……何か、良い匂いがするな。
ちょっと、テンプレなBoy・meets・Girlから外してみました。
色々と口を出して手を出した結果、かなり財政が潤ったが、その大金を使って俺としては、先ずは長距離移動用の馬車から改造を始めた。
……都合良く、この辺境は交易都市だしな。
実は、この都市より東側には北にドワーフ族の都市が、南にエルフ族の都市が、東に獣人族の都市が存在する。
それで、この3つの都市にも協力を仰ぎ、前世の知識を使い、ドワーフ族にお願いして、スプリング等を作り地面からの振動等が来ない様にしたし、獣人族にお願いして、車輪にはゴムの様に耐久性が高いモンスターの皮を使ってタイヤを作ったりした。
勿論、馬車本体にも改造を施した。
木材を使う所はエルフ族にお願いして、樹木系モンスターのトレントを使って、糸はモンスターのシルクスパイダーの魔糸を使ったし、金具等はドワーフ族にお願いして魔鋼鉄を使い、窓ガラスは獣人族にお願いして、集めて貰ったスライムの体液を使い、地球の防弾ガラスみたいに耐久性を上げ、更に第2位階程度の攻撃魔法にも充分に耐える事に成功した。
そして、俺は家族にニヤニヤされながら、この馬車の作製の手順を書いた書類と、材料と職人を隣のトノエージ子爵へ送った。
送った人と物資がトノエージ子爵領に到着したみたいで、トノエージ子爵からお礼の手紙が届いた。
後、ニーナの手紙も届いたが、俺がニーナからの手紙を受け取ると、また家族がニヤニヤしていた。
「……何?」
「「「「「「別に~」」」」」」
「ふん!」
俺は自分の部屋でニーナからの手紙を読んだけど、真っ直ぐな気持ちの俺への感謝が書かれていた。
回想を止め、シルヴィアに聞く。
「後、1時間ぐらいか?」
「そうですね。 後、1時間ぐらいかと思……」
「誰か、救けてー!」
……救けを呼ぶ声!?
俺は魔力探知を広げると、進行方向に確かに人族の魔力反応が複数有るし、モンスターの魔力反応も多数確認出来た。
「父上! 僕が先行します!」
「待て、ジークハ……」
俺は親父の制止を無視して向かった。
「魔法矢」
オリンピックに出れば、ぶっちぎりなレコードを出す速さで到着すると、白系の豪華な馬車を襲うオークの群れが居た。
そして、俺と同じ年ぐらいのメイド服を着た美少女が白系の豪華な馬車の屋根に乗って、魔法に因る援護射撃をしていた。
俺も、直ぐに魔法で援護した。
「救けは要るか?」
「子供!?」
「そんな事はいい! 救けは要るか!」
「救けてくれ」
「分かった! 魔法矢」
俺は劣勢の所や離れているオークに魔法矢を放って倒すと、腰に差していた刀を抜く。
この刀もドワーフ族に協力して貰って打った刀だ。
「破!」
「Pugiー!」
「疾!」
「Fug……」
……約3分後に脅威は去った。
そして、親父達の馬車が到着した。
「……な!?」
親父は、白系馬車の紋章を確認すると、白系馬車に対して膝を突いた。
……親父が自分から膝を突いたという事は、相手の爵位が親父より上か!?
俺も親父の斜め後ろに行き、膝を突いて頭を下げた。
……何か、良い匂いがするな。
「救けて頂いたのは、私の方です。
ですから、立ち上がってください」
「は!」
親父が立ち上がったから俺も立ち上がる。
声の方を見ると、白系馬車の扉が開いていて、俺達の前に居たのは、馬車の屋根に居たメイド服の美少女ではなく、貴族令嬢のドレスを着た美少女だった。
そして、メイド服の美少女は斜め後ろに控えている。
「私達を救けて頂いて感謝します。 特に貴方は私達の命の恩人です。
私は、ヴィルナーグ公爵家の三女。
名はベルティア=メイク=ヴィルナーグです。
こちらは専属侍女のメイアです」
メイアと呼ばれた美少女は軽く会釈をした。
「私は、東の辺境を治めるラーグムング=フォン=ランフィリアです。
後ろにいるのは息子の1人で、ジークハルト=フォン=ランフィリアです」
「初めまして、ヴィルナーグ公爵令嬢。
ジークハルト=フォン=ランフィリアです」
「危ない所を救けて頂いてありがとうございます」
「いえ、当然の事をしたまでです」
「しかし、そのまま別れてはお父様に叱られます。
何か、ご希望はありますか?」
「いえ、滅相もない。 ヴィルナーグ公爵令嬢の足元の小石を排除した栄誉で充分。
それ以上は過分です」
……結構、拒否っているなぁ。
「……分かりました。 では、ヴィルナーグ公爵家の者として言います。
3日後の昼食に招待しますので、その予定でいる様に」
「……畏まりました」
「では。 後、周りのそれらの処理をお願いします」
「承知しました」
……ガラガラガラガラ。
「……ふぅ」
「ジークハルト」
「はい、父上」
「緊急事態とはいえ、単独で先行するな」
「申し訳ありません」
「それ以外は良くやったぞ」
「はい、父上!」
「ジークハルト、片付けてくれ」
「分かりました、父上」
俺は、亜空間収納の通称「倉庫」に討伐したオーク全てを仕舞った。
この「倉庫」は、約半年前にやっと使える様になった。
利便性は充分に識っていたから、使える様になって嬉しかったな。
それで、ご都合主義だが、この「倉庫」は無限容量に、時間停止に、リストアップ付きの完全チートスキルだ。
だから、リストを見るとオークが8匹追加で入っている。
それと、この「倉庫」に付いては、親父と母さんとシルヴィアは知っているし、同行した騎士達には悪いが、彼らには魔法誓約書で縛ってある。
処理が終わって馬車に乗り、移動を再開すると親父に聞いた。
「父上」
「何故、あれ程に……拒絶を?」
「うむ。 ヴィルナーグ公爵家は代々宰相職を世襲しているが、現在は更に財務大臣も輩出している」
「……なる程。 不敬ですが、王家に並ぶ権勢を誇っている訳ですね?」
「そうだ」
「確かに、それ程の権勢を誇っているのなら、我がランフィリア家としてはヴィルナーグ公爵家と繋がりが出来ると、無駄に敵を増やしてしまいますね」
「そういう事だな。 ジークハルトは、そういう事にも察しが良くて助かるな」
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