はじめに
NPO法人として千葉県から保護区や野鳥観察舎、野鳥病院の業務の一部を受託するようになった行徳野鳥観察舎友の会。不慣れな事務仕事が増えました。一方では、トラクターやユンボ―(バックホウ)などの大型機械を操る管理作業も。そうかと思えば、中国の杭州で行われたシンポジウムに参加したり。元気に楽しく切り抜けて行けるのかどうか。友の会のいわば青春時代をご覧ください。
はじめに
11月8日日曜日。夏の間じゅうガンとして咲かなかった朝顔のヘブンリーブル―が、3日連続で美しい青空色の花を開きました。公園のケヤキがだいぶ色づいて、地面は落ち葉でいっぱい。おだやかな晩秋です。
この「小説家になろう」の場に出させていただいた、行徳野鳥観察舎友の会機関誌「すずがも通信」の連載記事の再録も、第1作の「鳥の国から」が完結し、2作目の「現在進行 鳥の国 1」も11月20日で完結予定です。これから連載をはじめる「現在進行 鳥の国 2」はその続き。来年のどこかで、シリーズの4作目「現在進行 鳥の国 3」に引き継ぐことになるでしょう。
はじめから予定していたわけではありませんが、「鳥の国から」では1980年ごろから1996年2月まで、行徳野鳥観察舎友の会のスタート、トヨタ財団の助成を得て友の会が行徳鳥獣保護区の中に水鳥誘致・湿地復元のための池を造成し、家庭排水を水源として保護区の中に湿地を回復して行くころまでが書かれています。「現在進行 鳥の国 1」には、この試みをもととして、千葉県が行徳内陸性湿地再整備事業として、大規模な湿地を造成すること、そして水管理をはじめとした試行錯誤、泣き笑い、というよりは、こうなったら笑うしかない、といった悪戦苦闘の日々が書かれています。
田上昇さんをはじめとした多くの方々のご努力で、友の会はNPO法人になりました。「現在進行 鳥の国 2」では、法人として管理作業を担う友の会の姿(表面にはあまり出ませんが)、あいも変わらずのトライ&エラー、その時々の鳥や生きものたちとのおつきあい、そして広がる活動の場、といった内容が含まれています。
4週間前の10月11日にオープンした「市川市行徳野鳥観察舎・あいねすと」は、ご利用の方々でにぎわっていました。アオサギやカワウの姿を熱心に見たり、併設されたカフェのコーヒーを手にくつろいでおられる方も。3階建が2階になったため、眺望が今ひとつなのは残念ですが、木材を多用した暖かみのある明るくきれいな建物。未来へのバトンが受け渡された気分で、ほっとしています。
どうぞ「現在進行 鳥の国 2」をお楽しみください。ささやかな日常ではありますが、波乱万丈の側面もあります。私たちの経験が何かのお役に立つかもしれません。
コロナ禍の終息を願いつつ。 2020年11月8日 著者記