その1「読者目線の感想と作家目線の感想」
感想書くだけじゃもったいない。
いっそ、作品にできないかな?
そういう企画です。
「白河さん、ついにこの企画、書く気になったんですか」
俺の部屋のリビングで、担当の編集者がはしゃいでいる。
ちなみに、コイツは電波新聞社発行「マイコンベーシックマガジン」に出演していた「編」と書かれた顔をしている。
人間の顔、じゃない。「編」と書かれているんだ。
おれの目からはそう見える、だけなのは、よく知っている。
精神異常じゃないとは思う。
どっかの薬屋の爸爸が、そんな事を言っていたと記憶している。
「企画したのが25年前だもんな」
「ですよね。元は『白河夜舟の感想講座』ですもんね」
「余計な事は言わんでいいよ」
自分の名前を冠する作品。
ん-さすがに、おこがましいよな。
で、逃げで『二流作家』とかにしてみた。
大して変わらないか。
「で、レコーダー置いて、白河さんにあれこれ語って貰って、ぼくが原稿起こしすればいいんですね?」
「そ。これだと簡単に作品ができるでしょ」
「手抜きって言われそうですけどね」
「なんでもいいよ。たくさんの人に読んで貰おうとか考えてないし」
全く、このタイトルで読む気になるのは、関係者だけだと思う。
誓って、そう思う。
じゃあなんでこんなの書こうと思ったのか。
それは…
「あ、もう始めてもいいですよね?」
「そうだな」
こういうことは、「作品の中」で言わないと、意味がないからな。
~ ・ ~
編集「はい、始まりました緊急企画。皆様いかがお過ごしでしょうか?」
白河「どうも、二流作家の白河夜舟です。よろしくお願いします」
編集「記念すべき第一回は、読者目線の感想と作家目線の感想、です」
白河「はい、そうですね」
編集「白河さん、他の作家様への感想を書くの、大好きですもんね」
白河「はい、まあ、そうですね」
編集「なろうのマイページで“書いた感想”を見ると、凄い量ですよね」
白河「ン、そうかも、知れませんね」
編集「いや、そうなんですよ。もう、感想王を目指したらいかがですか」
白河「それは、遠慮します」
編集「なんか、ノリが悪いですね。もしかして、緊張してます?」
白河「いや、どうも普段と勝手が違って。ホントは長文書きたいんだけど」
編集「書けばいいじゃないですか」
白河「今の時代の流れとして、こういう短い文の方がいいんでしょ?」
編集「まあ、そうですけど、中身が薄いと、離脱されますよ?」
白河「いや、まあ、それはそれで。
感想は、短くてもオッケー」
編集「お、なんか、講座らしくなってきましたね」
白河「まあ、一応、そういう作品だからな」
編集「短い方が好まれるんですかね?」
白河「ん-、書き慣れるまでは、その方がいいかもしれない」
編集「と、いいますと?」
白河「作家さんの返信の反応を見ながら学んでいけるからな。で、やり取りに慣れると、そのうちあれこれ書きたくなってくる」
編集「例えば?」
白河「明らかにオカシイ展開に突っ込みたくなる、とか」
編集「あぁあ、白河さん、そういうの得意ですもんね」
白河「い、いや、やろうと思ってるわけじゃないんだけどね」
編集「読んでる方は、そうは思いませんよ?」
白河「読んでて、ここはこうだろう、ああだろうは、思っちゃうでしょ?」
編集「はい」
白河「それを、素直に書いているだけなんだけどなぁ」
編集「それを、ツッコミというのでは?」
白河「いやまあ、そもそもツッコまれるモンを書く方に責任があると思う」
編集「それ、言っちゃうんですか」
白河「まあ、直接は言えないしなぁ」
編集「(言ってるじゃん)調子出てきましたね」
白河「そ、そうか?(照れてる)」
編集「(照れるところじゃないだろう、大丈夫かコイツ)」
編集「で、ここはオカシイよ、という所を直せ、と?」
白河「ん-そこまでは言ってないかな。言ってないつもりです。
自分はそういう風に読めたよ。参考にしてね?
位ですね」
編集「なるほど。でも作家さんはキツイ事言われたと、感じませんか?」
白河「作家は全員一国一城の主だからな。攻めだと思うこともあるだろな」
編集「攻め方による、ということですか」
白河「いや、なにも攻めてない責めてない。感想、あくまでも感想だから」
編集「いやぁ、攻められた責められたと感じちゃうんでしょ?」
白河「作家は、感受性が高い事も大切でね。そういうのに敏感なんだよ」
編集「(鉄面皮の白河、のクセに?)そうなんですね」
白河「なので、感想を書く時には相手に合わせて手加減匙加減は大事な事」
編集「なるほど。さて、お時間が来たようです」
白河「もう終わり?」
編集「はい。今日の講座はここまでに致しますね」
白河「短いね」
編集「はい。ラジオで、隙間を埋める5分番組、ってコンセプトなんです」
白河「へえ」
編集「そもそも、もう3500字超えてますよ」
白河「こんなもんで?」
編集「はい。なので、いけそうならシリーズ化しちゃいましょう」
白河「まあ、これならいけそうか」
編集「(自分で考えた企画でしょうに)では、今宵はここまで」
白河「ではまた―」
~ ・ ~
「こんなもんでいいか?」
「とりあえず編集してあげてみます。読者の反応は、期待しないで下さいね」
「まあ、それはないわ。ジャンルはどうするんだ?」
「適当に考えますが、迷ったら相談します」
「よろしく」
編集が帰ったあと、晩飯の支度をしながら、タイトルと内容が嚙み合っていないのではないかとか、ちょっと考えてみた。
でもまあ、画面で見えないと、作家としての編集能力が働かないな。
あとは、オチをどうするか、だな。
以前に、偉そうに「オチを付けたら良いのではないか」と助言したことがあったな。
アイツ、今でも元気で戦っているんだろうか?
こんなオチでいいんだろうか?
あ、締めの台詞は「では、次回も聴いて下さいね」だったな。
(続く、のか?)
改行問題に悩みますね。
これ、スマホで読んだらガタガタになる気しかしない。




