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13話

スズを背負いながら走ることはなんら難しい事ではない。あっという間に施設前の広場に出てしまった。ベンチの方へ走っていると、アオイとなんとも綺麗な女の人が話をしている様子だ。…あの女の人ホントに私たちと同じ?


「ホノカちゃん、今アオイちゃんと一緒に話している女の人がさくらえびさんですかね?」

「たぶんそうだと思うけど…」


いや多分あの人がさくらえびさんなんだろうけど、全然、ぜんっぜん想像してたのと違うんですけど!あれはもはや宇宙人だ宇宙人!


「すごくきれいな人ですね…思わず見とれちゃいます!」

「そうだね…ねぇスズ、アオイ私たちに気づいてる?」

「確かに言われてみればお話に夢中で私たちに気づいてないみたいです」

「おーい、アオイ―お待たせ」


大きな声で呼ぶとまずさくらえびさんが気が付いたみたいだ。アオイになにか話しているみたいだ…横顔まで美しい…


「はじめまして、ホノカさん、スズさん。さくらえびと申します。どうぞお見知りおきを」

「あっ…は…はじめまして!スズです!よろしくお願いします!」

「はじめましてさくらえびさん。ホノカです。よろしくお願いします」

「ふふふ、アオイさんから少しですがお二人の事お聞きしましたよ。仲がいいみたいですね。お友達は宝物ですから大切にね」

「はい!大切な宝物!いい言葉です!」

「それでスズさん、今大変みたいですね…。私もあまり力になれないかもしれませんが精いっぱいの事はしますからなんでも言ってくださいね」

「分かりました!ありがとうございます!」


スズがぴょこっとお辞儀すると三つ編みもぴょこ。スズは綺麗というより可愛い…。これもみんなから愛されるポイントなのかも…

さくらえびさんは自分が体験したことを事細かに教えてくれた。話を聞く限りスズが置かれている状況となんら相違はないといった感じを覚えた。


「以上が私がお話できることの全てです」

「そうですか…私が置かれている状況とさくらえびさんが体験した状況は非常に似たものですね…」

「そうですね…ごめんなさいお役に立てなくて」

「いえいえ!そんなことないです!私と全く同じ状況って事が分かっただけでも大きな収穫です!」

「ふふふ…さっき同じことをアオイさんも言ってましたよ。本当に仲がいいんですね」

「そうなんです!私にとってアオイちゃんとホノカちゃんはとっても大切なお友達です!」

「スズ…ありがとう…」


なんだかいい雰囲気だ…とってもほのぼのす…きゃぁーあ!


「…」

「…」

「…何があったんですかね?」

「ワーキングチャレンジャーの方から聞こえてきましたけどね。行ってみましょうか」


私たちは悲鳴の聞こえたワーキングチャレンジャー(ベーカリー編)に向かった。そこには


「どうして!どうして私だけは入れないの…」


スズやさくらえびさんと全く同じように施設に入れなくなってしまった女の子がいた。私たちは女の子に声をかけてみることにした


「こんにちは私たちは『おてんばガールズ探偵団』です。お嬢さん何かお困りですか?」

「ちょちょ…あのーホノカさん、アオイさんが言っている『おてんばガールズ探偵団』とは何ですか?」

「あぁーあまり気にしないでください。アオイは小さいころからミステリーごっこが大好きで今は探偵なんです…」

「な…なるほど…」

「さくらえびさん…すみませんが頑張ってアオイのペースに合わせてあげてください…」

「わ…分かりました…」

「『おてんばガールズ探偵団』ですか?」

「私がリーダーのアオイです!そしてこっちがホノカとスズとさくらえびさんだよ」

「私はアスカです。いつもはスターフォートアドベンチャーという施設で魔法使いをしています。今日はお休みでパン屋さん体験をしようと思ってきたんですが…」

「入れなくなってしまったという事ですね」


スズとさくらえびさんとアスカさん…入れなくなった三人に共通するものは何なんだろうか…?


「あのーみなさんはどうして私が施設に入れなくなってしまったかご存知ですか?」

「ごめんなさい、私たちにもわからないんです。ここにいるスズとさくらえびさんもあなたと同じように施設に入れなくなった経験者なんです。だからどうしてそんなことが起こってしまうか原因を調べている最中なんですよ」

「そうなんですか…あっ…あの…」

「アスカさんどうかしましたか。。」

「わ…私も『おてんばガールズ探偵団』に入れてください!私も探偵団の一員になって自分に何が起こっているかを知りたいんです!」


…。なんだか話が壮大になってきた…別に探偵団はアオイが勝手に名乗ってるだけだからそんなに大それたものじゃないのに…アスカさんは何か勘違いしている気がする…


「分かりましたアスカさん、一緒に頑張りましょう!」

「はい!みなさんよろしくお願いします」

「よ…よろしくお願いしますアスカさん…」

「あのーホノカさん?なんだか話が壮大になってきてませんか…?」


やっぱりさくらえびさんもそう思っていましたか…頼むからアオイ話を盛らないで…


「それじゃあ早速調査に移るよ!」

「はい!頑張りましょう!」

「ふふふ、そうですね。一緒に頑張りましょうアスカさん」

「頑張りましょうスズさん!」


なんだかんだで探偵団の初仕事が始まった…本当に大丈夫かな…?


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