学術都市・東京区における交通・産業・施設
学術都市・東京区における交通・産業・施設
学術都市・東京区は、東京湾の人工島群に建設された日本最大の学術都市であり、能力者の教育・研究・居住を一体化した特区である。都市の総人口は約250万人に達し、都市機能は東京23区と直結している。交通網・商業施設・産業区画は、学術都市としての性格と、国際都市としての性格を兼ね備えている。
■ 交通機関
□ 鉄道
学術都市・東京区は、外部の東京23区と高速鉄道・地下鉄で直結している。
・東京湾環状高速鉄道(Tokyo Bay Loop Line)
人工島群を一周する環状鉄道。各主要区画(居住区・商業区・産業区・学園区)を結び、都市内部の基幹交通となる。
・学園中央線(Academia Central Line)
東京駅から東京区中央キャンパスまで直通する特急路線。通学・通勤に利用され、朝夕は満員となる。
・地下連絡新幹線(Sub-Sea Shinkansen Connector)
羽田空港・品川駅から東京区に直通する海底トンネル式の新幹線。国際便との接続を意識して建設された。
□ バス・自動走行車両
・AI自動運転バス網:都市全域をカバーする完全自動運転バス。各寮・研究棟・実験区画を直接結び、学生と研究者に優先利用権が与えられている。
・オンデマンド交通:専用アプリで呼び出す無人電動シャトル。能力者による突発的事故に対応するため、ルートは常時変更可能。
□ 港湾・空港
・東京区国際港:国際貿易拠点としての役割を持ち、研究物資や企業製品がここを経由する。危険物・Λ細胞関連資材の検疫施設が併設されている。
・ヘリポート・浮遊滑走路:上層部や世界均衡機構の幹部専用。緊急時には東京23区への迅速な避難ルートとなる。
■ 東京23区との接続路
東京区は、東京湾の外縁部に位置し、複数のルートで東京本土と接続されている。
・東京湾海底トンネル群:道路・鉄道・物流専用トンネルが並行して敷設。一般車両は制限され、登録済みの許可車両のみ通行可能。
・ベイブリッジ延伸部:首都高速湾岸線の延長として、学術都市に直結する高架橋。学術都市専用の料金所・検問所が設けられている。
・臨海軌道連絡橋:ゆりかもめやりんかい線と直結する新交通システム。学生や研究者の往来に多用される。
接続は厳格に監視され、外部の一般人が無許可で東京区に立ち入ることは不可能である。
■ 代表的な施設
・中央キャンパス都市核:学園の中心にある高層ビル群。学長府、国際研究所、Λ細胞収容庫などがここに集約される。
・研究隔離区(Restricted Lab Zone):都市の東部にある封鎖型実験区画。陽性変異体や高危険度能力実験が行われるため、立ち入りは厳禁。
・学生居住区(Dormitory District):都市内に点在する大規模寮群。商店街や小規模な公園が併設され、事実上「学生の街」となっている。
・監理局本部:対異能監理局の東京区拠点。都市の治安維持、能力犯罪への即応部隊を統括する。
・国際展示複合施設(Tokyo Equilibria Dome):国際会議や異能競技大会が開催されるドーム型施設。外交の舞台としても利用される。
■ 商業・産業区
【概要】
東京区は教育・研究都市であると同時に、日本有数の産業都市でもある。国内外の大手企業が参入し、能力者を利用した新技術の実証実験を行っている。
□ 代表的な進出企業
・三菱重工・NEOエネルギー部門
能力者による発電・変換技術の社会応用を研究。都市の電力供給の一部は能力発電によって賄われている。
・東芝フューチャーシステムズ
AI監視網・自動交通システムを提供。都市全域の監視カメラは同社製の制御システムに接続されている。
・ソニー・ニューメディア研究所
能力者の認知能力を応用したVR・AR開発を推進。学園の教材や模擬戦システムの多くに採用されている。
・ファーストリテイリング(UNIQLO都市型店舗)
全学生向けに「能力者専用衣類」を提供。燃焼・冷却・衝撃などに耐性を持つ新素材を実験販売。
・グーグル日本法人(Google Equilibria Project)
世界均衡機構と共同で「能力予測アルゴリズム」の開発を進行中。都市データを収集・解析し、変異体の暴走を予測する。
・中国・華為技術(Huawei Japan)
学園内通信インフラの一部を担当。ただし情報流出の懸念から監理局との対立も多い。
□ 産業区の特色
・能力特化型実験都市として設計されているため、産業区では「能力+既存技術」のハイブリッド産業が展開している。
・能力労働市場が形成され、学生・研究者が短期契約で企業実験に参加することもある。
・経済的には東京23区以上の急成長を遂げているが、同時に能力犯罪の温床にもなっている。
■ 社会的事情と問題点
1. 経済格差:能力を持つ学生は企業に高額でスカウトされる一方、非能力者学生は待遇が劣る。
2. 監視社会:商業施設や企業研究棟も含め、都市全域に監視網が張り巡らされている。
3. 国際的摩擦:海外企業の進出に伴い、スパイ事件や技術流出が頻発。福岡区と並び、国際犯罪の温床となりつつある。
4. 治安維持:対異能監理局の即応部隊が巡回しているが、都市規模の拡大に追いつかず、局地的な能力犯罪は後を絶たない。




