最後の言葉が、それで良いのだな?
矮小なエリート意識は、破滅への序曲。
カレンが、防具の改良が終わってから5日後にアレが起こった。
国王side
「国王陛下にご報告します。
偵察に行っていた者から、スタンピードかと見間違う程のモンスターの大群と、後方に魔人族共が居たという報告が入りました!」
「……遂に、来おったか」
騎士団と冒険者との連携の準備も出来ておる!
そして……
「直ぐに、彼らを召喚するのだ」
「は!」
ジークside
……俺達は、王城に召喚された。
「遂に来おったぞ」
「分かった。 王都の防衛力なら楽勝になるくらいに数を減らしておくし、魔人族は俺達に任せてくれ」
「期待しておるぞ」
エリーには戦闘訓練を受けて貰ったが、ゲーム的なレベルが足りない為に、今回は見学に近い扱いとなった。
「だから、自分の身は自分で守れよ」
「大丈夫よ。 これでも、大真面目に冒険者をやっていたんだから!
それに、皆と一緒に過ごす中で今まで以上に毎日が楽しいの!
だから、頑張るわ!」
さて、モンスター共の王都への侵攻が始まったが、俺達は少し離れた側面に待機している。
何故なら、王都の冒険者や騎士達にも見せ場を作らないと、俺の悪評がまた広がる可能性があるからだ。
モンスター共の侵攻だが、最初はゴブリンで、次がグレイウルフで、次がオークで、次がオーガで、次がトロールで、次がミノタウロスだ。
「この辺りで切るか」
「賛成よ、ジーク」
「では……竜滅閃光覇!」
アレを真似た紅い閃光が、ミノタウロスの後方辺りに着弾する。
「……ちょっと待って!?」
エリーの言葉を無視して、俺が放った攻撃魔法の成果を見ると、ミノタウロスは数匹残して消滅して、後ろを歩いていたサイクロプスの群れやキメラの群れに、レッサーベヒモスの群れに、魔人族の中でも先頭で歩いていた何10人かが消滅した。
「残りは強者だと思うが、遅れを取る様な奴はいないな?」
「当然よ」
「当然だよ」
「当たり前であります!」
「その様な者はいません」
「が、頑張ります」
さて、行きますかな。
「行くぞ!」
「「「「「はい!」」」」」
俺は、雷撃弾を雑魚の頭や、クリス達に当たりそうな奴らの肩や膝に放ちながら突撃する。
俺の雷撃弾を放ちながら突撃して近接距離になると、俺は刀を抜刀して次々に魔人族の首を斬っていった。
クリス達も遅れを取る事も無く、次々に倒していっているし、エリーも出来る範囲で攻撃魔法を放ってクリス達を支援している。
「危ない! 火矢!」
「助かったであります、エリー!」
「エリー、後ろ!」
「氷矢。 油断大敵よ、エリー」
「はい! ありがとう、リンさん」
……約37分後には、100人近くいた魔人族も、残りは黒幕らしき魔人族だけとなった。
「残りは、お前だけだ」
「……くふふふ。 まさか、人族如きが此処まで出来るとは、完全に予想外ですよ」
……今の台詞、昔を思い出すなぁ。
「最後の言葉が、それで良いのだな?」
「いえいえ。 此処まで頑張った人族への、私からの細やかな贈り物があります。
受け取って欲しいものです」
「贈り物?」
「ええ。 ……召喚、レッサーデーモン!」
「「GighaAaaaーーー!」」
「小賢しい!」
「「Ga……」」
「「「「「「……え!?」」」」」」
俺は、刀に高密度の魔力と雷属性を付与して、魔人族が召喚した最下級悪魔のレッサーデーモン2匹を一刀の下、斬り捨てた。
「テメエも、頭なら拳で来い!」
俺は、刀を納刀して「倉庫」に仕舞うと、自分の拳同士を叩いて言った。
「ジーク?」
……と、いけない!
テンション高くなり過ぎて、昔の自分になってた。
「ありがとう、クリス」
「どういたしまし……て?」
「……な!?」
最後の魔人族は驚愕している。
「ば、バカな! 最下級とはいえ悪魔だぞ!」
「さて、全てを話して貰おうか」
「下等な人族に話す言葉は持っておらぬわ!
炎槍!」
魔人族の炎槍を、俺は自身の魔力を高め全身に纏う事で、そよ風以下にした。
「……で?」
「そんな!? 烈風槍! 氷槍! 岩石槍!
……ぬうぅ…漆黒槍!」
同じ様に、俺にはそよ風以下に感じた。
「気が済んだか?」
「あ、あり得ない!」
「次は俺のターンだ」
「人族如きが……がっ……ぐはぁ……ぎぃ……」
俺は、最初の一歩の様に乱打を浴びせ魔人族の体力を削った。
「……ハァハァ……ば、バカ……な!」
「ジーク! 終わったの?」
「エリー、まだ危険だぞ」
「でも、何か虫の息だし……」
「貴様は実験体9号!?」
「実験体だと?」
「くくく。 生きていたとは都合が良い!」
「何を言っている?」
「貴様は、私が権力を握る為の踏み台となれ!」
最後の魔人族が意味不明な呪文を唱えた。
「……あ、ああ……あーーー!」
「「「「「エリー!?」」」」」
「ぎゃははは! さあ、目覚めよ!」
「あ……」
エリーの服が全て弾き飛び、心臓の位置から暗紫色の玉が内側から出現すると、それが光った瞬間に、エリーの身体が巨大化しながらモンスターへと変容していった。
エリーの頃の面影は一切無く、その姿は基本はゴリラの様な外見だが、顔はトラ、指先の爪はクマの様に伸びており、腕にはリザードマンやドラゴンみたいに鱗が生えていて、尻尾も生えているが、サソリの様な尻尾だ。
「GaAaaaーーー!」
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