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第10話

 前日、目星しい賭博場を見つけたとアランに報告したアリシアは、宣言をした通りに賭博場に来ていた。

 カードゲームにルーレット、大金を掛けた倍以上の金が勝って手元に入って来た。ソファで休憩をしていたアリシアの元に、店に案内をしてくれた男が話しかけてくる。


「お嬢様。凄いじゃないですか! かなり勝ってやしたね」

「ええ。もう癖になるわね。今日はまだ少ない手持ち金額で始めたのに、何倍にもなったわ。どこの店でも上限は法律で決まっているでしょ? だからやりがいがあるわ」

「へ? 今日はまだ、少ない手持ちで?」

「ええそうよ。もっと持ってくればよかったかしら」

「ぜ、ぜひ、次に来店される時は!」


 うれしそうな顔腹が立つわ。そう言えばとアリシアは聞き忘れていた。


「あなた、お名前は?」

「俺はドレイクともうしやす」

「ドレイクさん。本当のお名前? それともいくつかある中のお一つかしら?」

「まあ、細かい事は気にしないでくださいよ」


 という事はやはり偽名か。この男がトビーの可能性もある。それにしても本当にこの男の嬉しそうな顔に腹が立つ。どれだけの人間を苦しめてきたのか。

 とにかくモークリー男爵が通っていた裏賭博場はここで間違いはないだろう。そうなると、次は麻薬との繋がりか。昨夜付けた蝶によると、この店のオーナーらしき男を会っていたのは分かっている。

 男はデイズと呼ばれていて、考えていたような見た目ではなかった。細身で身なりがいい紳士で、誰が見ても警戒はされないだろう。だからこそ、かもしれない。

 デイズにも蝶を付けているが、麻薬に関してはまだ情報が掴めていていない。はあ、もう少し長引くかな。アリシアはドレイクの口臭に、鼻をつまみたくなるのを我慢して、その日は店を出た。


 翌朝、執務室にいるアランに違法裏賭博場を見つけた事と、その賭博場を仕切っているデイズという男に蝶を付けた事をアリシアは伝えた。

「それでお父様。地下賭博場には貴族たちもいたの。私同様に仮面を付けていたけど、蝶を付けて身元がわかったの。これが一覧」

 書き出した爵位は男爵家から公爵家まで幅広くあるが、あの場にいたのは令息か令嬢だった。

 領地経営が上手くいっている貴族もいれば、そうでない貴族もいる。


「これは、中々な名前がいるな」

「はい。これは昨夜いた貴族たちなので、全員ではないと思う」

「分かった。ここに書かれている家は、私のほうでも調べおこう」

「あとこの男だけど」


 アリシアは蝶の映像を部屋の中も映し出した。


「この男が、違法賭博場を仕切っているみたい。王都の北側で貸金業をしているの」

「わかった。証拠などが揃ったら、一斉に摘発しよう」


 その言葉に、思わずアリシアから笑みが零れる。


「動くのは騎士団だぞ。アリシア」

「えーー私も参加がしたい。暴れたい」

「暴れるのはダメだろ。暴れるのは」


 そう言いながら、アランは呆れた顔をしていた。

 違法賭博場に顔を出さなくなる、というのはできず、アリシアは数日おきに賭博場に通っていた。

 ここ数日のうちに、この違法賭博場もデイズも騎士団によって制圧されることになっていた。

 ここに通い始めて最初のうちは勝っていたけど、最近は負けが多くなっている。ゲームは思った通り、イカサマで行われていた。ちょうど隣のテーブルでは、大損した貴族らしい男性が「こんなのイカサマだ!」と叫んで暴れ、大柄な男たちに引きずられて別室に連れて行かれた。


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