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117.5

城に呼び出された金物屋店主の話。


読み飛ばしても大丈夫です。

 この日の朝は曇が多かった。嫌な感じの色をした空に、今日は良いことはなさそうだとあくびをした。



 なんとなく調子が良くない…歳だろうか。


 金物屋の仕事は割と暇だ。

 月の半分を商品を作ったり依頼品を調整や研いだりし、もう半分は店の椅子に座る。


 今は店の椅子に座り、全世界噂紹介誌を読んでいたところ。お客が来ることはあまりない。たまに急ぎの料理人がくるため念の為店を開けているだけだった。


 ふむふむ、遠い場所にあるニンジャの国は跡目争いに負けると一族全て他国に売られる…はぁそりゃ可哀想に。

 なになに?しかも秘密を話さないように奴隷契約があると噂される…ってひでぇことをしやがる国もあるモンだ。


 それからそれから?と楽しんでいたところ、店のドアが突然開き、なんの説明はなく『来てください』と言われて馬車に詰め込まれた。


 馬車が一等区を過ぎたあたりで、あれこれ死ぬかな?と覚悟を決め、目を閉じた。



 次に目を開けたら、まだ生きていた喜びで感謝の祈りを天に捧げてしまった。


 目の前に座ったのは普通そうな男性。城の勤め人のようだった。

 あれ?やっぱり死刑宣告かな?

 研いだ包丁が事件にでも使われたのかもしれない…その刃物が貴族を切り裂いたのかもしれない。うちのは切れ味がいいからな…最悪の想定が頭を駆け回る。



 が、予想に反して自分が呼ばれた内容がどうでもいい話で拍子抜けだった。


 そういえば、と雑談ついでにあのボロボロの女性はどうなったのか心配していると言えば『あー迷子を保護してくれた女性なら、今は元気ですよ』と教えてもらえた。

 良い子そうだったから、笑って過ごしているなら良かったと言うと勤め人は意外そうな顔をしていた。

 あの女性はちょっと話しただけで分かるくらいすげぇ良い子だったんだと教えておいた。


 話を終えるとすぐに解放された。

 行きは気付かなかったが、すげぇふかふかの馬車に乗せられて送迎されていたらしい。手土産までもらい夢みたいな時間を過ごした。


 さらに褒美も後日くれるっつーんだから、この国はドラゴン好きでもいるのか?



 あの2人のおかげであの料理人に話を聞いといてよかった。またこの国に来るって言ってたが、会えるといいが。




 あ。そういえば


 逆鱗を壊すと、暴れるって言い忘れたな。



 まぁあのちっこいドラゴンが暴れたくらいじゃ問題ないか…




 はぁ、明日も暇だといいな。



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