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64.5

平和なお散歩のはず!な回


読み飛ばしても大丈夫です

 今日の散歩は、なーにかなー?


 今回はアリナーデ王女のお散歩にルーズが加わってから2回目の夜の散歩お助け隊である。


 業務内容は、主にアリナーデを守ること、それからルーズを悪い虫から守ること、の二点。

 簡単だが面倒くさい非常に厄介な仕事である。


 仕事の難易度はランダム設計。何が出てくるかはその日次第。おかげで準備もさせてもらえない。

 ブラックな仕事である…影だけに。



  城の裏門から何が出てくるか祈りながら見つめる三つの影。今日は珍しく祈りが通じたのか猫を抱えて出てきたルーズを影たちは視認した。


 今日は当たりだ。

 程よい大きさである。難易度は低めだ。


 猫なら空は飛ばない!良かったー!


 前回の散歩でスカートのまま空中を歩いたルーズを一番心配していた影は安心した。

 そしてよくよく見ればルーズはズボンを履いており、王子にうるさく言った自分偉い!とガッツポーズをした。




 今日は簡単嬉しいなっと黒いマントをつけた可愛い猫と公爵令嬢の2人が歩くのを眺めた。

 こういう時は1匹と1人になるのか2人なのかどっちだ?喋ってるし2人?…よし2人でいっか。



 広場に向かうのかなー?

 道を掃除しに先回りっと…



 2人が通る道に殺気だった動くゴミを見つけてしまった。久々に出会うゴミを影はポーンと弾いた。

 ゴミはその辺に捨て置けないので縛って城に連絡。

 


『こちらお散歩隊。ゴミ回収願いまーす』


 城から回収係が来るのを待ちながら他にもゴミがないかチェック。うん大丈夫そう。


 迅速にゴミは持っていかれ、綺麗な道が作られたあとに楽しそうに話しながら2人がやってきた。完璧だ。


 


 今日は平和に任務完了である。



『ご苦労。

昨日君たちが捕まえてくれた刺客は、下っ端だったようだ。何の情報も持ってなかった上に自害した』


 影たちは、予想通りの言葉にまぁそうだろうと頷いた。自分達も捕まったら同じことをする自信しかない。


 残念がっている王子に悪いが、刺客なんてそんなものだ。下っ端のフリして死ぬ、それが最善策。



『ああ、そういえば。ルーズがズボン動きやすかったと喜んでいたよ。私考案ということになっていたからお礼を言われた』


『そりゃ良かったすわ』


 そうかルーズさんズボン喜んでたか。良かった良かった。


 これで報告は終わりかと思ったが王子の『ありがとう』が聞こえない。

 えー何?と思ったら胡散臭い笑顔のルディアシスが『さて、では次は』とか言い出した。



『なぜ2人はびしょ濡れで帰ってきたのか?説明しろ』


 あー。


 影は目を泳がせた。

 まぁ2人も広場の噴水で泳いでたんですけどね?


 なんて説明しようか悩んでいたら、仲間の1人が勇気を出して言った。


『アリナーデ様がぴょんぴょんと走り回っているうちに気分が良くなったのか噴水の一番上に飛び乗ろうとなさったのです』


 広場の噴水は昼間の間しか使われていない。夜は水が止まっている。噴水してないだけで水は残っているが。


 王子は眉間に皺を寄せて『それで?』と。不機嫌そうだ。


『飛んだはいいが、高さが足りず池に落ちました。ルーズ様が助けるために飛び込みました』


 実は慌てて飛び込むルーズを見て、影たちは池に"落ちた"と初めて認識した。あまりの跳躍のなさに自ら池に飛び込んだと思ったのだ。

 その後2人の会話を聞き、どうやら噴水の彫刻の上に行きたかったらしいというのが分かった。分かるわけがない。猫がルーズに『見てて!』と言って飛んだのだ、池に。だから我々も見てた。


『という事故です』


 俺ら悪くない、と言い切った。

 3人でそうだそうだと頷いた。あれは仕方なかった。



 だがしかし許されなかった。めちゃくちゃ怒られた。

 理不尽すぎる。王子もあの見事な飛び込みを見れば納得だったはずだ。

 


 平和に終わったと思ったが、今日もやけ酒が必要だった。



『あれは絶対ジャンプじゃない!ダイブだった!』

『『そうだ!分かるわけがない』』



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