プロローグ5
次の日の朝。
「起きろ〜!!」
ゆさゆさ
「ん・・・後少しだけ」
「ダメだよ、遅刻しちゃうでしょ」
「・・・・・」
この会話を聞いてわかるでしょうけど、私は空くんを起こしています。
なのに・・・起きてくれない・・。
「空くん・・・起きてくれないと、泣いちゃうよ?」
少し卑怯かもしれないけど、泣きまねでいってみよ〜!!
「ホントに泣いちゃうよ?」
私が嘘泣きをしようとすると、空くんは布団から顔を出して、私を見た。
チャンス!!
「・・・ぐす、ぐす」
空くんをチラッと見てみると、布団から出ようとしている。
「あ、あのさ・・・起きるから、な?」
私の近くにきて肩に手を置きながら、話しかけてくる。
「でも・・ぐす、空くん・・私、ほんとは・・」
「ほんとは?」
「泣いてないの」
「は?」
顔を上げて空くんを見ると、彼はやられたというような顔をしている。
「だって、空くん起きないんだもん」
空くんは頭を掻きながら、息を吐いた。
「悪かった、ちょっといじめてみたくなっただけだ」
「じゃあ次からちゃんと起きてね?」
「ああ、わかった」
うん。これで明日から、朝は平和に過ごせるね。
「「行ってきます」」
2人で家を出て学校へと向かった。
「そういえば、お父さんに昨日「私って弟か兄がいる?」って聞いてみたんだけど」
「はい?聞いたのか?」
「うん。だってどうなってるのか気になるじゃない?」
「まぁそりゃそうだけどさ・・。親父不思議に思ったんじゃないか?」
「不思議というか驚いてたけど、答えてくれたよ」
「何って?」
「なんか、
お前は1人っ子だから兄弟はいないが、親戚の空くんとは兄弟みたいな関係だな。とは言っても、一緒に住んでるんだし兄弟と一緒のようなものだがな。
ってさ」
「へぇ〜・・・じゃあ俺は親戚ってことなんだな」
「そうみたいだね。でも、お父さんって双子だからお父さんのお兄さんの子供なのかも」
「え!?親父って双子なのか!?俺の世界では確か妹しかいなかったけど・・・」
「そうなの?じゃあ私の世界ではその妹さんがお兄さんになってるのかもしれないね」
「そっか〜・・・じゃあこの世界での俺の親父はどうしたんだろう?」
「・・・・それは、お父さんに聞いてみた方がいいかもね」
私は事情を昨日聞いた。でも、私の口からは言えない。
「ま、暇な時にでも聞いてみるさ」
「・・・うん」
「ん?どうした?急に元気がなくなったけど?」
「ううん。なんでもないよ」
「ならいいけど」
「うん。ありがとう」
私ったら、暗い顔してたら空くんに心配させるのわかってるのに・・。ダメだね。
もっと強くならないと、空くんの隣にいられない。まだまだ頑張らないとね!
「さぁ、もうすぐ学校だ」
「そうだね。一緒に頑張ろうね、空くん」
「ああ」
私たちは話もそこそこに、気合を入れて学校に向かった。
コメディーなのに一切、笑いが出てこなくてごめんなさい。次からは学校なので登場人物が急に増えます。予定では、次から笑いが入ってくると思うので、少しだけ期待しててください。