……答えられないのか?
まあ、こういうパターンも有るという事で。
ランフィリアに到着すると、南正門の詰め所でモルボルド盗賊団を渡して代わりに依頼達成書を受け取ると、冒険者ギルドに処理を済ませ報酬の白金貨1枚を受け取り、お姉さん達に金貨5枚ずつ渡す。
「「「……え!?」」」
「お姉さん達の分。 これからの生活で使って。
このお金で再起するも良し、新しい生活の元手にするも良し」
「ほ、本当に良いの?」
「ああ」
「「「ありがとう!」」」
「これから頑張って。 どうしてもダメな時は領主館に来てくれ。 相談ぐらいなら乗るから」
「「「……領主館!?」」」
「言い忘れていたけど、俺は、このランフィリアの次期領主」
「「「……!?」」」
「そういう訳だから、気軽に領主館に遊びに来なよとは言えないけど、真面目な相談なら聞くから」
「分かったわ」
「「分かりました」」
……やっぱり双子?
今更聞くのもアレだから、聞けず仕舞いでお姉さん達と別れた。
御者をリンに任せて馬車で領主館に向かうと馬車が急停止した。
御者とのやり取り用の小窓を開け、リンに聞く。
「どうした?」
「馬車の前に飛び出した者が」
「理由を聞いて」
「畏まりました」
約15分後にリンから報告を受けた。
どうやら、馬車の前に出た者は地上げ屋に立ち退きを迫られている宿屋の娘みたいだ。
俺はカレンに馬車を任せて、その宿屋に行ってみる事にした。
因みに、馬車の前に出たのは事故で領主館に向かう所らしい。
向かう途中で、簡単な質問をした。
「名前は?」
「リマ」
「地上げ屋は、何時から?」
「2週間前から」
「どんな事を言っていた?」
「領主様のご命令だって」
……ギルティ!
「此処の領主様は、そんな事はしないよ」
「でも、なんか命令書を見せていたよ」
……重・罪・確・定!
「俺達、領主館で働く人に知り合いが居るから、話を確認して伝えてあげるよ」
「本当?」
「ああ、本当だ」
「良かったー!」
宿屋に到着して、リマの姿を確認した宿屋の女将らしき女性がリマに抱き着いた。
「リマ!」
「お母さん、苦しいよ」
「ごめんなさい。 それより大丈夫なの」
「うん。 それよりもね」
「リマ、後ろの方々は?」
「初めまして。 冒険者のジークだ」
「ジークの仲間のサラよ」
「同じく、リンです」
「……はぁ」
「リマさんの話を聞いて、確認したいと思って来た」
「それでね、領主館に知り合いが居るんだって」
「本当ですか!」
「本当だ。 だから、話を聞かせてくれないか?」
「はい」
話を聞いてみると、普通にやっていたら急に「領主様のご命令で立ち退け!」と言ってくる輩が現れたらしい。
それからというもの、毎日では無いが、度々来て立ち退きを迫ってくると。
自分達の力で宿屋を始めたから立ち退きたくないが、領主様のご命令を無視するのは危険だと思って立ち退きに気持ちが傾いていたと。
「この話にウソは無いな?」
「ありません」
「本当だな?」
「はい」
……と、確認した所で、その地上げ屋が来た。
「おらぁ! 立ち退く気になったか!」
「待て」
「ガキ、誰だ?」
「俺の事はどうでも良い。 それよりも、立ち退きを迫るのは何故だ?」
「この都市の領主様からのご命令だからだ」
「それは本当か?」
「本当だ!」
「その証拠は?」
「これが領主様からの命令書だ!」
確認すると……いや、確認するまでもなく偽造したものだった。
「……はぁ」
「なんだ、その態度は! オレ達は領主様のご命令で動いているんだぞ!」
「それなら、その領主様の名前は?」
「……名前だと?」
「……」
……答えられないのか?
俺の名前どころか親父の名前も言えないのか?
……アホらしい。 さっさと終わらせよう。
「確定な」
「何を言……ぐはっ!」
「このガキ!」
この後、地上げ屋共のボディに一撃入れてから拘束して、アジトの場所を吐かせると、衛兵を呼び連行させた。
「ちょっと、黒幕を潰してくるな」
「大丈夫なのですか?」
「大丈夫なの?」
「大丈夫」
「……」
色々と不安を抱えている2人を置いて、俺達は黒幕の場所に向かった。
因みに、宿屋の親父さんは最初の段階で抵抗して怪我を負い療養中で、リマにお兄さんが居るが、そのお兄さんは冒険者登録をして生活費を稼いでいるみたいだ。
黒幕の居る場所に到着したが、2階建ての4LDKぐらいの大きさで、看板を飾っていて「土地相談所」と書いていた。
入ると、外見だけは人の良さそうなオッサンが笑顔で現れた。
「ようこそ、土地相談所へ。 今日はどの様な用件で」
「大きな話を持って来た。 責任者は居るか?」
「……」
怪しんでいるから、白金貨5枚を「倉庫」から出すと、オッサンは慌てて奥に行ったが、この白金貨5枚は「倉庫」に仕舞った。
「初めまして。 土地相談所の会長のバレテルでございます」
「会長のバレテルに質問だ」
「今、とある宿屋に立ち退きを請求してみるみたいだが、知っているな?」
「勿論ですとも」
「領主様のご命令書も預かっているとか」
「本当の事でございます」
……何、あっさりと認めているんだ?
「言質は取ったぞ」
「……は?」
地上げ屋共のアホさに、面倒臭いと思った俺は、問答無用でボコして拘束して衛兵達を呼び丸投げした。
当然、衛兵達には俺の身分を明かした。
厳しくも温かいメッセージを待っています!
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