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そして、俺はクリスと誓いのキスをした。

これで話が終わりかの様な感じですが、まだまだ続きます。

 


 俺は自室でのんびりしていると、控え目なノックの音がした。


「どうぞ」


 今や、我が家の俺の部屋の扉を、こんなノックをする人物は1人しか居ない。


「失礼します」


 入って来たのは、薄いガウンを着たクリスだった。


「どうしたんだ、クリス。 今日は旅の疲れを取る為に自室で、ゆっくりすれば良いと言った筈だよ」

「……」


 あれ、だんまり?


 ……良く見ると、薄暗いから分かり難にくいけど、鎖骨より上が赤くなっていないか?


「……嫁いだ者としての務めを果たしに来ました」


 そう言ってクリスはガウンを脱いだ。

 クリスの今の格好は、黒幕は俺、表向きはアルセリアさんが流行させた前世の洋風下着、つまり、紫色のレースを多用したブラとショーツに透け透けネグリジュを着たクリスが居た!


 ……クリスの肢体は充分にグラビア雑誌の表紙を飾れるプロポーションだった。


「クリス?」

「ジークハルト様に嫁ぎ、私は妻としての役目を果たす為に来ました。

 どうか、ジークハルト様も次期後継者としての務めを果たしてください」


 真っ赤になって震えているな、クリス。

 俺は、寝転んでいたベッドから上半身を起こし、クリスのスペースを開ける。


「おいで、クリス」

「……はい」


 クリスは、更に真っ赤になって震えながらベッドに上がり、俺の横に来た。

 俺はクリスを引き寄せ、上掛けでクリスの肢体を隠す。


「……!?」

「クリス。 無理をする必要は無いよ」

「ジークハルト様?」

「クリスの事は、父上から送られた手紙で簡単ではあるけど知っている。

 そして、クリスと共に学生として過ごした期間は1年間だけだし、その後の空白の約2年間がある。

 だけど、それでも、クリスの性格は知っているつもりだ。

 だから、クリスが自身の名誉を自分で傷つける様な事をしないって信じている」

「ジークハルト様……」


「もう結婚しているんだ。 ジークと呼んで欲しい」

「ジーク様」

「クリス。 何が有ったんだ?」


 クリスが話した内容は、ひねりの全く無い普通の乙女ゲームだった。

 そして、クリスも一生懸命頑張った結果、テンプレの悪役令嬢となり、ヒロイン役の男爵令嬢に注意を続けた事で、王太子と溝が出来て、最後は卒業式の後のダンスパーティーで、王太子から婚約破棄宣言と冤罪を被され、ヒロイン役の男爵令嬢と婚約宣言をした。


 そして、国王と王妃が居ない隙に、王太子がクリスに身分剥奪の上に貴族籍から外され、国外追放を言い渡した。

 多分、乙女ゲームのバカ王子を素で演じた王太子は、クリスを便利な下働き扱いにしたんだろう。


 そして俺は、前世の記憶持ちの影響で同年代や下の年代は、まさしく子供扱いしていた。

 だから、一生懸命頑張っていたクリスにとっては、俺は優しくて、頼りになって、支えてくれる兄の様な存在だった訳だ。

 そんな俺と居たから、たった1年しか交流が無かったのに覚えていたのだろうな。


 ゾフィーリア公爵はクリスに対して、上手く立ち回らなかった事には怒っていたけど、それ以外はクリスを大切に思っていたみたいで、クリスに今後の事で沢山出した案の中で俺との婚約も混じっていて、クリスは俺を選んだらしい。


 その後、事情を知った国王と王妃とゾフィーリア公爵と親父で話し合い、クリスの処遇は辺境で、のんびりしている独身の俺に白羽の矢が刺さった訳だ。

 王都からも離れているから、雑音も届かないだろうしな。


「ジーク様を、密かにお慕いしておりました」

「……そうか」


 そして、クリスを突き落とす噂が撒き散らされている為に、のんびりと婚約する余裕もなく、ゾフィーリア公爵が国王にお願いして俺との結婚を王命で決めた。


 親父も、俺が公私両方でクリスを誉めていたから、独身の俺にはちょうど良いと思って受け入れた。


「クリス、今日は疲れただろう。一緒に寝てあげるから、おやすみ」

「……はい、ジーク様」


 その後は、親父達と弟妹2人は領主館で過ごし、更に1ヶ月後に領地でクリスとの結婚式を挙げるのだが、その1ヶ月のあいだにエルフ国との国境付近でオークの大量発生が起きてエルフ国の人達と協力して討伐したり、その時に、想像以上の高スペックを発揮したクリスが縦横無尽な活躍をしたり、クリスが黒幕の仲間を殺して3日間苦しんだりした。

 更に、クリスとピクニック中に、赤銅竜ブラウンドラゴンが現れて、クリス姫を守る騎士の俺状態になり、単独で討伐して、今度こそ竜族討伐者ドラゴンスレイヤーの称号を授与されたりした。



 そして……


「汝は、クリスティーネ=ベルガ=ゾフィーリアを妻として愛す事を誓いますか?」

「誓います」

「汝は、ジークハルト=フォン=ランフィリアを夫として愛す事を誓いますか?」

「誓います」

「両者の結婚が、神の御名みなもと、認められました。では、誓いのキスを」


 俺は、クリスのヴェールを上げ、クリスを見つめる。


「クリス、愛している」


「ジーク、私も愛しています」


 そして、俺はクリスと誓いのキスをした。



 ……そして「その後、2人は幸せに暮らしましたとさ」で、終われば良かったのだが、異世界転生系の主人公がする様な困難が訪れるのは近い将来の、これからの話だった。




厳しくも温かいメッセージを待っています!

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