つまり、証拠は無いって事だな?
連鎖!
とりあえず、買いに来たら邪魔な奴らが居るから排除する事にした。
「何が有った?」
「この店はな、商品に虫を入れて売っていた!」
「その証拠は?」
「証拠なら、この虫の足だ!」
「そうか。 その虫が商品から見付けた証拠は?」
「「「「……は?」」」」
「だから、その虫が商品から見付けた証拠は?」
「だから、この虫の足が……」
「確かに、手に持っているのは虫の足だが、それが商品から見付けた証拠は何処だ?」
ちょっと違うが、悪魔の証明ってな。
それに、監視カメラも無い異世界で、証拠なんぞ、有る訳が無いからな。
「……ガキは黙ってろ!」
「つまり、証拠は無いって事だな?」
「……こ、こんのガキがー!」
「ダナス」
「おう」
「「ぐふっ」」
漫画みたいな立ち回りで、クレーマー2匹はダナスに因って沈んだ。
「今日の残りの営業時間は?」
「……え!? えっと……5時間です!」
「ちょっと出るからな」
「は、はい!」
クレーマー2匹を引き摺り店から出ると、少し離れた路地裏に行き、気絶しているクレーマー2匹を叩き起こして、洗い浚い吐かせてアジトに行き制圧した後、裏帳簿等を全て徴収する。
とんぼ返りで先程の店に行き、俺は「此処から此処までを買う」をする。
……店員が若干引いていたが、俺は気にしない。
お菓子を買うと屋敷に帰り、最初にレティシアさんの所に行った。
「どうぞ」
「失礼します」
「どうしたの? ジークの方から来るなんて」
「はい。 実は、ちょっとしたお土産を手に入れたので、贈ろうと思いました」
「あら? 婚約者のニーナ様やジーナさんじゃないのかしら?」
「はい。 これはレティシアさん専用です」
「分かったわ」
ちょっと訝しているが、俺は裏帳簿等を差し出す。
「……これは!?」
「ちょっとした事で、潰したから持って来ました」
「後、もう1つ」
「あら、本当?」
「はい。 先程のはレティシアさんの実家への贈り物で、これはレティシアさんへの贈り物です」
そう言って、先程買ったお菓子を出す。
そして、お菓子を視認した瞬間に、レティシアさんの専属侍女が動いた。
「このお菓子は?」
「以前、頂いた資料に記載されていた店から買ってまいりました」
「嬉しいわ、ありがとう」
「喜んで頂けて、僕も嬉しいです」
そして2分後に……
「レティシア様、紅茶をご用意させて頂きました」
「ありがとう」
この後、軽く雑談をして退室した。
「まあ、これで悪が1つ滅びた」
「良かったですね、ジークハルト様」
先程まで空気に徹していたシルヴィアが返した。
「そうだな。 シルヴィア、買ったお菓子を配るぞ」
「はい、ジークハルト様」
因みに、レティシアさんの異母兄弟姉妹達は末っ子以外は独立しているし、末っ子は王立学園に通っているから無い。
配り終わると自分の部屋で……
「ジークハルト様。どなたか、お部屋に来られるのでしょうか?」
「いいや」
「では、誰の……」
「シルヴィアの分だよ」
「私の……ですか!」
「ああ。 メイド達にも配ったのに、僕の専属侍女であるシルヴィアの分が無いなんて、可笑しいだろ?」
「そうですが……」
「ほら。 自分の分も用意したら座りなよ」
「……はい」
この後、シルヴィアのメイドスマイルじゃない、素の笑顔を久し振りに見た。
翌日は身体を動かそうと、先ずは冒険者ギルドに行ったら、前回のゴブリンの集落の壊滅報酬を受け取った。
報酬額は、大金貨3枚だったよ。
「それとジーク様、ギルドマスターに喚ばれています。
この後、お時間はございますか?」
「大丈夫だ」
「ありがとうございます。 ではご案内いたします」
3階のギルドマスター用の応接室に通されて待つ事10分後に、ギルドマスターが入って来た。
「済まないな」
「それで?」
「実は、君達に頼みたい事がある」
「Cランク冒険者になったばかりのガキにか?」
「そう言うな。 冒険者ギルドでは難しい案件を抱えていてな。
そこで、君の実家……正確に言えば、第2夫人レティシア様との繋ぎをお願いしたい」
どういう事かと詳しく聞いたら、王都に色々と犯罪に手を染めた商会があり、その商会がやっている犯罪に冒険者ギルドに悪影響を与えているらしい。
それで、打破すべく犯罪の証拠は冒険者ギルド側で揃えるから、レティシアさんの実家の権力を使って潰して欲しいとの事だ。
因みに冒険者ギルドの悪影響とは、優秀な冒険者を金で引き抜きをしているらしい。
それで、その商会の名前と場所を聞いたら、俺達は笑ったよ。
「その商会なら、昨日潰した」
「……は?」
「だから、俺達が潰した」
「しかし……」
「勿論、犯罪の証拠となる裏帳簿等は、レティシアさんに渡してあるから、早ければ今日にでも動くんじゃないか。
実際、朝早くレティシアさんが外出したしな」
「……そうか」
ギルドマスターから、込み込みで金貨1枚を渡されて解放された。
俺達は1階に降りると、冒険者が出入り口の扉を乱暴に開けて叫んだ。
「大変だ! はぐれが現れた!」
はぐれ……とは、何らかの原因で、本来の場所から単独で移動したモンスターの事だ。
問題なのは、大抵が強力である事。
最低でも、Aランク冒険者が6人以上必要になる場合が多い。
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