9話
今回は由宇サイドです!
―由宇視点―
なんだか隣の男子の部屋、騒がしいなぁ。
もしかして、空くんが襲われてる!?
だ、だめだよ!そんなこと!空くんの初めては私がもら(ry
「由宇?どうしたの?」
「へ?」
私、なにかおかしかった?美紅の視線が痛いよ。
「いや、なんか1人百面相してるからさ」
今度は里美からも!?
あかん、こんなんやったら空くんを落とす前に私の気分が奈落に落ちていきそうやんけ。
「「・・・・・・・」」
調子に乗って関西弁使って脳内でしゃべってみたけど、また顔に出てたみたい。
美紅と里美の視線が・・・・・。
「ご、ごめん・・・・久しぶりの旅行でテンション上がっちゃって」
「そっかそっか。まぁ由宇がテンションが上がるのもわかる気がするよ」
「里美・・・・私の気持ちわかってくれたのね?」
少し演技を入れて、里美を抱きしめてみた。
「ま、まぁね。それより、海に行かない?」
私に抱きしめられて、顔が引きつってるみたいだったけど・・・・どういうこと?
「それじゃあ準備しようよ。私、水着に着替えて、くる・・・・・ない」
美紅が自分のかばんを漁りながら、一言。
「はい?」
「だからないの!水着が・・・・」
ほぇ〜水着がないんだ。そっかそっか。って・・・
「「なんで?」」
私と里美が同じことを言って、顔を見合わせた。
「水着・・・・・あ!」
美紅が突然声を上げた。
「な、何?あったの?」
私が聞いてみると、美紅は首を横に振った。
「でも、どこにあるかはわかったよ?」
「どこにあるんだよ?」
「家の玄関・・・・・てへ」
「「・・・・・・・・」」
今度は私と里美が美紅を見ながら、沈黙をしてしまった。
「買えばいいから大丈夫かなぁ〜なんて」
私達の沈黙に耐えられなかったのか、美紅が独り言のようにつぶやいた。
まぁしっかりと私達に聞こえてるんだけどね。
「じゃあ、買いにいくぞ?私達は早く泳ぎたいんだから」
里美がそう言って、部屋をスタスタと出て行こうとしてる。
「ごめんね」
「大丈夫だよ、美紅。それよりも早くしないと、里美の機嫌が悪くなっちゃうよ?」
私がそういうと、美紅は笑顔で頷いて里美を追いかけていった。
「私も行かなきゃ」
少し遅れて、里美達を追った。