偵業の成功もただの副産物、偶然ですよ」


 バッカルゲンは表情も変えずに、自分達の成功の秘訣を話しだす。それも全て警戒を解くための布石。


「我々……いや、私はただ『シチュエーション』を作るだけですよ」

「『シチュエーション』……?」


 旅人は首をかしげた。


「生き残る為の『シチュエーション』。こいつらは殺すまでもない、こいつらは無害だろう、そう思い込ませる事により生存確率を高める。相手の油断を誘う」

「それって僕に言っていい事なのですか?『演技』で騙してるという事でしょう?」

「それは誤解だ。実際に我々は『何もできない』。今、貴方が抱いたような『誤解』を解く……それが私の仕事です。先生……ゴーガンの見せているアレは演技でも何でもない、ただの素だという事を相手に分からせる、その為の『シチュエーション』づくりです。」


 バッカルゲンは『シチュエーション』を作る。それは自分たちが生き残るビジョンを作る事。自分達がより確実に生き残れる状況を作り出す事。

 今、旅人と接触して行っているのも、まさにその『シチュエーション』作りだった。


「何度も言うように私は『非力』です。だから私ではあの子を護れない。私はあの子を危険から護りたいだけ。その為に、貴方と手を組みたい。怪盗との接触を安全に終える為に」


 バッカルゲンは冷静な表情を少し崩し、真剣に旅人に語りかける。旅人は、この男はどうも掴みづらく、厄介な相手だと思った。しかし、今、自分に語りかけてくる目に、偽りは無いように思えた。これは旅人のただの勘であったが。


「……貴方は何故、ゲートについているのですか?あいつを良く思ってないような事を言ってましたが」

「…………私は『ゴーガン』の助手ですよ。私はあの子に仕えるのみ。あの子がゲートに付いていく事を望んだから、それを手助けするだけ」

「貴方にとって、あの子は何なんですか?」


 バッカルゲンは、真剣に、だが少し照れくさそうに言った。


「……大切な家族ですよ。事情はお話し辛いですがね……貴方が心の広いお方だと信頼した上で、この事情を話す事はお見逃し頂きたい」

「……よくご存じで。僕はゲートと違って心に余裕がありますから…………個人の事情には踏み込みませんよ」

「ありがとうございます…………して、協力のお話は受けていただけますか?」


 旅人はすっと手を差し伸べ、にっこりと笑った。先程までの皮肉たっぷり悪意たっぷりの笑顔ではなく、純粋な笑顔で。


「此方こそ宜しくお願いしますよ。どうやら情報量は其方の方が多いようですし、こちらに問題はないでしょう。裏切ったら、ゴーガンさんを僕が攫っちゃいますから、肝に銘じて置いてくださいよ?」

「あの子は手がかかるからお勧めしませんが……そういう御趣味をお持ちならどうぞご勝手に」

「趣味じゃないですよ!冗談!冗談ですって!」

「……冗談ですよ」


 バッカルゲンはふっと始めて明るい笑みを見せた。旅人の手を取り、がっちりと握手をする。そして、最後に、念を押すように確認をした。


「私は絶対に裏切りません。だから、あの子を危険から遠ざけて欲しい。それだけが私の願い」

「分かりました。信じましょう。では、そろそろ休みましょうか」

「……ではこれにて失礼」


 きちんと礼をして、部屋から静かに立ち去るバッカルゲンを見送って、旅人はベッドに腰をおろし、ふうとため息をついた。


「…………気になる事は多いですが、まあ、何とかなりますかね」


 勿論、ゲートの手先は信用できない。しかし、バッカルゲンというあの男には何か変わったものを旅人は感じていた。それは決して悪いものではなく、旅人はただ自分の中で何かに納得し、何度も頷いた。




     ***************




 ――――――――女子寮2階、ゴーガンの部屋




「流石は名探偵と言ったところか……何故分かった?」


 無表情で、口も動かさずに声を発する女教員に対し、ゴーガンはにんまりと笑顔を浮かべた。


「……んもー、そんなに堅苦しい挨拶は無いのでは?お久ぶり、月狐ゲッコウ!」

「……相も変わらず変わった奴じゃ」


 ずぶりと女教員の顔は歪み、その形を変えていく。生じた歪みは徐々に体にまで侵食し、見る見るうちにその形を別の人物のモノへと変貌させる。奇妙な黒い服を纏い、何よりも特徴的な狐の面を付けた『忍』、月狐ゲッコウがその姿を現す。


「何故、お前がここに居る?ゴーガン」

「それはこっちの台詞だよ。居るなら居るって言ってくれれば共同戦線を張れたのに~」


 ぶっす~と膨れて、普段の格好をつけた喋り方をすっかり解くゴーガン。それは見た目相応の、子供っぽい素振りだった。ごろごろとまるで猫のように、月狐にすり寄る。


「ところで何故分かった?わっちの『変化』を容易く見破るとは……」

「匂い!」

「犬かお前は……」


 適当に頭を撫でて、月狐は自分の上に乗るゴーガンを退かす。

 ゲートに仕える者として、月狐とゴーガン、バッカルゲンには当然面識がある。それも顔見知り程度ではなく、しばしば顔を合わせる事もあった。

 そして、何故かゴーガンは月狐にかなりなついている。月狐本人もその理由を知る事もなく、まあ子供は嫌いでもないので色々と接する事も多い。


「しかし、ゲートめ……わっちに面倒事を押し付けて置きながら……ゴーガン達と仕事を重複させるとは……馬鹿にしおって」

「え?いやいや、私達、勝手に来ただけだし。『怪盗』の捕獲の依頼でね。ゲート様には手紙で知らせて、特に命令も貰ってないよ?」

「……そうなのか」


 月狐は、ゲートを心酔するこの少女の前では極力、ゲートに対する明らかな敵意を見せないようにはしている。いずれ、『ゲートを消す』時は、この少女に恨まれる事は覚悟できている。しかし、その時はまだ来ないだろう、と月狐は思いながら何気なく少女の頭を撫でた。


「で、月狐は協力してくれるの?」

「……お前達が一緒にいたあ奴ら、何者か分かっているのか?」

「知ってるよ!わざわざ『迷子の振り』をして誘い出したの!隙を見て、魔宝を全部、ぶんどってやろうってね!『怪盗』を捕まえる手伝いもさせるし、一石二鳥でしょ?」

「……あまり欲張るなよ。……あと、わっちは『裏』で動こう。あいつらに見つかりたくないのでな。あと……無理はするな」


 月狐はそう言うと、地面に溶けるように沈んでいき、姿を消した。

 

 


     ****************





 ――――――――――翌朝、事態の変化に関係者達が気付きだす



「クロが…………いない?」


 旅人の部屋にやってきたロザが息を切らしながら、涙を目に溜めながら、それを旅人に伝えた。


「はい……!部屋が荒らされてて……学校を走って探したんですけど……どこにも……!」

「それだけでは無いようです」


 深刻な表情を浮かべながら、旅人を部屋に案内した男教員グレルがやって来る。彼も息を切らしているところを見ると、学校の捜索に当たっていたらしい。


「彼女の部屋の隣に居た教員……ネムラスも行方が分からなくなっています。部屋には同様に荒らされた後が。そして、夜中に奇妙な物音がしたと、近辺に部屋を持つ生徒から連絡がありました」

「…………しまった。クロが魔宝を追える事を奴は知っていたんでした……!」


 旅人は恐らく、この2人の失踪に関係している『怪盗カタヴェリゴ』の事を思い出した。


「奴が連れ去ったと?そんな事をする奴なのですか?」

「ええ、彼を甘く見ない方がいいでしょう」


 男教員グレルの問いに答えたのは、旅人の部屋にやってきたバッカルゲン。


「彼は何を考えているのかは分かりませんが……時にはこの上なく『非情』になる。『最悪の事態』は想定していた方がいいでしょう」


 『最悪の事態』。その言葉を聞いて、男教員グレルは顔を青くし、息を呑んだ。


 多くの人間は『怪盗カタヴェリゴ』を誤解している。

 人々が語り継ぐ『カタヴェリゴ』は、『不思議な力を持って、あらゆるモノを盗み出す』とか、『実は盗んだモノを貧しい人に分け与える』とか、『殺しは絶対にしない』など、どちらかというと『ダークヒーロー』のような存在である。


 しかし、『本当のカタヴェリゴ』はそんなモノでは無かった。彼を知っているバッカルゲンは語る。


「彼は『平気で人を殺す』。『盗んだモノはドブに捨てる』。何を考えているのかは分かりませんが……彼ほど『悪党』という言葉が似合う人間もそういないでしょう」

「まさに『魔宝の所有者』と言った所ですかね」


 旅人は苦々しい表情でつぶやいた。


「じゃあ……クロは……?」


 ロザが顔面蒼白で声を絞り出す。恐らく、バッカルゲンの言う『最悪の事態』を想像しているのだろう。聞いたものの、彼女はその答えが返ってくるのを恐れているようだった。しかし、バッカルゲンは彼女が聞きたくない答えを吐く事は無かった。


「それは大丈夫でしょう。彼女はその能力を警戒され監禁されたと言ったところでしょうか。お隣の教員の方も、目撃者として捕まっただけかと」

「何故、そう言えるんです……?先程は『最悪の事態』がと……」


 グレルは重々しく尋ねる。バッカルゲンは表情を変えずに答える。


「……ああ、申し訳ない。私が言いたかったのは『覚悟は必要』だという事。実際は高確率で彼女達は生存していると思われます」


 バッカルゲンは実際に見てきた、荒らされたクロとネムラスの部屋を見た上で、簡単な考察を述べる。


「部屋は荒らされていた……という事は彼女達は抵抗したんでしょう。彼が『殺す気』だったら抵抗する暇も無いと思いますよ?それに、荒らされてはいたものの、部屋には血痕や攻撃の痕は見つからなかった。まあ、推測の範囲を出ませんが、恐らくは無事かと」


 旅人も軽く頷く。彼と交戦した経験がある旅人は、少しながら『怪盗』の考えそうな事を予測できるようだった。殺してはいない。もしも、殺すのであればそれはもっと『目立つ』場面でだろう。それが『怪盗カタヴェリゴ』という男。


「まあ、こんな所で話していても仕方ありませんし、移動しましょう」


 旅人はぱたんと自分の部屋の扉を閉めると、その場に集まる全員に集合場所に行くよう促した。



    

     *************



 ――――――――――校舎3階 会議室




 学園長ストローガは明らかに焦っていた。気付けば学生達の間でも、客人と教師ネムラスが姿を消した事が噂になっていた。


「ゴーガンさん!何とかなりませんかね!」

「学園長。まあ、落ち着きなって!」


 男教員フェルマが苛立つストローガを宥める。


「わたくし、居なくなったクロさんも心配ですが、生徒も心配です……怪盗が何をしてくるか……怖くて仕方ありません」


 女教員ヘレンは不安げな表情を浮かべる。


「ええ、生徒に注意を呼び掛ける必要があるでしょう」


 男教員グレルもヘレンに同調する。


「それはどうかと思いますが」


 それを女教員ティアは否定した。


「元々、変に興味を持たせない為に生徒達には『怪盗カタヴェリゴ』の事を黙っていたのしょう。今、この事を伝えたら、興味を抱いて危険な行動に出る者が出るでしょう。怪盗の危険性も分かった今、黙って我々で解決するのが一番ではないですか?」


 ティアはつらつらと考えを述べると、ちらりとゴーガンの目を見る。それを見たゴーガンは軽く頷いて、バッカルゲンにちょいちょいと手で合図を送り、指示を出させる。


「……ならば、学内に詳しい教員の皆さんには学校内での行方不明者の捜索を。旅人さん、ロザさんは奴の狙う本の見張り、そして明日の夜に訪れるであろう怪盗の対策を。我々は2人の部屋などをもう一度調べ直します。なお、情報は学生には漏らさぬよう、宜しくお願いします」

「うむ、いいぞ、バッカルゲン君!流石は私の助手だ!」


 その場に居る全員がこくりと頷く。


「……あと、信頼のおける学生を1人、紹介して頂けませんか?色々と話を伺いたいので。それが完了したら、すぐに指示した配置に付き、行動を開始してください」


 バッカルゲンの指示の元、全員が動き出す。


 会議室から全員が立ち去ったのを確認して、バッカルゲンはゴーガンに声をかけた。


「先生、一応『協定』は結んでおきました」

「御苦労」


 ゴーガンはにんまりと笑顔を浮かべる。そして、立ち去ったメンバーの顔を思い返して、考えを張り巡らせる。鼻をすんすんと鳴らしながら、ゴーガンは首をひねった。


「う~む、足りないんだよね、バッカルゲン。『ピース』が」

「……『ピース』?何の話をしてるんですか?」


 珍しく意図しない言葉を言ったゴーガンにバッカルゲンは珍しくものを尋ねる。そして、彼女はバッカルゲンも予想しなかった返事を返す。


「怪盗の正体、あと一つ証拠があれば見つかるんだけども」

「正体……?」


 にやりと笑うゴーガン。その目は自信に満ちていた。


「やっぱりそうだ……怪盗は……あの中にいる!」

「本気で言っているのですか……?」


 バッカルゲンはその氷の表情を崩し、いつもは馬鹿で間抜けなゴーガンの意外なまでの自信や気迫に驚きを見せた。



「じゃ、聞きこみと行きますか……怪盗を出し抜く為のね」



 助手バッカルゲンでさえ、始めて見せられるものであろうその自信満々の推理劇。それを見せつける為、少女は鼻を鳴らしながら、すっくと立ち上がり、おもちゃのパイプを咥えた。




「名探偵ゴーガンの…………推理ショーのはじまりはじまり……!」




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