44.5
間話
影は苦労が多い話
読み飛ばしてokです
おっ今日はルーズさんと初めてのお散歩かぁ。
今日もアリナーデの夜のお散歩を陰ながら見守る影たち。ルーズの護衛任務も追加されたが、敵からより貴族に絡まれた時の対処がメインらしい。
本人強そうだから大丈夫だそうだ。楽ちん楽ちん。
城の屋根から歩くルーズたちを見守る影は、鞄から飛び出すアリナーデを見て感動した。
『おお!妖精かーいいっすね』
光ってくれて分かりやすい、と。
虫の時は本気で籠にいれてやろかと思った影たち。あとで王子にめちゃくちゃ文句言ったら、虫の夢を見るなんて可愛い妹だろう?と相手にされなかった。
遠くから見守る人間の立場になってほしい。小さいんすよ!
その点、妖精は素晴らしい。小さいが淡く光って自分で居場所を知らせ、あんまり早く動かない。鳥は早かったから疲れた。
妖精最高。
あー今日は楽ちんだなー
なんて呑気に城から貴族の屋敷の屋根に飛び移りながら見守ってたら、護衛対象のルーズが突然浮き上がり、次の瞬間には自分たちの頭上にいた。なんで?!
うわあーりえないっすわ。まじで
下にいたはずの人間が屋根にいる自分より上にいる。理解し難い。
サボる気満々だった影3人は気を引き締めた。護衛対象に見つかるは一生の恥!!先輩部下に馬鹿にされ続ける。
逃げるが勝ち!!
さぁ逃げるぞ!と動こうとしたところ、ルーズは風の魔法で飛んでるのか早く逃げたい影の1人にちょっと風圧が当たっていた…変に動いたら感知されるのか不明なため動けない。
どうしようか考えている内に、他の影2名は逃げていた。多分公園に先回りをしたのだろう。
くそっ近くにいすぎたせいで失敗したー!!
じっと耐える。
早く行かないかな…お、動いた!
ちらっと所在を確認すると影はぎょっとした。ルーズのスカートがひらっと浮いているのである。
まさかっ!
下から丸見えーーっ!?
ルーズさんそれはないっすわー!
影は考えた。
本人に注意ができないならばやることは…………決まった。幸いルーズ達はこのまままっすぐ公園に向かうらしい。よし。
望遠魔法具や記録魔法具がルーズ達の動線にないか確認しに走る。
あーこの屋敷は屋根の上に魔法具あるのか…まっいっか。失礼しまーす。えい!っと角度を変える。
次は…とう!落とした。
次……と、ルーズ達の安全を確保したのだった。
ルーズさんやっぱちょっと抜けてんなーー
はぁー……頑張るしかないかぁ
ルーズが加わったことで、簡単なお仕事になるのでは?と影たちの中で期待されていた夜のお散歩隊だったが、結局は難易度変更なし。と報告された。
『ふんふん。
ほら、やっぱり護衛対象が増えても大丈夫だっただろう。
しかし妖精か。可愛かっただろうな、アリナーデの妖精姿を見られたのだからお前たち良かったな』
ルディアシスは、影からの報告に満足した。影3人は嫌な顔をし続けたが王子はにこやかに、『ありがとう(さっさと戻れ)』と返す。
影たち3人は今日も王族への愚痴で一夜飲み明かし、また来週頑張ろうと励まし合った。
『来週はどうにかズボン履いて欲しいっすわ〜』
『まぁなぁ。……それより俺は来週も光っててほしいわ』
『『それなーっ!!』』




