Chapter1-2・1-3【彩夏選択】
みなさん、こんにちは。
ミカナと申します。
この度はこの輝く君と願い星を見ていただきありがとうございます。
もし誤字とかこうしたらいいんじゃないのかのアドバイスがありましたらコメントのほうをよろしくお願いします。
Chapter1-2
紗星「・・・にしても何年振りなんだ?天の川を直に見れるの。」
あの後零士たちと別れ家に帰り必要なものをもって俺はいつもの展望台に向かった。いつもの天体観測だけど、今日は何年ぶりの晴れの日で天の川を見れるからと浮足立って急いでいた。
そして、いつもの展望台に着いた。ふと、何か違和感を覚えた。その違和感・・・そこには、先客がいた。そしてその先客は先ほど七夕祭りで俺と良治の前を通っていた女の子がいた。
紗星「あの子って・・・」
?「誰・・・?」
透き通るようなきれいな声、でもどこか寂しそうな声色をしたその子が声をかけてきた。
紗星「あー・・・俺は諸星紗星だけど・・・君は?」
?「私?私は七星夕だよ。」
紗星「えーと・・・七星さんはどうしてここに?」
夕「どうしてって・・・星を見にきたんだよ・・・諸星君は?」
紗星「あー、まあこの荷物を見てもらえばわかると思うけど、俺も星を見にというより天の川を見に来たんだ。」
夕「天の川を?」
紗星「うん、何年ぶりかの天の川だからそれを見にね、それに普段からここで星を見ているからさ。」
夕「諸星君は星が好きなんだね?」
紗星「そうだな・・・まぁ子供っぽいよな。」
夕「そんなことないよ、すっごくいいことだと思うよ。」
紗星「あ、ああ・・・ありがとう。」
夕「ふふっ。」
出会ったときの少し哀しげな雰囲気は見間違えたと思うぐらい明るい雰囲気になっていた。
夕「ねぇ諸星君、少し星について教えてほしいのですが。」
紗星「いいけど、星を見ているだけだからあんまり詳しいことはわからないよ。」
夕「ううん名前だけで大丈夫だよ。あそこの、三つの星たちについて教えてほしいな。」
紗星「ああ、あれは夏の大三角形と言って、簡単に言うとデネブ・ベガ・アルタイルっていうんだ。で、それぞれはくちょう座・わし座・こと座のそれぞれ一つの星が三角形のようにつながって見えるからってことで大三角形って言われているんだ。でこれらは夏の間しか見れないから「夏の」っていう単語がついているんだ。」
夕「ほかにもあるの?」
紗星「冬の大三角形なるものもあるけど、今の時期は見れないかな。」
夕「そうなんだ・・・きれい。」
そうつぶやく七星さんをみて、君も十分きれいだよって言いそうになったけど、さすがに初対面の子に対してさすがにそれはキモイと思ったから言わないでおく。
夕「どうかしたの?」
紗星「いや・・・何でもないよ。」
そんなこんなで俺は七星さんと話を続けた・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・
紗星「ん・・・ああ、もうこんな時間か・・・それじゃあ七星さん送っていくよ。」
夕「え?大丈夫だよ。ここから近いしさ。」
紗星「いや、もしものことがあったらこっちもいい思いはしないからさ。それに・・・」
夕「それに?」
紗星「あーいや、何でもない。とにかく送っていくよ。家はどこらへんなの?」
夕「えっと・・・いいの?」
紗星「別にいいよこれぐらい。」
夕「うん、えっとね・・・」
そうして、俺は七星さんを送っていった。
その帰り道も星のことについて七星さんから聞かれ自分がこたえられる範囲で答えていった。
夕「ここが、私の家だよ。」
と話している内に七星さんの家に着いた
紗星「へーここが・・・あれ?あそこにいるのって?」
と俺が指をさすと、七星さんの家の前に立っている男性がこちらを向いた。
夕「あ、天星。」
天星「夕、ずいぶん遅かったな。心配したんだぞ・・・」
夕「ごめんなさい、少し諸星君とお話をしていて。」
と七星さんがこちらを向いてそう言うと、天星と呼ばれた男性がこちらに来て
天星「君が夕を送ってくれたのか?」
紗星「え・・・まぁそうですけど。」
天星「・・・・」
紗星「あ、あの・・・何か?」
ち・・・近い!
天星「どうして送ってくれたんだ?」
あ・・・圧が・・・
紗星「どうしてって・・・そりゃあ、暗い道を女の子一人で返すなんてできないし・・・俺の星を見る趣味を否定しなかった子だからっていうだけのことだけですけど・・・」
まぁ他にも一つあるけど、それ以上に星のことを一生懸命聞いてくれたから送っていこうって思ったわけで、決してやましい気持ちはないし単純に暗いところを女の子一人帰らせるのはな・・・
天星「・・・そうか、ありがとうな。」
紗星「あー・・・どういたしまして・・・・」
夕「もう、天星。いきなり威圧的な態度はだめだよ?」
天星「む・・・すまんな。だがもしこの男が下心があって送ったのならぶちのめしているところだったよ!」
ガッハッハッと笑いながらその天星は七星さんに謝っていた。一方の七星さんは天星さんを少しじっと見つめていた
夕「それより、あいさつしないと。あ、諸星君この人はね私の保護者の天星!」
天星「すまんな、坊主。私の名前は天星じゃ、今は訳があって夕を預かっていて、ここにこの星売アクセサリー店のオーナーをやっている。」
紗星「はぁ・・・」
確か星売アクセサリー店って最近女子に人気のあるアクセサリー屋だっけ・・・俺も何度か訪れようと思ったけど大学の連中もちょくちょく来るから行けないでいた。デザインがおしゃれで評判らしい、まぁ俺の場合は星が関係しているからってものだけど・・・
夕「で、天星。この人は諸星紗星くんで私に星についていろいろ教えてくれた人。」
紗星「あ、はい・・・諸星紗星です。」
天星「紗星君か・・・よろしく!」
紗星「はぁ・・・」
天星「ところでなんだが、紗星君。」
紗星「なんですか?」
天星「実は最近店が繁盛しているのに対し店の店員がわしと夕だけで人員不足なのだよ。」
紗星「まぁ、この店の評判は聞いていますからわかりますけど・・・」
天星「単刀直入に言おう・・・」
紗星「・・・・・・・はい?」
Chapter1-3
天星「紗星君・・・君に店の手伝いをお願いしたい・・・というよりここで働いて欲しい。」
紗星「え?・・・・え?」
夕「諸星君、私からもお願いしたいの!」
天星「わしたちは星のことについて少ししかわからないのじゃ・・・だが、君みたいな欲しに詳しいものがいてくれたほうが心強いのじゃ・・・」
急にそんなこと言われても困る・・・だから
紗星「・・・少し考えさせてください。」
と断った
零士「おーい、紗星?」
紗星「・・・・・・・」
あれから一日がたったがいまだに悩んでいる・・・確かに俺は星が好きだが・・・それ以前に女子ばっかりが集まる・・・しかも大学連中も来ている店に俺なんかが居たら、それこそ店の評判が悪くなる・・・
零士「おい!紗星!」
紗星「うお!・・・・なっなんだ・・・零士?」
零士「どうしたんだ、ずっとボーとして?」
紗星「いや、少し考え事をしてて・・・」
零士「また、就職関連か?」
紗星「まぁ・・・それ関連。」
こいつになら言ってもいいかもな・・・余計なことは言わないやつだし
紗星「なぁ、零士。」
零士「どうした?」
紗星「実はな・・・」
俺は零士に昨日零士たちと別れた後の話をした
零士「いいんじゃねぇか?」
紗星「そうは言うけどな・・・」
零士「俺としてはそのことより女の子と仲良くなったことが許せん!」
紗星「・・・俺は真剣に悩んでるんだが?」
零士「お前が星を好きなのは知っている・・・それに就職先が見つかっていないお前にとってはめったにないチャンスなんだ。そういった風に職業体験してみて、続きそうだったらそこで働く!・・・って感じでいいんじゃないか?」
紗星「そうか・・・そうだよな・・・わかった。とりあえずやってみるよ、ありがとうな零士。」
零士「別にそれぐらい大したことじゃねぇよ・・・」
紗星「今度何かおごってやるよ。」
零士「いいのか?」
紗星「お前にはだいぶ助けられてるしな。」
零士「んじゃ、機会があったら、お・・・もうこんな時間か。」
紗星「バイトか?」
零士「そう。それじゃあな、お前この後講義あるだろ?」
紗星「ああ、それじゃ、零士。」
そして、俺は零士と別れ、講義に向かった・・・向かったのはいいんだが・・・
紗星「・・・・・・・」
視線がつらい・・・なぜだ・・・なぜこんなことになったんだ?
いや、その原因はあからさまだ。
なぜなら、隣の席に三ツ星さんが座ったから・・・それだけだったら、まだ幾分かいいのだが問題は
彩夏「諸星君、おはよう!」
と俺に挨拶をしたからだ・・・あの三ツ星さんが進んで男に挨拶をしたという事実が、いままで三ツ星さんに付きまとっていた男たちにとってはだいぶキているらしく
男1「なぜだ・・・なぜあんな存在感のない奴に、三ツ星ちゃんが進んで挨拶しているんだ。」
いや・・・こっちがそれを聞きたいわ
男2「おいおい、あんな冴えないやつより俺のほうがいいのに・・・」
冴えないやつで悪かったな・・・!
男3「きっと・・・あいつに脅されているんだ・・・そうに決まっている!」
俺にそんな度胸あるとでも思うのか・・・?
まぁ、そんなんでいろんな男どもの嫉妬の目線が痛い・・・というかその当の本人はというと
彩夏「諸星君、どうしたの?」
何も気にしていなかった・・・
紗星「いや・・・とくにはないが・・・」
彩夏「でも大丈夫?顔色悪いよ・・・?」
紗星「大丈夫・・・いろいろときついが・・・」
彩夏「何がきついの?保健室行く?付き添ってあげようか?」
あの・・・火に油注がないでくれませんかね?
紗星「具合が悪いわけじゃないから・・・気にしないで、それよりも講義始まるぞ。」
彩夏「うん・・・でも、きつくなったら行ってね?」
紗星「あ・・・うん、そうするよ。」
講義が始まればこっちのもんだ、あいにくと俺はいつもの入り口に近い後ろの席にいるから、講義が終わったら速攻で帰ってやる・・・
そうして講義は何が起こるわけでもなく終わりに差し掛かった時
彩夏「ねぇ・・・諸星君?」
と三ツ星さんが小声で話しかけてきた。
紗星「・・・なに?」
彩夏「実はさ、今日からやるバイトに行くんだけど、そこのオーナーさんに諸星君を連れてきてほしいってお願いされてね・・・」
オーナーが俺に用?
・・・ああ、あそこか
紗星「え・・・ああ、俺も今日そっちに行くところだけど」
彩夏「本当?よかったら一緒に行かない?」
紗星「え・・・まぁいいけど・・・」
彩夏「もう講義も提出するだけで終わりだから、行こう?」
紗星「いいのか?」
彩夏「ほら、この講義って提出さえすれば終わりだからさ、私はもう終わって提出もすましているから。」
この講義は先生の話を30分だけ聞いて、それの内容をまとめて専用の提出先に出せば自由に退出していい講義だから、いつもみんなより早く終わらせて帰っている。
紗星「俺も、終わったところだよ。」
彩夏「それじゃあ、行こう。」
紗星「ああ・・・」
俺たちは音をたてないように・・・教室を出た。
幸いまだ講義中だったのと今日の最後の講義だったためか誰にも気づかれずに大学を出れたのが救いだった。
・・・まぁ今頃、大学内では少しした騒ぎになっているはずだ。だって・・・ねぇ?
彩夏「どうしたの諸星君?」
紗星「いや、何でもない・・・」
大学のアイドルである三ツ星さんと普段目立たないのと冴えない俺が一緒に消えたとなれば騒動にもなるはずだ・・・
紗星「ところで、三ツ星さんがこれから始めてやるバイトって星売アクセサリー?」
彩夏「うんそうだよ。それと私あそこで働くことになってて、仕事に慣れるようにってバイトをして慣れるようにって、・・・でもなんで諸星君を呼んだんだろ?」
紗星「あー、まぁそこのオーナー・・・天星さんに働いてくれないかって誘われたんだ。」
彩夏「そうだったの?」
紗星「まぁ、その時はまだ考えがまとまってなかったんだけど・・・今日零士と話してその誘いを受けようと思ったんだけど・・・」
彩夏「けど・・・?」
紗星「まさか、三ツ星さんもそこで働くって聞いて少し驚いてる。」
彩夏「そうなんだ・・・」
と三ツ星さんは少しうつむいてそういった・・・その顔がかすかに赤かった気もするが気のせいだろう・・・
紗星「いや・・・でも俺は特に大学のことはしゃべってないのにどうしてわかったんだ?」
彩夏「あ、それなんだけど・・・はいこれ。」
と三ツ星さんがカバンから取り出したのは俺の学生証だった。
紗星「俺の学生証・・・なくしたと思ったらあそこで落としたのか・・・だから三ツ星さんと同じ大学ってわかったんだ・・・」
彩夏「私も最初これを届けてほしい・・・ついでに呼んできてくれって頼まれたときはどうしようって思ったよ・・・」
紗星「あー、まぁ大学じゃほぼ接点ないしそれに住んでいる世界が違うというかなんというか・・・」
彩夏「住む世界?一緒じゃないの?」
紗星「いや・・・そのなんだ・・・比喩?・・・いや概念・・・」
彩夏「?」
そうだ、俺は隅でひっそりと住んでいる世界でそれに対し三ツ星さんは俺みたいに隅で生きるのではなく中心にいるような明るい世界なんだから。
そんなこんなで話していると天星さんたちが働く星売アクセサリーに着き、そのまま店内に入る。
彩夏「おはようございま~す。」
紗星「・・・・・・」
夕「彩夏ちゃん、おはよ~」
彩夏「おはよう夕ちゃん・・・あれ、天星さんは?」
夕「今、買い物に行っているよ。あ、諸星君。」
紗星「ああ、七星さん。」
彩夏「あれ?夕ちゃんと諸星君って知り合いなの?」
夕「ううん。昨日天の川?を見に来た時に偶然会ったの。」
彩夏「天の川を?」
夕「そう、諸星君ってすごいんだよ、私の知らない星のことを教えてくれたんだ。」
彩夏「星?」
そういや、三ツ星さんは俺の趣味について知らないよな・・・まぁ言っていたとしてもあいつらぐらいしか大学内では知らないってのもある。
紗星「あー、そのことについてなんだが一つ言っておきたいんだけどいいか?」
三ツ星さんぐらいなら言ってもいいか、そんなに言いふらすような人ではないし・・・
じゃなかったら男女問わず人気なわけはないか・・・わからないけど
彩夏「どうしたの?」
紗星「そう、俺が星を見るのが好きというか趣味で・・・で星に詳しいからっていう理由で誘われたんだよ。」
彩夏「諸星君って星好きなんだ!」
紗星「まぁ・・・このことに関してはほかの人には言わないでくれ。」
彩夏「え、なんで?素敵なものだと思うけど。」
紗星「それは・・・」
好きなものを否定されるのが嫌いだから・・・というよりもうあんな気持ちにはなりたくない
彩夏「でも、諸星君がそういうなら言わないよ。」
紗星「それでよろしく・・・」
夕「それじゃあ、彩夏ちゃん午後の準備しよー」
彩夏「そうだね、え~と諸星君はどうするの?」
夕「えーとね・・・天星が店の奥の工房で待っているようにだって。」
紗星「おれ・・・まだ受けるって言ってないんだけど?」
夕「え、そうじゃないの?」
紗星「まぁ、そうだけどさ・・・」
夕「あと彩夏ちゃん、制服できたからロッカーに入れてあるって。」
紗星「制服?」
夕「うん、この店の制服かわいいでしょ?」
紗星「え・・・ああ、まあかわいいんじゃない?」
夕「えへへ、ありがとう。」
彩夏「・・・・・・・いいな~」
紗星「三ツ星さん?」
彩夏「べっ・・・別になんでもないよ!そ、それじゃあ着替えてくるね。」
紗星「え・・・ああ・・・」
夕「それじゃあ、諸星君。工房はこっちだよ。」
紗星「わかった。」
俺はそのまま七星さんに工房に案内してもらった。だけど天星さんが帰ってくるまで、まだまだ時間がかかりそうだしどうしようか・・・
少し考えた後、店に顔を出すのはやめて俺はそのまま天星さんを待つことにした。
1時間後
______________
夕「ふぅ・・・彩夏ちゃん、ちょっと休憩してくるね。」
彩夏「わかった、いってらっしゃい。」
夕「混んだら読んでね~」
彩夏「うん。」
今日はバイト初日だったから私も疲れちゃった、夕ちゃんが戻ってきたら交代しよう
カラン♪
彩夏「いらっしゃいませ~」
男「あれ、君一人?」
彩夏「えっと、今はそうですけど・・・なにかお探しですか?」
男「そうそうずっと探してたんだよ。」
この人・・・さっきから目が怖い
彩夏「えっと彼女さんのプレゼントですか?」
男「いや?俺が探していたのは・・・君みたいな子だよ!」
彩夏「え?あ・・・あの・・・」
男「今店に誰もいないんでしょう?だったら俺と楽しそうなことしようよ。」
彩夏「キャアアアアアアアアアアアア」
__________________
彩夏「キャアアアアアアアアアアアア」
紗星「三ツ星さん⁉」
俺は三ツ星さんの悲鳴を聞いて工房から店内に急いで向かった
紗星「三ツ星さん!大丈夫⁉」
飛び出した俺の視線の先では襲われかけて怯えている三つ星さんがいた
彩夏「こっち来ないで・・・お願いだから・・・」
男「へへっ・・・いいね~こういうの好きだよ~俺?」
紗星「おい!お前!三つ星さんから離れろ!」
彩夏「諸星君・・・」
男「お前邪魔すんなよ・・・せっかくのお楽しみが台無しじゃないか?」
紗星「邪魔じゃねぇよ!むしろお前が営業妨害しているんだろ⁉」
と言いながら三ツ星さんと男の間に入り込み、奥から覗いている七星さんに目を合わせて警察を呼ぶようにアイコンタクトを送った。気づいたか気づいてないかはわからないが、七星さんはそのまま奥に戻っていった・・・
彩夏「諸星君・・・」
紗星「大丈夫・・・落ち着いて。」
とはいっても・・・これじゃあ埒が明かない・・・どうすればいいんだ・・・?
男「ヒューカッコいいねぇ~・・・でもな・・・おらぁ!」
そうすると男は俺のほほを思いっきり殴ってきた
紗星「グッ・・・」
彩夏「諸星君⁉」
紗星「だ・・・大丈夫・・・」
男「これ耐えるんだねぇ~・・・ソラッ!」
紗星「ングッ・・・」
紗星「グゥ・・・」
紗星「ガァ・・・」
彩夏「諸星・・・君・・・」
男は何度も殴りつけてくるだけど、手を出してはいけない・・・だけど天星さんが戻ってくるか七星さんが呼んでくれた警察が来るまで持つか・・・
彩夏「諸星君・・・もうやめて・・・」
男「そうだよ~あきらめたほうがいいんじゃない?」
紗星「ふざけるなよ・・・お前みたいな雲野郎に星を汚させてたまるか・・・」
男「何言ってんだw」
彩夏「え・・・ほっ・・・星?」
男「でも残念だな・・・これで終わりだぜ!」
顔の正面に男のこぶしが来る直前・・・
?「ふーん、紗星にしては頑張ったほう・・・じゃん!」
といつからいたのか聞き覚えのある声が聞こえた。
男「は・・・グェ・・・」
とそいつの一撃が入って男は倒れた
?「大したことないのね・・・」
紗星「そりゃあ・・・お前に比べたら・・・だろ・・・」
とそのまま俺は安心したのか意識が途絶えた・・・
___________________
彩夏「諸星君⁉」
?「まったく・・・無茶するんだから。」
彩夏「あの!ありがとうございます・・・」
?「うん、無事ならいいけど・・・大丈夫?」
彩夏「はい、私は諸星君が守ってくれたので大丈夫ですけど・・・あなたは?」
?「私?私の名前は・・・]
カラン
天星「すまない、ずいぶんと遅くなってしまった・・・と何があったんだ⁉」
夕「天星、実はね・・・」
____________________
紗星「ん・・・あれ・・・?」
俺は一体・・・確か三ツ星さんが襲われているのを助けてというか一方的に殴られただけだけど・・・でそのあと、あいつが来て・・・
夕「あ、諸星君おはよう。えーと体の具合はどう?」
紗星「いてて・・・少し体が痛いけど大丈夫・・・で今何時ぐらい?店のほうは?」
夕「今はね、19時ぐらいでお店のほうはあんなことがあったから休業したよ。それで今、天星たちが警察の人と話しているって感じで多分そろそろ戻ってくると思うよ。」
紗星「そうなんだ・・・警察は七星さんが?」
夕「うん!諸星君が警察を呼んでって視線を送ってくれたからね。」
紗星「そうか・・・でもよくわかったね。」
夕「あんな状況だったしね。」
紗星「普通はそうだよな・・・それであの男は?」
夕「無事に捕まったよ。」
紗星「なら、よかった・・・」
そんな話を七星さんと話していると扉が開いて
彩夏「諸星君・・・!」
紗星「三ツ星さん・・・大丈夫?」
とそのまま三ツ星さんが抱き着いてきた。
紗星「みっ・・・三ツ星さん!」
彩夏「よかった・・・」
紗星「心配かけさせちゃってごめん・・・」
彩夏「ううん、諸星君がこうして目を覚ましてくれたくれただけでも大丈夫だよ・・・」
?「思ったより元気そうじゃない・・・紗星?」
紗星「うるせぇ・・・というよりなんでお前がいるんだよ・・・瑞希?」
こいつは一星瑞希。いわゆる幼なじみってやつで高校までは一緒だったが大学からは違うところに進んだからかここ4年は会っていない。そしてこいつは合気道をやっている。
瑞希「え?ああ基山から紗星がここで働くって聞いたからいじ・・・見にきたのよ。」
紗星「こいつ・・・」
絶対いじりに来たな・・・
瑞希「でも、入ったらいきなりあんたがこの子を守っていたのを見たときはさすがに驚いたけどね。」
夕「ごめんね彩夏ちゃん、天星が帰ってくるまで待っておけばよかったね・・・」
彩夏「ううん、夕ちゃんのせいじゃないよ・・・悪いのはあの男の人だから。」
三ツ星さんと七星さんは互いに謝っていた。
紗星「三ツ星さん・・・大丈夫だったか?」
彩夏「うん、諸星君が守ってくれてたから大丈夫。」
紗星「それならいいけど・・・というより俺は三ツ星さんを守っただけで、瑞希が男をやっつけたから、瑞希にも感謝しないとな。」
彩夏「うん。瑞希さんありがとうございました。」
瑞希「いいよそれぐらい。あとさん付けはいいよ、年齢はそんなに変わんないから。」
彩夏「はい、ありがとうございます、瑞希ちゃん。」
瑞希「ちゃん呼びもあんまり好きじゃないけど・・・まぁいいか。よろしくね彩夏。」
天星「あーそろそろいいかい?」
紗星「何ですか?天星さん。」
天星「今回のことで分かったことがあってな・・・やはり人手が足りないことだ・・・」
夕「それはもともとわかってたことじゃないの?」
天星「そうだったな・・・とはいえまだまだバイトというかここで働く人を集めないとな。」
瑞希「私入ろうか?」
紗星「瑞希・・・」
天星「いいのか?」
瑞希「あ・・・でもお父さんに聞かないとな~」
紗星「あの人か・・・」
彩夏「二人ともどうしたの?」
夕「そんなに厳しい人なの?」
と二人が聞いてくる。
紗星「厳しいというか・・・なんというかな。」
瑞希「えーと、一星駿介ってわかる?」
夕「・・・・だれ?」
彩夏「・・・・・・」
紗星「・・・・・・」
彩夏「ええええええええええええ!」
そう・・・瑞希の父一星駿介は警視庁の長官だ・・・
天星「ほう・・・駿介か。」
紗星「天星さん・・・知り合いなの?」
瑞希「初めて聞いた・・・・」
天星「まぁいろいろあってな・・・」
紗星「時々思うけど・・・おじさんの交流関係って謎過ぎないか?」
瑞希「確かに交流関係が長官になった後だったらわかるけどなる前からの交流関係が多いからよくわからないのよね・・・」
彩夏「二人ともよく落ち着いていられるね・・・」
瑞希「父親だし・・・」
紗星「こいつの幼なじみだし・・・」
彩夏「あ~・・・」
夕「えっと・・・要はすごい人ってこと?」
瑞希「そうね。」
とそのような話をしていると
駿介「瑞希!」
瑞希「お父さん!仕事は?」
駿介「瑞希が事件に巻き込まれたと聞いたら仕事なんてしてられると思うか?」
紗星「そうだろうな・・・」
駿介「紗星君も大丈夫かい?」
紗星「おれは大丈夫ですよ、瑞希が来なかったら・・・やばかったかもしれないですけど・・・」
天星「久しぶりだな、駿介。」
駿介「天星、久しぶりだな・・・ここはお前の店か?」
天星「そうだ。そこでだ・・・」
瑞希「お父さんここでバイトしていい?」
駿介「なんだと・・・瑞希にもしものことがあったら・・・だが・・・天星の店だしな・・・」
と悩んでいるおじさん・・・
十分後
駿介「わかった・・・いいだろう。」
瑞希「ありがとう、お父さん。」
駿介「だが、もし瑞希になんかあったらその時は覚悟してもらおう・・・」
紗星「いやおじさんが言うと洒落にならないから・・・」
天星「わかっている。瑞希君じゃなくとも何かあったときは頼むな駿介。」
駿介「それじゃあ、私はやらなければいけない書類があるからこれで・・・瑞希遅くなるなよ。」
瑞希「わかってるって・・・それじゃあまたね、お父さん。」
そのままおじさんは職場に戻っていった。
瑞希「・・・はぁ。」
紗星「相変わらずだな、おじさん。」
瑞希「私ももう年なんだからそろそろ子離れしてほしいよ。」
彩夏「でもそれだけ瑞希ちゃんのことを思っているって証拠だよ。」
瑞希「すこし過保護すぎるけどね。」
天星「もう時間も遅いから、続きは明日に決めよう。店の片付けもあるしな。」
夕「うん、みんな!また明日ね。」
彩夏「また明日!」
天星「と今回のことだ帰り際にもしものことがある。紗星君、彩夏君を送ってやってくれ。」
紗星「一応そのつもり。三ツ星さんもそれで大丈夫?」
彩夏「うん大丈夫。ありがとね、諸星君。」
瑞希「私も途中までついていくよ。」
紗星「ああ、よろしくな。」
俺は三ツ星さん、瑞希と家路についた。
瑞希「それじゃあ、私はここで。」
紗星「ああ、明日からよろしく頼むな、瑞希。」
彩夏「今日はありがとうね、瑞希ちゃん。」
瑞希「それじゃあね。紗星、彩夏のこと頼んだよ。」
紗星「ああ。」
瑞希と別れ俺は三ツ星さんを送っていった・・・だが・・・
紗星「・・・・・・・・」
彩夏「・・・・・・・・」
気まずいな・・・まぁ、あんなことあったんだ・・・なんか話題・・・話題・・・
紗星「・・・・話題がねぇ!」
彩夏「ど、どうしたの、諸星君?」
紗星「いや・・・えっとその大丈夫か?」
彩夏「別に大丈夫だよ・・・でもどうして?」
紗星「ほら、みんなの前だと強がっているのかなと思ったから。」
彩夏「別に強がってはないよ・・・って!それよりも諸星君のほうこそどこか痛むところはないの?」
紗星「まだ少し痛むけど、生活に支障をきたすほどではないよ。」
彩夏「もし、痛かったら言ってね。その時はお世話してあげるから。」
これを大学のやつらに聞かれてたらおれは無事じゃないことを投げ込んできた。
紗星「あー・・・・その時は頼むよ・・・」
彩夏「・・・・・ふふっ。」
紗星「・・・・・ははっ。」
彩夏「なんで二人ともずっと心配しているんだろうね。」
紗星「それほどのことが今日あったからだろうな。」
彩夏「そうだね、ねぇ諸星君。」
紗星「どうしたんだ?」
彩夏「普段諸星君ってどうしてるのと少し星のことを聞かせてほしいな。」
なんとかこの気まずさから脱した俺たちはこのまま普段のことや星についての話をしながら三ツ星さんの家の前に着いた。
彩夏「諸星君、ありがとうね。」
紗星「いや、いいさ。それじゃあまた明日。」
彩夏「うん、また明日。」
そのまま俺は自分の家に帰っていった。
___________________
彩夏「ただいま~。」
彩夏母「おかえりなさい、それよりも大丈夫だったかしら、けがはしてない?」
彩夏「うん、大丈夫だよ。だって諸星君が守ってくれたし・・・でもなんで知ってるの?」
彩夏母「天星さんから聞いたのよ。」
彩夏「天星さんからか・・・えっとお父さんはなんか言ってた?」
彩夏母「無事だったならいいって。」
彩夏「そうなんだ、てっきりあそこには行くなって言われると思った。」
彩夏母「そうねぇ、でも彩夏が自分でやりたいって言ったことだから止めはしないって。」
彩夏「ありがとう、お母さん、お父さん・・・」
彩夏母「それと、少しうれしそうね・・・」
彩夏「へっ⁉」
彩夏母「いつも話に出てるあの子といいことあったの?」
彩夏「うん・・・少し・・・ね。」
彩夏母「ふふっ、ほらご飯できているから着替えてらっしゃい。」
彩夏「うん、わかった。」
彩夏「ふう・・・ふふっ。」
まさか諸星君と一緒に働くことになるなんてね、それに私を守ってくれた時はかっこよかったな・・・
彩夏「ハッ・・・うん、これからどんどんお話ししていかなきゃ。」
あそこには夕ちゃんや諸星君の幼なじみの瑞希ちゃんみたいなかわいい子が居るし、でも・・・その二人のどちらかと付き合うことになったら、私どうなるんだろう・・・
彩夏「とりあえずはご飯食べてから考えようと。」
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ここまで読んでいただきありがとうございます。
本物語のメインヒロインでのである七星夕ともう一人のヒロイン一星瑞希が登場です。そしてここから分岐が入り三ツ星彩夏ルートの選択が入ります。まだまだ共通Chapterなのですが、作者としては初めて書くルートを三ツ星彩夏と指定させていただきます。