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第11話

 イカサマで間違いはないけど、そう思うなら早く手をひけばよかったのに。アリシアは、今日の勝ち分と持ってきたお金を次の勝負で全部かけた。


「お客さん、いいんですか?」

「ええ。大丈夫ですわ」


 ルーレットゲームで掛けたのは赤。他の人たちは、黒に掛けた。そして玉は赤の上に止った。


「!」


 全員が赤に止った事に、驚いた様子。いちおうこの地下には、魔法が使えないように結界が張られてはいるけど、少ない魔力しか持っていない人間が作ったものはアリシアにはオモチャみたいなお粗末な物だった。

 今の人たちは、ほとんど魔法が使えないからこれで大丈夫だと考えての事だろう。それにしっかりした魔法禁止用のものを張れる人間なんて、早々にもういないのもある。


 イカサマ、そして今、同じテーブルについているのはほとんどがサクラ。黒に止まるはずが赤に止まれば、そりゃあ驚くわよね。アリシアは「あら、今日は凄い額が手に入ったわ」と白々しく言った。

 その後も、ほとんどのゲームに勝って店を出た。

 馬車はいつも通り、離れたな所に待機させてある。違法賭博でかなり稼いでしまった。どこに寄付をすればいいか。孤児院に病院、とにかく福祉関係を優先しよう。ふとアリシアは足を止める。店からずっと付けてきてる人間いる。

 そんなに勝った事が気にくわなかったのか。砂利を踏む音が、複数聞こえた。


「お嬢さん。さっきあの店から出てきたよな?」


 出てきたもなにも、あんたたち店から付けてきて、なんなら店の手先でしょ、と分かっていても「さあ」と短く答える。


「まあまあ。俺たち、知ってるんだぜ? あそこは空き店舗ってなってるが、中では違法な賭け事が行われてるってな。そこでだ。今日儲けた分を出してくれれば、お嬢さんを傷をつけずに帰してやる」


 そういう事か。あっちの意に反して利益を出した人間をこうして帰り道で襲って、資金の回収をしていたのか。どこまでも腐ってる。でもきょうの儲け分の使い道は決めているから、大人しく従うつもりはアリシアにはない。仮にそうでなくても、アリシアは従うことはない。


「なんの事しょうか? もしあなたの言う通り、そのお店で違法賭博をしているなら、通報をされればよろしいではありませんか」


 姿を現したのは五人。か弱い令嬢にわざわざ五人でくるなんて、馬鹿じゃないの? でも護衛を考えての人数かもしれない。それでも五人か、アリシアのテンションは少しだけ上がっていた。


「は? 何を生意気な事を言ってやがる。とにかく今日の金を出しやがれ! でないと、その綺麗な肌が傷つくぜ?」

「そう。できるものやってみなさいな」

「おい! やれ!」


 まるで三文芝居みたいな流れだなと、アリシアは背後から動きを止めようとしてきた小汚い男の鳩尾を、肘で思いっきり殴った。


「グハッ!」

「汚いんだけど」

「大人しくしてりゃあ、金をだしゃあいいんだよ!」


 鳩尾を食らって態勢を崩した男のこめかみに、止めを刺す意味合いで蹴りを入れる。

 アリシアはドレスを捲りあげ、脚にかくしていたナイフを取り出す。左方向から襲ってきた男の腹にナイフを迷う事なく、当たり前のように刺した。

 次に胸元に隠したあった小型銃を取り出して、数秒遅れてアリシアに襲ってきたもう一人の男の腹に撃ちこんだ。

 残りの男二人は、あり得ないといった顔で動きを止めてしまっていた。


「あと二人。早く襲っておいでよ。あーーあ、血が着いちゃった」

「な、なっ! クソ!」


 残り二人が同時にアリシアに襲いかかってきた。あーー楽しい! アリシアは向かってきた二人をギリギリまで引き寄せる。そしてふわりと羽が生えているみたいに回転しながら飛び上がり、男二人の背後に立った。そしてそのまま急所を外してナイフを二人に素早く刺した。


「あ、グッ!」


 呻きながら男たちは膝をついて倒れた。


「なんとも手ごたえがないじゃない。準備運動にもならない」


 ハンカチを取りだし、血の付いたナイフをふき取る。

 アリシアのサファイア色の目は、今は血よりも濃く鮮やかに夜の街で光っていた。


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