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第1話 神様にチートスキルを貰うよね。

 前書いていた小説が自分の中で破綻してしまっていると感じたため、新しく似た設定で異世界物を描くことにしました。よろしくお願いします。


追記:冒頭の部分を修正しました。

 神室透(かむろとおる)、35歳、160センチ、体重60キロ。見た目は若々しいが、中身は苦労知らずのアラフォー。彼は男女比率が1:9の職場で、日々の人間関係のストレスと戦っていた。事務職という仕事は静かだが、彼にとっては毎日が戦場だった。


 透は、誰もが部門内の派閥争いに巻き込まれるのを避け、中立を保つことで、職場での平和を保とうとしていた。しかし、その平和は常に脆く、彼は疲弊していた。


 女性とお付き合いした数はそれなりに多いが、透はなぜか結婚する気にはならず、結婚を希望していた女性たちは愛想を尽かして離れていく。そんな付き合いを繰り返していた。


 ある金曜日の夕方、普段より早めに仕事を終えた透は、ホッと一息つきながら帰宅していた。しかし、彼の日常は突然、破られた。通りを横断している最中、彼の前に突如として飛び出してきたトラックが見えた。透の反射神経で、隣にいた小さな女の子を押しのけたが、自分は間に合わず、トラックに撥ねられた。


 目を覚ますと、彼は異様に白い空間にいた。そこは天国か、それとも——



「ん?ここは天国かな?白い部屋にいるみたいだ。」


 透はこの部屋が赤かったから、フラッシュ動画で見た、誰も出られないホラーな部屋だなと思っていた。


 1人でくすくす笑っていると、白い空間に血のような赤い染みがにじんで、真っ白な部屋が赤い紅い部屋に変わっていく。


「え?え?いやいや確かに赤い部屋は想像したけどさ。本当に変わることはないじゃん?ちょっと待って。ホラー映画はダメなんだよ!怖いわけじゃないけどね!!本当に怖くないんだからね!?」


 最後はツンデレお嬢様みたいになってしまった透。どっからどう見てもホラーは苦手だ。


「私、メリーさん。赤い部屋の前にいるの。」


「ちょっ!?赤い部屋にメリーさんはホラー属性盛りすぎですよ!?」


「私、メリーさん、今あなたの後ろにいるの。」


 透がガタガタ震えながら、恐る恐る後ろを振り向くと血に染まった衣装を着た長い髪で顔が見えない長身の女の人がいた。


「イヤーっ!!!!!!!!赤いあかああい貞子おおおおおお!!!!!!!!」


 透は叫びながら、気を失った。口から泡を吹いて、ブルブル震えながら。今思いだしてもブルブル震えるな。


 30分後、爆笑する純白の服をきた大人のお姉さんと膨れっ面の透が椅子に座っていた。


「あっははははは!突っ込みながらあそこまでいい反応をしてくれると驚かせがいがあって。気合い入れちゃったのよ。ごめんごめん。」


「だからといって神様が貞子の格好して、後ろにいるなんておかしいでしょ。赤い部屋にメリーさんに貞子は全然違うし。属性盛りすぎでしょ。ブツブツ……」


「そもそもねえ!ここはどこです?トラックに轢かれたのにいつの間にか白い部屋にいるなんて、まるでラノベの異世界転生と同じじゃないですか。ちょっとちがうけど。」


 透はキャンプ動画も見るが、ラノベやアニメの異世界転生ものが好きだった。()()なほどに。


「あらあらあなたもラノベとかアニメとかみるのね。そうよ、あなたはあの少女を助けて命を落とした。ただあの子は地球のある神の加護を受けていてね。その神から神子を救ってくれたことに対して、何かお礼をしたいということで私に相談が来たのよ。ああ申し遅れたわね。私の名前は女神ミリオニア。ミリアってよんでね?」


 ウィンクをしてくる大人のお姉さんの、Fカップはある豊満なおっぱいをチラ見しながら、これが大人の余裕かとくだらないことを考える。だがいうことは決まっている。


「なるほど。僕は神室 透です。それなら僕を異世界転生させてください。現世に生き返らせて欲しいなんて言いませんから」


「あら、話が早いのね。私もそのつもりだったのよ。わかってるとは思っているけど、生き返らせるのは無理ね。死んだという事実が確定しているし、体がグチャグチャよ、今の透は、魂だけの存在で天界の私の部屋にいるってわけ。」


 そうみたいだ。透は案外冷静だった。異世界転生させてくれ、という要求も白い部屋にいると気付いた時から決めていた。どこか()()()の様なものさえあった。まるで昔同じことがあったかのように。


 そこからトントン拍子のように話は進み、どのような条件で転生させてくれるかの話になった。


「まずは年齢ね。今は35歳だけど、18歳にしてあげる。人間の寿命なんてあっという間だものね。地球の神からの頼みもあるし、異世界翻訳言語スキルもあげるわ。私が管理する異世界『アナザークラウド』のあらゆる文字も読み書きできる様にしてあげる。」


 これはありがたいな。勉強はそこまで得意じゃなかったし、いちから覚えるのは面倒だ。もらえるようにこちらから働きかけるつもりだったよ。


「あら透?異世界でも勉強は必要よ?当然じゃない。」


 これは今更だが心を読まれてるな。もはやテンプレ、天ぷら食べたい。


「なんで、そこで天ぷらの話になるのよ。1文字違うじゃない。」


「異世界にも天ぷらはあるのか?」


「ないわよ、地球に比べたら文化も技術も巨人族とミジンコの差よ。剣と魔法はあるけどね。」


 やっぱり剣と魔法はあるのか、興奮してきたな。


「あんた、見た目はまだまだ若いけど、中身はおっさんね。ちょっと呆れたわ。見た目は年相応にして、ついでに身長も伸ばしてあげようかなと思ったけどやめるわ。」

 何故だ!?とある有名なお笑いコンビのネタを口にしただけじゃないか!身長は伸ばしてくれ?見た目はおっさんでいいからさ!


「ダメよ、私はしょt、いや身長が高くないほうが好みなの。見た目は若くしてあげるけど、絶対身長は変えないわ。」


 エッッッド!!!この女神、絶対ショタコン属性じゃん。ニヤニヤしてやがるし。で、でも身長が高くて、おっぱいも大きいお姉さんにヨシヨシされながらそ、その。ああもう、顔が赤くなる。クソっ!女性経験はそれなりにあるはずなのにどうしてこんな動揺しているんだ。今思えば、歴代彼女はみんな身長が高かった。よく、ヨシヨシされたのはあいつら全員おねショタ好きだな!?今更気づいた。


「あー、話が進まないから、先に話すけど、有能なスキルもあげるわ。あと、あなたの大好きな赤ちゃんプレイもしてあげるわ。」


 この後、めちゃくちゃバブバブした。あー知能レベルが赤ちゃんまで戻るバブ。


 思う存分、透と女神はプレイを堪能した後、話し合いに戻ることにした。


 透は転生先の場所はどこがいいと聞かれ、人里から離れた森がいい、と言うと、ミリアは溜息をつく。


「そんなに人見知りじゃないくせに、テンプレに沿おうとするのね。まあいいわ。誰もいない土地っていうのはアナザークラウドにはないからそれでもいいわね?」


「それでもいいよ。スキルは何がもらえるんだ?」


 ミリアがくれると言ったスキルは鑑定,アイテムボックス、錬金術だった。といういか、透が森で悠々自適なスローライフをしたいと言ったのでこのような構成になった。スキルの詳細は転生後、自分で確認しろと言われてしまった。まあ人から言われて覚えるよりも自発的に見て覚えたほうがいいかと納得する。


 戦闘スキルはもらえなかったが、レベルとステータスという概念が異世界アナザークラウド)にもあり、鍛錬すれば、戦闘スキルが習得率やレベルの伸びがはやくなり、経験値が通常の1.5倍になる天賦の才能というスキルがもらえることに。魔法については、スキルは与えないが教えてもらえれば使えるようになると言われたよ。


 最後にミリアからお楽しみがあると言って、白い部屋をでると、ルーレットがあった。


「あれはまさか、東京フ○ンドパークのパジェ○か!?」


「一眼で見抜くとはさすが透ね。」


「でもあのルーレット、境目がほとんど見えないし、何が書いてあるかわかんないんだが……」


「それはそうよ、1兆個以上あるスキルから厳選して、1千万くらいにしてあるんだから。はい、これダーツ。」


「ちなみにどんなスキルが大当たりなんだ?」


「そうね、よくあるやつだと、聖剣使いとか大賢者とか聖女とかかしらね。ああ、催眠術師、とかもあるわね?」


 ニヤニヤしながらミリアが言うと、その時に透に電流が流れる。



 お前、テンプレチートスキルとかに混ぜて、薄い本が厚くなるスキルを混ぜて言うな!!だがそのスキルがあれば絶対にお姉さんに勝てない体質の俺でも、もしかしてえ!!絶対、取るぞ!催眠術師!


「パジェ○!パジェ○!」


 うおおおおおおおおお!!!!この一投に全てを賭ける。唸れ!!俺のダーツ!一千万分の一をつかめええええええ!


 ダーツがパジェ○に突き刺さる。ルーレットが刺さった先に見えたのは『催眠術師』!!!うおおおお!!勝った!第一部 完!!


 だが、ミリアは不満そうな顔をして、ルーレットを見たと思ったら、一瞬でダーツの位置がズレていた。そこに書いてあったのは『錬菌術』。


 こいつ、多分神様のなんでもありみたいな能力でダーツをずらしやがった!!透は怒りに燃えて、ずんずんとミリアに向かって、進んでいくといきなり床が抜けた。お、落ちる〜


「あらあら、急に落とし穴ができちゃったわ。じゃあ、アナザークラウドでも頑張りなさい。透バブちゃん?」


「バブ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」


 こうして、透の異世界転生が始まる。








「危ない危ない、冗談で入れておいたスキルを本当に当てるとはねえ。まあ今度あったら、『催眠術師』あげてもいいかもねえ。透ならびびって悪用できないでしょ。」


 ミリアは1人呟くと、自分の仕事に戻るのであった。



 小説をいつも読んで頂きありがとうございます。面白かった、また読みたいという方は高評価やブックマークをお願いします。作者の励みになります\( 'ω')/


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