表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/13

第2話

「ただいま戻りましたわ」

「おかえり! 私の可愛い可愛いアリー」


 いつもアリシアが屋敷に帰ってくると、アランが抱きついてくる。『アリー』と呼ぶのは親しい人だけだ。


「ちょっとお父様。暑苦しいんです」


 スラッとした長身の細身で、歳を取っているにも関わらずの美男子振り。もう三六歳にもなるのに、何故か歳を取らない風貌のせいで、未亡人やら令嬢からのラブコールが凄い。

 たしかにキラキラと光るプラチナブロンドにアメジストの瞳。どこか守ってあげたくなる、母性本能をくすぐる仕草。これが計算ではなく地なのだから、我が父ながら凄いと、アリシアはいつも感心してしまう。

 それに細身なのに、その下は筋肉が凄い。巷では細マッチョと言うらしい。

 アリシアもまた、そんなアランの顔立ちと髪の色、亡き母から受け継いだサファイアの瞳を受け継いでいる。まだ十六歳なのに婚約者がいないアリシアには、是非伴侶にと申し込みが来ているが、結婚なんかしなくてもいいと思っていた。


「今日のパーティーはどうだった? いい殿方は」

「いません」

「そうか! いなかったか! そうか!」

「旦那様。喜んでどうするんですか」


 アランを嗜めるのは、ルフィナ公爵家に代々仕えている家令のダリウス。

 ダリウスもすでに四十歳を超えているはずなのに三十代、いや二十代後半にも見える。自分も歳を取ったら、若く見えたままなのかな。そう言えば祖父母も歳の割に若く見えていた。もしかしてこれもある意味ルフィナ家の血のせいなのか。その血のせいで配偶子も、いつまでも若々しいのかもしれない。想像したアリシアは、何とも言えない気持ちだった。


「でも我が家では、幼い頃に運命に出会うんですよね? 父上。本当にアリーは会ってないのかい?」


 兄のヴィンセントが顎に指を当てながら、首を傾げている。プラチナブロンドに少しタレ目で、その目元に泣きホクロがある。甘いマスクにその仕草は、世の令嬢たちの庇護欲をそそり、甲高い悲鳴を上げのるのだ。そんな諸々の仕草を計算もせずにしているのは、アランの血が流れているからなのか。恐ろしい。


「アリー、本当に子供の頃に誰かを助けた事はないのか?」

「お父様、お兄様。もう何千回も言ってますけど、な、い、です。これはもう、我が公爵家の役目は終わりという、ご先祖様からの知らせでは? とりあえず疲れたので今日の報告を」

「そうだな。どうだった?」


 最近、このユニテア帝国内で麻薬が持ち込まれ、平民に少なからず影響が出ていた。

 王命で麻薬使用者には、厳罰か死刑執行をされる御触れが出たのが半年前。それでも手を出す人間は後を絶たない。

 それが平民だけではなく、貴族たちの間で出回り始めたのを危惧した皇帝陛下が、ルフィナ公爵に密命を下したのが先週だった。


「面白かった!」

「続きが気になる、読みたい!」

 と思ったら

 下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。

 面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!

 ブックマークもいただけると本当にうれしいです。

 作品作りの参考にしますので、何卒よろしくお願いいたします

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ