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現在進行 鳥の国 2  作者: 蓮尾純子
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巣作りが始まった   2001年8月

鳥の国から   すずがも通信129号 2001年8月

   巣作りが始まった

 

  さて、春最大の関心事だった営巣場所整備の結果は、といいますと‥‥‥。

 5月7日、すべての作業に区切りをつけて、頼もしい小型ユンボー(パワーショベル)もクローラーダンプも搬出していただいたことは前号に書きました。観察舎真正面の小島岬はむき出しの土とかぶせた貝粉で茶色と白に変わり、メイン現場の下北岬先端部は砂を盛った上に貝粉をまいて仕上げ、輝くような白さ。

 ありがたいことに、5月12日ごろからセイタカシギが何組か様子を見たり、座りこむ姿が見られるようになりました。もっとありがたいことには、5月14日からコアジサシ一組が座ってくれたのです。産卵・抱卵が始まった!

 いよいよセイタカシギが抱卵をはじめた観察舎真正面の小島岬。繁殖場所整備がとりあえずここまではうまく行きました。さあ、こうなると心配なのはカラス・蛇・それに潮。去年は強い南風による高潮で、小島岬のほとんどぜんぶが潮をかぶっています。目盛をつけた竹を見やすい位置に立ててもらい、南風のたびに神経をとがらせていました。こわいのは、大潮の明け方の満潮。竹の目盛りで水底から50㎝をこえたら要警戒。60㎝をこえると危険。東京湾の潮位が明け方で180㎝の時は要警戒、時に危険。

 夕方か夜水門を閉め、午前中に開けるという操作を繰り返し、昨年よりは多少うまくやれたとは思うのですが、「危険」がわかったのは、例によって失敗から。6月5日と10日は、低い位置の巣に水が来るところまで潮が上がってしまいました。12日以降この巣での抱卵が見られなくなったのは、潮のせいか、ヒナがふ化して移動したのか(夜、親鳥が騒いでいたので、移動中に事故にあった可能性もある)、蛇か、わかりません。

 カラスにやられた巣は幸いゼロ。最大時、セイタカシギ10または11組が同時に抱卵していたため、共同防衛がうまく行ったようです。そのかわり、蛇;(アオダイショウ)の被害は甚大。目の前で蛇が出て親鳥が大さわぎ、という場面も2回あり、その都度1巣分の卵がなくなりました(親鳥が抱卵しなくなったということでそのように判断)。親鳥の行動から見て明らかに蛇がせまっており、その後巣が1つ分消失、という場面も少なくとも2回。



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