3話
昼休みになったけど・・・なんで空くんはこんなに寝てるの?
私は眠たいのを我慢して、つまらない・・・楽しい授業を聞いてたのに。
少しムカっとするなぁ・・・・あ!空くんにイタズラしちゃえばいいんだ。
「そ・ら・く・ん」
ふぅ〜
耳に息を吹きかけてみた。
「ん〜・・・ぐ〜」
「む?こ、これじゃ起きないの!?」
む〜、私を怒らせると怖いんだからね。
でも、なにしようかな?
何も思いつかないよ〜。私の脳みそ、役立たずだね・・。
「空っち〜。起きとくれ」
私の横から出てきた彼。
私もよく知ってる彼は、星野泰紀くん。空くんと仲がいい。
少し個性的で、趣味は情報収集。あらゆる人の弱みを掴むのがいいみたい。
今思ったんだけど、私の記憶と空くんの記憶って共有されてるのかな?
私は今まで泰紀くんとは面識ないし、話したこととかないのに、彼のことを知ってる。
よくわからないから、空くんにも聞いてみよう。
「空っち、起きないとあのことを由宇ちゃんにばらしちゃうよ?」
「え?なにな「おう!おはよう!いや〜もう昼か!」・・・空くん、帰ったらじっくり聞かせてもらってもいい?」
にっこりと目は笑わずに口だけ笑った表情を作る。
「あ、いや〜・・・悪い、由宇。このことは聞かないでくれ」
「・・・ん〜、どうしようかな?空くんが1つ言うことを聞いてくれたらいいよ?」
「それくらいならいいよ。ただし、無理難題はやめてくれよ?」
「そんなことは言わないよ」
私はかばんからお弁当を2つ取り出して、空くんに差し出した。
「お願いというか、私とお弁当を食べて?」
首を少し傾けて、誘ってみたんだけど・・・どうだろう?
「あ、ああ・・いいとも、ここで食べるか?」
「うん!ありがとう!」
私からお弁当を空くんが受け取ったところで、外部からの声が入った。
「そろそろいいかな〜?」
「「へ?」」
「いつまでいちゃついてんの?」
彼、泰紀くんからの一声で2人の世界から帰ってきた。
恥ずかしいような悔しいような・・・。
「いや、いちゃついてないから。んで、ヤスはどうした?」
「あのさ、空っちから俺に依頼してきてたんでしょ?そのくらい覚えておいとくれ」
「あのことか!んで、どうなった?」
空くんは泰紀くんの方に身を乗り出して、いかにも怪しい感じで内緒話をし始めた。
なんか、聞かない方がいいね。女の子には知らない方がいい世界があるんだもんね。
「で・・・・だから・・・ってなわけ」
「ほう・・なら・・・・・いいか?」
「うん、それでいいよ」
「サンキュー」
やっと終わったみたいだね。お腹すいたよぉ、早く食べたいなぁ。
私の視線に気付いた空くんは、こちらを一瞥すると、泰紀くんにお礼をもう一度言って椅子に座った。
「待たせて悪い、食べるか」
「うん、早く食べよ」
それから食べ終わったくらいにチャイムが鳴り響いた。
時間経つの早くない?