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プロローグ4

現在、午前10時。


私は学校にも行かずに、部屋で男の子と一緒にいます。


「なぁ、そういや名前聞いてなかったな。俺は天海空。君は?」


「空って言うんだね。私は、天海由宇。自由の由に宇宙の宇」


「空と宇宙か・・・。なんか似てるようで似てないな」


「そうだね。名前も一緒なのかと思ってはいたけど・・・違ってた」


うん。私の体の中にいる人だったから、名前も共通なのかと思っていたけど

違うんだ。


「あ!そういえば、空くんと私の世界(?)って違うのかな?」


これは後々、重要になることだから聞いておきたかった。


「いいや、同じみたいだ。この部屋も家も俺が暮らしていた家と全く同じだし」


「え?そうなんだ。じゃあ学校とかはどうなってるんだろう?」


すると空くんは顎に手を当てて、考え始めた。


「う〜ん・・これも推測なんだけど、俺たち以外は何も変わってないと思う。

だから、学校も同じだろうし、周りの人も変わってないんじゃないかな?」


「だとしたら、私たちって苗字が一緒だから兄弟とか双子とかって設定になってるのかな?」


「その可能性もあるだろうな」


う〜ん・・・兄弟だったら付き合えないなぁ。

いっそ、赤の他人で苗字が一緒ならよかったのに・・・・。


「ん?どうした?」


「へ?」


私が難しい顔をしていたからだろうか、空くんが顔を覗き込んできた。


「!!・・な、なんでもないよ?」


私が空くんを意識してるのバレバレじゃない・・・。

ホントに元、同一人物だったの?


「?・・まぁ、今日は何が起こるかわからないから、家でおとなしくしておこう」


「そうだね」


まいったなぁ。私、男の子と一緒にいることなんて今までなかったから急に恥ずかしくなってきた。さっきは落ち着くとか思ってたのに・・・。


私が考え事をしていると、空くんは部屋を出て、リビングに向かったみたい。


なんとなく気になって後を追いかけてみると、キッチンでお皿を洗ってた。


「空くん、私がするからいいよ?いつもしてるから」


自慢じゃないけど、私は家事は得意なのだ。


「・・・俺もいつもしてるんだけど?料理も洗濯も掃除もな」


「うそ!?」


「ほんと」


空くんは冷静な顔つきで話してくる。

確かに見てみると、手馴れている気がしないでもない。


「じゃあさ、今日から私がするから、ね?」


少し媚びる様な仕草になってしまったのは、空くんだから。


「・・・ふぅ〜、わかった。じゃあ頼むよ」


「うん!任せて!」


空くんと立ち位置を変わり、さっそくお皿を洗い出した。


「あの〜空くん?」


「ん?」


「そんなに見られると、やりにくいんだけど・・・」


見られるのは嬉しいんだけどね。集中できないの。


「悪い。なら、テレビでも見とくよ」


「ごめんね」


「いいって」


そう言って、ソファーに座りテレビを見始めた。


「〜♪〜〜♪」


鼻歌を歌いながら、次々に洗い物を消化していく。


今日は朝からおかしいことが起きてばっかりだけど、少し楽しいな。

空くんは、私の理想の男みたいな人だし。・・・カッコイイな。

でも、会ってすぐの人を好きになるなんて、私ってこんなに惚れっぽい体質だったかな?考えてみれば、今まで好きになった人がいないような気がする。流れで付き合うのはあったけど、自分から好きになるようなことなんてなかった・・。ということは、空くんが素敵過ぎるからだね。よ〜し、私もいい女になって空くんと並んで歩けるように頑張ろう。


「終わり〜」


洗い物がすべて終わり、手を拭いて空くんの隣に座った。


「ん?終わったのか?」


私に気付いた空くんが話しかけてきてくれた。


「うん!なんかこうしてると、夫婦みたいだね」


「は?・・・そんなわけないだろ」


「そりゃあ実際には違うけど・・・」


って今気付いた。空くん耳真っ赤〜!!!

なに?めちゃめちゃ可愛いんですけど!!


「空くん」


「ん?」


私が呼ぶと、顔を赤くした空くんはこっちを向いてくれた。


「これからいろいろあると思いますが、よろしくお願いします」


深く頭を下げて、もう一度空くんをしっかりと見た。


「ああ、こちらこそ。よろしくお願いします」


空くんも頭を下げて私を見た。


ホントにいろいろあるだろうけど、よろしくお願いします。空くん。




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