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14.5

金物屋の店主視点の間話。

読み飛ばしても影響ないです。

 金物屋の店主は、外の刃物が並べられている店先に人がいるのに気がついた。


目元が赤ぇし、よく見りゃ髪もボロボロの女が笑いながら刃物を見ている…


 大丈夫だろうか、心配してカウンターから出て見ればどえらい可愛らしい貴族のお子様を拘束していやがる。


 まさか自分が心血注いで研いだ刃物を犯罪に使う気か!?と全身の毛が逆立つが、犯人は貴族を捕まえて刃物の近くにいるため急に動くことはできない。


 相手に気づかれないように、そっと足音を消し一歩、一歩と近づく。


 聞こえてくるのは、話し声だ。

 ヤベェ女に『騒ぐな!』とでも言われているのだろう。


今助けますから!お待ちくださいませっ!!!



 全神経を使いバレずに扉まで来れた。後はドアを開けて、


『ルーズはこの包丁の使い方分からないの?』


『そうですね、私料理しないんで』

『そうなの。じゃあ何かしらね』


 ドアを少し開けた時に聞こえてきた会話は、犯罪とは程遠そうな平和な内容だった。


 あれ?と思う店主。なおも聞こえるのは『危ないので触らないでくださいねぇ』のんびりしたボロボロの女性の声。


……







『珍しいものに興味を持ったね、知らないのも無理はないよ。これはドラゴンの鱗取りに使う包丁だ』


 そう言うと貴族の子供の方は目をキラッキラさせてまるで俺は教師の先生になった気分だった。

 女性の方も出来のいい生徒のように礼儀正しくお礼をしてきた。


 鬼の形相をドアの前でしまいこみ、店主の顔で出てきて正解だったらしい。


あっぶねーーー!!

普通の?買い物中かなんかの奴らだったわ。


 後ろめたすぎて、普段なら危ないと追い払うが好きなだけ見ていいと許可を出しちまったじゃねぇか。


 ちらっと振り向くとずいぶん楽しそうだ。





…まぁたまにはいいか、と店主は上機嫌でカウンターに戻って行った。

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