外伝 とある聖書の一説
先ほど、本編の方を投稿しました。
こちらは、外伝兼半設定用のストーリーとなります。
この物語の根幹となす話の一つとなります。
世界は異界から来た名もなき創造主によって作られた
創造主はどこらからともなく現れ、何も無いこの世界に楽園を作る事を決意した。
創造主は自らの持つ5つの力――神性、聖なる力、闇の力、創造の力、破壊の力――を使い、創造主は6日で世界の形を作り上げた。
聖と闇の力の差異により世界の元となる火、水、風、土の4元素を作り出し、
4元素と聖なる力と闇の力を元に世界に魔力を生み出し、魔法と呼ばれる技術体系を生み出した。
創造と破壊の力で大地を形成した。
神性によって世界に尊厳を与えて動植物問わず、全ての生命を芽吹かせた。
―――――――――――――
そして、世界を作り終わった創造主は自らの力を使い、自分の代わりに世界を統治する女神を作り上げた。
創造主の持つ創造の力を受け継いだ女神、その名はイブと呼ばれた。
父として敬い、 創造主は偉大なる母イブを可愛がった。
しかし、偉大なる母イブの心根は余りにも慈悲深く、彼女は争いを知らずそれでいて体は病弱であり、戦う力を有していなかった。
不憫に思った創造主は自らの残された力ーー破壊の力ーーとイブの身体の一部を使い、アダムと言う男性を作った。
そして、創造主はイブを守る様にとアダムに命じた。破壊の力を持って生まれたアダムはイブの護衛兼話し相手として生きる様になった。
二人は長い時を重ねる中でお互いを意識するようになり始めた。
二人は深く愛し合ったお互いの身分も役割も忘れ激しく愛し合い、二人の間には子どもが産まれた。
名はカインとアベル
二人の子どもを得たアダムとイブは幸せな毎日を送っていた。しかし、幸せな毎日に退屈していたアダムはある邪念を起こした。
――愛するイブの全てが欲しい、その為に力が欲しい――
その想いは日を増すごとに強くなり、ついにアダムは創造主より禁じられていた果実を口にした。
力を手にしたアダムは創造主を超える力を使って、創造主を殺し、さらには我が子であるカインとアベルを嫉妬によって殺してしまった。
イブはアダムに絶望し、自らの7つの大罪、7つの美徳を触媒に生み出した14人の使徒達と共に邪神となったアダムと聖戦を始めた。
味方のいないアダムはイブから一部のみだが奪った創造の力を使い、自分の従僕の証である赤い目を持つ7人の魔人と様々な魔神を作り出した。
しかし、完璧な創造ではなかった為、魔人達は膨大な魔力こそ持っていたが魔法を使うことが出来なかった。
それに困ったアダムはさらに創造の力を使い、強力な7つの魔宝具を生み出した。
範囲内にいる敵対者に対しては呪いを、味方には祝福を与える効果を持つジュリアードの香炉
失われし神代の魔法が描かれたグリモワールの禁書
歪な生命体を生み出す創造の魔剣と圧倒的な破壊を実現する破壊の聖剣であるカイべルの創破双剣
敵対者の魔力を奪い、味方に還元するエヒテメウスの神槍
魔法及び物理攻撃に完全な防御耐性を持つアメリストの硬盾
様々な状態異常に完全耐性を持つオーバリオンのローブ
高いホーミング性能を持ち、無限の矢を放つ事ができるヴィジャバルの神弓
アダムはこれらの武器を魔人達に渡した。
魔人や魔宝具、魔神が現れた事により、戦争は激化の一途を辿った。しかし、激闘の末に女神イブと14人の使徒達は7人の魔人を魔宝具の中へ封印し、魔人を世界から追い出し、邪神アダムを暗き闇が支配する深淵へと封じる事に成功した。
しかし、創造主によって作られた世界は聖戦によって荒廃し、女神イブの子どもである使徒の全員が魔人との戦いで戦死した。
残された偉大なる母イブも力のほとんど失ってしまった。
―――――――――――――
そこで女神は最後の力を振り絞り、自分の代わりに世界を統治する種族である人間族を作り上げた。
そして、自らの代理者である我々人間種に対して女神はこう言い残した。
「暗き闇に落とした邪神と魔人達はいずれ力を取り戻す事でしょう。その時、私が力を取り戻しているかはわかりません。だからこそ貴方達が世界を作り直し、文明を作り上げ、世界を富ませなさい。貴方達は選ばれた種であるのだから他の種族を統治して、その時までに備えなさい。これは母である私の勅命でもあります」
そういい残すと荒廃した世界に尊厳を取り戻し、新たな魔法体系を作り上げ、そうして世界に光が戻ってきたところで妖精族エルフ、小人族ドワーフ、獣人族ビースト、龍族、魔族などの人間を元にした非人間種を作り出して、眠りについた。
人間族は偉大なる女神の神託通りに他の非人間種を統治し、非人間種では作り上げられ無い程の様々な偉大な文明を作り上げ、神の子孫として恥のない世界へとなった。
しかし、女神イブの願いは叶わぬものだった。
愚かな非人間種は人間族の寛大な統治を良しとせず反乱を起こしたのだ。奴らは女子どもを見境なく殺して回り、多くの国が亡びる事となった。奴らは隣にあった未開の大陸を占拠するのだが元来の知能の低さから非人間種は仲間割れすることになる。
我々はその機会を見過ごさずに奴らの大陸へ踏み込み、一部の場所を取り戻すことができた。これは神によって選ばれた我らの優秀さを示すのだ。今こそ、聖軍の時である!
《ミル・ロバート著/「創世記ーー第1章11編」》