ジーナさんに代わって私がやります!
伏線の種蒔き、頑張りました。
……救けたのは良いけど、面倒臭い家と接触してしまったなぁ。
「父上、頑張ってください」
「ジークハルト!」
「同年代より動けても、まだ10歳の子供である事は変わりないので」
「あれ程の事をやっておいて……」
「事実です」
「やはり領主をや……」
「勘弁してください、父上。 僕は半分しか貴族の血が流れていないし、男子だけでも4番目ですよ。 継いだ場合に追加される苦労を考えると、ゾッとします」
色々とやらかした結果、親父の後継者ランキングで、俺はトップに踊り出してしまった。
遂には、内々に打診されたが丁重にお断りした。
それに万が一にも、正真正銘不慮の事故で、兄達が全員亡くなったりしたら、絶対に王家や貴族達は「不慮の事故」とは思わないだろうしな。
「……そうだな」
あれから約1時間後に王都に入ると、冒険者ギルドに向かった。
到着すると、予め馬車の中で着替えた俺は、馬車を降りてダナスとアザミを連れて冒険者ギルドに入る。
因みに、親父達は俺達を降ろすとタウンハウスに向かった。
「……王都の冒険者ギルドでも、当然の様に洗礼が有るんだな」
「そうだな」
「気にする必要は無いわよ」
「分かっている」
そんな事を言いながら俺達は受付嬢が居るカウンターに向かった。
適当に空いていたカウンターに着いた俺達は受付嬢に言った。
「討伐したオークを売りたい」
「畏まりました。 では、冒険者カードの提示をお願いします」
「はい」
俺は、準備していた俺の冒険者カードを出した。
誕生日を記入する必要は無いから、10歳の誕生日の1ヶ月前に冒険者登録をして、今はEランクになっている。
「貴方の冒険者カードですか?」
「そうだよ」
「……承知しました。 カードをお預かりします……処理が終わりました。
解体場はご存知でしょうか?」
「知らない」
「それではご案内いたします」
……綺麗な桃だな。
ガキの身長上、仕方ない視線だし、健全な精神を持っているから当然の認識だが、反論が有るのか?
転生したら本気を出す奴と違って、今の所は女性からの拒絶反応が出ていないから大丈夫だろう。
この後、解体場で今回討伐したオークを出して、また受付嬢と一緒に受付嬢のカウンター付近に戻る。
数分後に呼ばれて、また冒険者カードを出して処理をして貰い、オークを売った代金を受け取る。
「終わったし、屋敷に向かうか」
「そうだな」
「そうね」
異世界系ラノベの、冒険者ギルドのテンプレである「絡み」は無かった。
今回は言わば「公務」だから、ダナスは騎士鎧だし、左胸にはランフィリアの紋章を刻んである。
目玉が硝子玉でも無い限りは、突っ込んでくるバカは居ない訳だ。
「……って、突っ込んで来た馬車が!」
「氷結捕縛」
徒歩で向かっていたら、俺達に向かって箱馬車が突っ込んで来たが、アザミが冷静に対処して暴走馬車を止めた。
それで、馬車の主人が降りてきて謝罪と事情説明を受けた。
……どうやら、大きな音にパニックになった馬車の馬が暴走したのが原因みたいだ。
「……なる程な」
「私、この王都で商会をしております『ハロイド商会』のハロイドです。
お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「此方の方は、ランフィリア辺境伯様のご子息ジークハルト様だ」
「なんと! 改めてお詫び申し上げます!」
「別に構わないよ」
「ありがとうございます!」
「じゃあ」
「何か入り用の際は是非、私の商会をご利用くださいませ! 充分に勉強させて頂きます!」
「その時はよろしく」
「お待ちしております!」
ハロイド商会の馬車を横切る時に視線を感じたから見ると、馬車の窓から薄い紫の髪に鮮やかな紫眼の美少女が顔を出していた。
「きゃっ!」
そして、俺と視線が合うと窓から顔を引っ込めた。
……可愛い系の美少女だったな。
この後は、イベントも無くタウンハウスに到着したのだが、第2夫人の命令で俺は風呂に連行された。
旅の疲れを癒す為に翌日もゆっくり過ごし、次の日はヴィルナーグ公爵家の昼食の招待を受けているし、昨日、正式な招待状が届いていたのだが、この招待に燃えたのが、第2夫人のレティシアさんだ。
朝食を食べ終わって2時間後に、第2夫人のレティシアさんが吠えた。
「さあ、ジークハルト。 ジーナさんに代わって私がやります! 先ずは浴場へ」
「「「御意!」」」
レティシアさんに従うメイド隊に因って、俺はまた風呂に連行され、前回同様に「もう、お婿にいけない」と言いたくなるフルコースな洗い方を受けた。
……まだ10歳のガキな身体で良かったよ。
出来上がった俺に、レティシアさんの完全監修の下でフルコーデされて、親父と一緒にヴィルナーグ公爵家に向かった。
「ヴィルナーグ公爵。 本日はお招き頂きありがとうございます」
「ありがとうございます」
「良く来てくれた。 歓迎する」
さて、定型文な挨拶をお互いにした後は、応接室に案内され少し待っていると、メイドから「準備が整いました」と言われて付いて行くと食堂に到着して、俺達も席に着く。
「娘の命の恩人にするお礼としては細やかなものだが、楽しんで欲しい」
「ヴィルナーグ公爵、ありがとうございます」
「ありがとうございます」
何とか、王宮の年末晩餐会みたいな豪華な食事会を無難に回避したのだが……
「……信じられない!」
厳しくも温かいメッセージを待っています!
そして、星の加点とブックマークをお願いします。
確かめる術はありませんが、冒険者登録は10歳からと規則に記載されています。




