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プロローグ3

女の子が目を覚ますと、そこはいつもとなんら変わりない

自分の部屋だった。・・・たった一つを除いては。


「どう?気分は?」


女の子は、目の前に見知らぬ男性がいることに気付いた。


「な!?あなた、誰?」


私があなたと言った人物は、私の目をしっかりと見据えたまま

こう答えた。


「俺は君。君は俺」


「え?」


まったく意味がわからない。

まるで私とこの人が一緒にいみ、たい?


「あ!!もしかして、私の中にいた人?」


男は少々困った顔をしながら頷いた。


「なんか、俺にもよくわからないけど・・・そうみたいだ」


どうにも現実味がない。

お互いそう思っているだろうが、実際に起こっている現象が2人を

現実に呼び戻す。


「いきなりこんなこと言うのはおかしいかもしれないけど、

俺たちって昔から一緒にいたような感覚じゃないか?」


私と同じように彼が考えていたことを知り、驚愕した。


「私もそう思ってた・・・。何故かはわからないけど、落ち着く」


「そっか・・・じゃあ、あの条件はこのことだったのかもな」


「え?条件って?」


私は夢の中で男の子が、おじさんから条件を出されているのを思い出した。

とたんに、目の前の彼の顔が私の記憶と一致した。


「あ〜!!あなた、私の夢の中に出てきた人だ!」


「は?・・・なるほど、わかってきたぞ」


「私はわからないんですけど?」


実のところ、私の頭はショート寸前で機能していない。

それに比べ、目の前の彼はというと至って冷静な顔だ。


「じゃあ、推測だけど話すよ?」


「うん」


「まずは俺の身に起こったことからだけど、俺は部屋で突然光りに包まれて、白い世界にいたんだ。そこで、髭の生えたおっさんと出会った」


「うん。そこからは多分私の夢と一緒だと思う」


「恐らくそうだろうね。それで、気が付いたら君の体の中にいた。そして、君が倒れた瞬間に体から切り離されたように、俺が肉体を持って出てきたんだ。わかった?」


「うん。ということは、私とあなたは共同体ってことよね?」


「そうだろうな。にわかに信じがたいけど、事実起きてることだしね」


「う〜ん・・・まぁ詳しくはまだわからないね」


お互いに頷いてみる。


私は目の前の彼に目を向けると、なんとなくだけど私と似ているような気がする。


それは彼も感じたようで、お互い意味もなく笑ってみた。


なんだか、上手くいくかもしれない。

そんな根拠のない自信が湧いてきた。



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